澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

パンダ狂騒報道を嗤う

2011年02月22日 08時32分49秒 | マスメディア

 NHKの定時ニュースのトップが、「パンダ」来日。今朝、民放では「日本と中国の絆を確かにするために来日」したとかコメントしていた。この騒ぎでもう「八百長相撲」の顛末は放送されなくなった。海老蔵はどうした、酒井法子は…こういった枝葉末節の報道の陰で、尖閣事件のその後などは全く報道されない。パンダ様の一挙一投足などどうでもいいことじゃあないかと何故言い出す人がいないのか不思議でならない。

 周知のとおり、前回のパンダは、日中国交回復(1972年)を記念して来日した。そのとき、大多数の日本人は友邦である台湾を見捨てて、新しい「友人」中国との友好に突っ走った。共産党一党独裁の中国は、「友好」という心地よい言葉で日本人の警戒心を解き、日本から巨額の経済援助を引き出す一方、江沢民政権以降は、国民に徹底した「反日教育」を施してきた。その結果が、経済・軍事大国となった中国が引き起こしたあの尖閣事件。あれほどの事件がが起きてもなお、何故、新たなパンダを受け入れ、「熱烈歓迎」などしなければならないのか。それとも、仙谷がうそぶいたように「日本は中国の属国」になってしまったのだろうか?

 中国からの贈り物(実はレンタルなのだが)を「熱烈歓迎」するマスメディア報道を見ていると、日本と中国の間には「朝貢関係」があるのかと錯覚してしまう。清朝以前の東アジア国際関係は、「朝貢関係」と呼ばれる関係で、文化程度の劣るとされる周辺の夷(朝鮮、琉球、ベトナムなど)は、大陸の王朝に朝貢を行い、その見返りに回賜(土産物)を得た。この関係について、Wikipediaは次のように説明している。 

『王化思想を基調として周辺諸国の夷狄たちが、「中国の徳を慕って」朝貢を行い、これに対して回賜を与えるという形式である。四夷から朝貢を受けることは皇帝のを示すこととされ、内外に向けて政権の正統性を示すことになるため歴代中国政権はコストを払ってでも朝貢を歓迎した。』

 もうひとつは、パンダの生息地について。パンダは四川省に生息するとされているが、清朝期に至るまで、その生息地は歴史的にチベットに属していた。中国の国営TVが「パンダは中国の宝」と報道しているが、これは真っ赤なウソ。中国共産党によるチベット支配(1956~)以降、武力で否応なしに「中国」に組み入れられた地域だからである。

 ただただ視聴率のためにパンダ報道に熱中するマスメディアは、少しは中国という国の歴史を伝えるべきだろう。

3年ぶり歓迎パンダ様!超VIP来日

サンケイスポーツ 2月22日(火)11時10分配信

3年ぶり歓迎パンダ様!超VIP来日
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成田空港に到着したパンダを乗せたコンテナ。パンダの着ぐるみも出迎えた(写真:サンケイスポーツ)
 東京都台東区の上野動物園に中国から貸与されるジャイアントパンダ2頭が21日、中国・上海の浦東国際空港から成田空港に到着。同日深夜、陸送されて上野動物園に着いた。上野動物園でのパンダ飼育は約2年10カ月ぶりだが、年間の“借り受け料”が2頭で95万ドル(約7900万円)、パンダ舎改修約9000万円など“超VIP待遇”。一方で来場客の大幅増加も見込まれるが、果たしてソロバン勘定は?!

 大食いで木登りなど遊びが大好きという「比力(ビーリー)」(雄)と活動的で人懐っこい「仙女(シィエンニュ)」(雌)。上海で飛行機を乗り換える際、仙女は報道陣をのぞき込むようなしぐさをみせ、比力は「クーン、クーン」と鼻を鳴らしていた。今後は環境に慣れさせ、一般公開は3月中を予定。東京都では公募していた2頭の日本名を一般公開に合わせて発表する。

 同園が受け入れるパンダとしては、今回初めて中国側から借りる契約を結んだ。期間は10年間で「野生動物保護への協力資金」との名目で年間95万ドル(約7900万円)を払う。石原慎太郎都知事が昨年、交渉で5万ドルの“値切り”に成功し、さらに1年目は半額に値下げされた。

 2頭は現在5歳で、人間で言えば20歳前後に当たる。来年あたりから出産に適した年齢になるが、子供が生まれた場合、満2歳で中国に渡す条件も付いている。

 延べ床面積が約370平方メートルもある“豪邸”のパンダ舎も大幅改装された。出入りがしやすいようプールは広く浅くし、床を赤いタイル張りから砂を混ぜたモルタルに。極めつけは見学通路に近い場所に置かれた平たい石。電熱で暖まる“床暖房”仕様だ。しめて約9000万円ナリ。

 そして四川省雅安からトラックで約150キロ、成都から飛行機で約1700キロ、上海で全日空機に乗り換えてさらに約1800キロ、成田空港から陸路60キロの長旅の旅費は約4900万円。

 これらの費用は、同園を所管する東京都が税金で負担する。昨年6月に約1億8500万円の補正予算を組んで手当てした。

 さらに毎日のエサなど“固定費”もかかる。同園関係者によると、餌代は1日約1万円少々。大食いのイメージがあるゴリラやカバでも約3100円だから約3倍だ。

 もちろん“投資”以上の見返りも期待される。同園では最初のパンダ「カンカン」「ランラン」が来た翌々年の1974年に過去最高の来園者数約765万人を記録した。その後はブームも一段落したが、2008年4月に「リンリン」が死んでパンダ不在となり、入場者数も約290万人に落ち込んだ。

 同園は大人入園料600円(小学生以下無料)で、単純計算で来園者の大人が30万人増えれば1億8000万円の増収。地元の商店会や行政などによる「うえのパンダ歓迎実行委員会」は、観光客増加で約100億円が新たに地元に落ちるとみている。