澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

天児慧(あまこ さとし) 尖閣諸島を中国に売る「御用学者」

2011年02月28日 09時18分16秒 | マスメディア

 昨晩、NHK「ラジオ深夜便」を聴いていたら、日中関係をテーマにどこかの大学教授がインタビューを受けていた。延々と続くのを聴いているうちに、その人の話が尖閣事件に及び、意外なことを言い出した。

 「尖閣事件を考える前に、近代国際社会がどう成り立ったのか知っておくべきだ。近代国民国家は、ウェストファリァ条約で実体化され、現代の国際関係の基礎となっている」云々…こういうありきたりの話に続いて、「海の国境は陸の国境と異なって、その境界が明確ではなかった。だから日本は尖閣諸島でも竹島でも北方領土でも、相手にもっと胸襟を開いて共同主権を提案するくらいの外交が必要だ」と。共同主権が確立すれば、日本はもっと外に開いた社会になるし、東アジア諸国の繋がりも強固になるだろう…こういう趣旨の発言を繰り返していた。私は、共同主権という欺瞞的な主張をここで初めて耳にした。共同主権という概念は、ジブラルタル海峡のある島の領有を巡って、英国とスペインの間で現実のものとなっている、のだそうだ。
 
 番組の最後に、この人が天児慧(あまこ さとし)早稲田大学教授※であることを確認した。
  ※ http://japanese.cri.cn/1041/2009/01/13/1s133774.htm

 この人の初期の著作(岩波新書)を読んだことがある。改革開放間もない中国をひとり旅した新鮮な記録だった。が、今や時は流れ、天児は早稲田大学アジア太平洋研究科教授という主要ポストに就任し、中国問題の「大家」として中国政府の立場を代弁するかのような言説を繰り返している。

 早稲田大学には「親中国」「媚中」という遺伝子がある。大隈重信にまで遡らなくても、一昨年死去した安藤彦太郎(元早大教授・日中学院長)などはその典型だった。東大をライバルと見立て、あちらが「官」で「欧米志向」だから、こちらは「在野」で「中国・亜細亜」だという、粗暴な論理があるのかも知れない。(当然ながら、東大は、こんな「在野精神」など何とも思っていないだろうが…。)天児は、早大教育学部→都立大大学院→一橋大大学院(博士課程)というふうに、学歴UPを図ってきた。当時、早大にはまともな中国研究者など存在しなかったのだから、この「他流試合」は賢明な選択だった。また天児は大学教授として、琉球大→共立女子大→青山学院大→早稲田大学(出身校)というように出世の階段を登るに連れて、中国とのパイプを強固にしてきた。早稲田大学教授というポストは、それなりに社会的影響力がある。何よりも早稲田大学は、中国では一番有名な日本の大学なのだ。

 この天児が、NHKの番組(1時間近いラジオ・インタビュー番組)に出て、尖閣諸島を日中共同で主権管理せよと主張する。これが日本の権放棄の勧めでないのなら、いったい何なのだろうか?
 天児の大先輩・安藤彦太郎は、中国共産党のボスが替わっても、中共(=中国共産党)への忠誠、追従を貫いた。中共への「不転向」!天児はその位牌を継いだというところなのか。「幸福を売る男」ならぬ「尖閣を売る男」だ。