澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

NHK「未来への提言」は絶対に怪しい!

2011年02月24日 20時35分50秒 | マスメディア

 NHK「未来への提言 生物地理学者 ジャレド・ダイアモンド  過去が語る地球の未来 」を見たが、これが何とも怪しい番組だった。
 「生物地理学」者というジャレド・ダイアモンドが、如何に権威のある学者かを強調しながら、文明の消長を映像と音楽で示す。近代ヨーロッパ文明が何故世界を覆い尽くし、その一方でニューギニアの原住民が今なお「原始時代」の生活をしているかの理由を「人種の違いではなく、その背景にあった自然環境の違い」故だと説明する。人類は大型哺乳動物のうち14種を家畜化した。南北アメリカ大陸では、メキシコで車輪が発明され、南米のアンデス地方ではヤクが家畜化された。だが、両者が結びつき、馬車になることはなかった。一方、メソポタミアで作られた車輪はウクライナで家畜化された馬と結びつき馬車が作られた。こういうエピソードはなかなか新鮮で耳目を引きつける。

 しかしながら、これに続く内容はどこかで見たようなものばかり。日テレ系列で制作されたUFO番組のような展開となる。崩壊した遺跡の映像を次々と流し、人類の未来に「警鐘」を与えるという次第。あげくの果ては、崩壊しつつある地球環境を守るための具体例として、徳川幕府による森林再生を採り上げる。これは、日本の視聴者へのリップサービスのつもりなのだろうか。

 「未来への提言」と仰々しくブチあげながら、実はつぎはぎだらけの、デジャブ感一杯のこの番組。ジャレド・ダイアモンドという人は、本当に宣伝するほどの大学者なのだろうか?私には、とてもそうは思えない。狭い専門分野においては優秀だったのかもしれないが、もはや一線から退き、検証も不能な「文明論」で食いつないでいる作家に過ぎないのではないか。

 NHKが作るドキュメンタリー番組は、このところこういうこけおどし番組ばかり。人類文明の未来、地球環境の保全、平和の構築、国際化と市民の連帯…どれもこれも文句の付けようのないフレーズだが、何かおかしくはないか!? そう、NHKのこれらの番組すべてに共通するテーマはただひとつ、日本国民は「ナショナリズム」に目覚めてはならないということに尽きる。これは、日本人が日本人であることを自覚したり、正当な国益を主張することを断念させるという意図的な「刷り込み」工作ではないのか?
 その証拠に、「中国人が地球を食い尽くす」という批判には、ジャレド・ダイアモンドは極めて甘く、中国人が欧米人並みの豊かさを求めるのは当然だと言い切る。日本人は「国際化」と「地球環境」には滅法弱い。その日本人に対してだけ、環境破壊に対する「原罪意識」を持たせ、途方もない負担を押しつけているという印象だ。
 
 ジャレド・ダイアモンドの相手をする竹村真一は、かの竹村健一の息子。この親子は専門は異なるが、センセーショナリズムに加担するという点で、まさに似たもの親子だろう。
 NHKのドキュメンタリー番組は、眉に唾をして見ようではないか。
 

【NHK HPより引用】
「未来への警鐘」
 21世紀の人類が抱える共通の課題について、世界のキーパーソンに徹底インタビューし、未来を切りひらくヒントを探り、道しるべを提示するシリーズです。環境問題、平和の構築、最先端科学、エイズ撲滅、医療、未来学、教育など様々な分野で活躍するキーパーソンに、日本を代表するその道の専門家がじっくりとロングインタビューを行い、とっておきの未来への提言を聞き出します。キーワードは“時代の半歩先をゆく”。インタビューの合間に登場するVTRリポートも、知のフロンティアの最新情報を満載。世界が注目する一流同士の“知的な対話”から、あなたも希望ある未来を見つけ出してみませんか。

プレミアム8 【人物】 未来への提言  生物地理学者 ジャレド・ダイアモンド  過去が語る地球の未来  
  カリフォルニア大学LA校教授、ジャレド・ダイアモンド博士(73)は「現代文明はそう遠くない未来に崩壊するかもしれない」と警告する。太平洋上に唯一無比の文明を起こしながらも、いまや墓石のようなモアイ像を残すだけとなったイースター島のように・・・。しかもグローバル化によって、現代の文明崩壊は全地球的な規模になると予言する。博士は生物学・生理学の権威でありながら、その幅広い知識と見識で地球人類史を科学の目で検証し直してきた。1997年出版のベストセラー『銃・病原菌・鉄』で過去の文明がいかにして生成・発展したかを解き明かし、ピューリッツァー賞を受賞。2005年、今度は『文明崩壊』でその文明がいかにして滅びていったのかを描き出した。さらに、このまま放置すれば「地球最後の日」が現実化するという警告を発している。我々、人類が作り上げた「文明」は果たしてこの先どうなるのか。迫り来る破局から抜け出すには、今何をしなければならないかを博士に聞く。インタビュアーは文化人類学や環境問題で、ユニークな発想を展開する京都造形芸術大学教授・竹村真一氏。