「放射線うつる」といじめ 船橋市に避難した子どもという記事が、共同通信から配信された。だがこの記事、よく読むと、「千葉県船橋市に避難した子どもが「放射線がうつる」などと言われ、いじめられたとする匿名の電話が3月、同市教育委員会にあった」と書かれていて、その事実関係は曖昧なままだ。
これを読んで私は、朝鮮総連系の「朝鮮学校」の生徒が、制服であるチマチョゴリを「心ない」日本人に切られたというニュースを連想した。北朝鮮が拉致や核実験などを起こすたびに、朝鮮学校の生徒がいじめられるというニュースが流されるのだが、そのニュースソースは朝鮮総連によるもの。具体的な被害者や、加害者が日本人であるかどうかも、実際には明らかにされていない。
今回の「事件」でも、船橋市教育委員会は、匿名の電話に過剰反応して、その内容を記者発表した。その結果、全国にこういうニュースが流れたのではないか。もし、船橋市教育委員会がこの匿名電話を黙殺して、先にマスコミにでも流されたら、責任問題になることを恐れたとしか思えない。
「放射線がうつる」と誰がどういう状況で言ったのかも分からず、仮に言ったとしても、それが「差別」や「人権」に関わるような事だったのかどうかも定かではない。こんなことを騒ぐ前に、マスメディアはもっと為すべき事があるだろうに。
「放射線うつる」といじめ 船橋市に避難した子ども
4月14日(木) 22時19分
福島県から千葉県船橋市に避難した子どもが「放射線がうつる」などと言われ、いじめられたとする匿名の電話が3月、同市教育委員会にあったことが14日、市教委への取材で分かった。市教委は、避難者の気持ちを考えて言動に注意するよう児童、生徒への適切な指導を求める通達を、市内の小中学校など計83校に出した。市教委によると、匿名の電話は、福島第1原発事故のあった福島県から避難し船橋市内の公園で遊んでいた小学生のきょうだいが3月中旬、別の子どもたちにいじめられたとの内容だった。通達は、指導に当たっては「思いやりを持って接し、温かく迎える」「避難している人の気持ちを考えて言動に注意する」など避難している子どもたちへの配慮を要請。「(放射線に対する)大人の不安が子どもたちに影響を与え、冷静な対応が取れなくなる恐れがある」と保護者と連携した対応の重要性も指摘した。