NHK「坂の上の雲」は、先日、二〇三高地の戦闘にまで話が進んだ。全部を見ているわけではないが、ドラマの冒頭部分のこのナレーションには、見るたびに心を打たれる。
司馬遼太郎が「坂の上の雲」で描きたかったことは、すべてこのナレーション部分に凝縮されているように思う。
ところが、NHKドラマの中では、司馬遼太郎の原作には存在しない次のような台詞が付け加えられていると聴き、驚くと同時にさもありなんと思った。
このことを指摘しているのは「NHK捏造史観の作り方」※というブログ。
※
http://blog.goo.ne.jp/inoribito_001/e/16c6736118584dd3f4afabe4d238f68b
問題の部分を引用する。
正岡子規が、従軍記者に決まり大喜びで母親に、その報告をする
そこで母親の言葉
「日本は今、随分親しかったお国と戦こうておるんじゃね
見てごらん、掛け軸は漢詩、お皿はシナの子が遊ぶ絵皿
子供の頃、おじーさまによくシナの話を聞かされました
シナは夢のようなお国で
だーれも憎い敵じゃとは思わなんだ」
正岡子規がその話を聞かされ
陰鬱な表情を浮かべ座り込む
以上は原作にない、NHKにより追加された部分
はて? この母親のセリフが坂の上の雲というお話にどう関わるのか?
原作にない部分まで作って、訴える目的はなんでしょう?
まるで現代の日本人へのお説教とも取れるのですけど。
地球市民的発想を言い立てて中国を支持する人たちの
定番セリフではありますね。
「日本はずいぶん中国から文化をいただいて恩義がある。
敵対すべきではない」
敵対してきてるのはあちらなんですけど。
ありもしない南京とか言い立ててお金を踏んだくって行く。
ゆすりたかり国の朝鮮人メンタリティを作ったのは、ある面
宗主国であった中国だって気もしますしね・・・
迷惑・・・。
司馬遼太郎は、冒頭のナレーションのように、何もない小さな国(日本)が欧米列強の侵略に迫られて立ち上がった歴史を描こうとした。だから「…シナは夢のようなお国で だーれも憎い敵じゃとは思わなんだ」という台詞は、このドラマの趣旨とは合わない。原作には存在しない台詞だという指摘が頷ける。
もし「坂の上の雲」の中にこういうことが書かれているのなら、ぜひ教えてほしいと思う。上記のブログの指摘のように、NHKがドラマ制作過程で追加したのだとすれば、NHKは司馬遼太郎の原作を冒涜するとともに、現在の「人権」「平和」「共生」などの価値観で歴史を裁いていることになる。まさか司馬遼太郎のドラマを借りて、「日本は中国にひどいことをした」「悪いの日本だ」と視聴者の刷り込もうとするのか?
いみじくも、冒頭のナレーションでは、当時の歴史を知らなければこの物語は理解できない、と言っている。その舌の根も乾かぬうちに、「地球市民」的感覚で番組を制作しているのだ。これがNHKの捏造史観だと言っていい。