先日、ジャーナリスト・岩上安身氏が福島第一原発の現場を取材したレポートが、TV放送された。防護服に身を固めた岩上が3号機の前に来ると、500ミリシーベルト、4号機の横に移ると、なんと1500ミリシーベルトを記録した。
岩上は「もし、4号機が倒壊したら、広島型原爆四千個の放射性物質が放出される。露出した核燃料は、2800度の高熱で燃え、人は何もすることができない」という。
その4号機について、「反原発」で知られる京都大学助教・小出裕章氏が、関西の毎日放送で語った記録を見つけた。出典は「ざまあみやがれ」※といいうブログから。
※
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65784723.html
この中で小出氏は「もし4号機が倒壊した場合、半径250km圏内は避難が必要になる」と語っている。250kmといえば、関東平野では西は高尾山、丹沢山渓、箱根あたりまでが該当する。これは、日本という国家がほぼ壊滅することを意味する。
米国議会での専門家の証言によると、4号機が倒壊した場合、18万人の死者が予想される。昨年3月の危機的状況において、米国政府は米国人が原発の100km圏内から退避するよう勧告した。それは、この4号機の倒壊を危惧したためだという。
来る首都直下大地震、東海・東南海・南海三連動地震に備えるのは当然のこととして、それと同時に、大地震によって福島第一原発がどうなったのか確かめることがまず第一に必要だ。東日本大震災の経緯を顧みると、政府及びマスメディアは、まず情報統制を行う。まず「原発危機」を正確に伝えていたBBCなどの海外ニュースが放送停止となる。そして「大丈夫、心配は要らない」という「大本営発表」のような放送が続けられ、ある時点で突然真相が告げられる。そのときまで報道を信じていた大衆には、もはやその場で立ちつくすしか選択肢はない。枝野(官房長官)が家族をこっそりシンガポールに退避させていたという話が明るみになったが、このように権力者は自分のことしか考えていないのだ。大衆は大量の放射能を浴びながら、勝手に死んでくれ…というのが、政府の言う「絆」の正体だ。
マスメディアが曖昧な報道をしたとしても、もし疑わしい部分があったら、直ちに250km圏から逃げるべきだろう。原発から250km圏とは、次の写真の最大円の内部を指す。
250km圏は、東京都羽村市、神奈川県横浜市あたりまでが該当する。新潟市は直線距離ではより原発に近いが、高い山脈で遮られているという地の利がある。一方、首都圏は高い山脈など全くないので、茨城、千葉を通って、致死量の放射性物質が奥多摩、高尾山、丹沢山渓、箱根山あたりまで直接降り注ぐ。
【上記ブログより引用】
2012年1月9日(月)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。4号機の倒壊の危惧を語りました。
▼検証 福島原発事故・記者会見――東電・政府は何を隠したのか
▼20120109 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章 - YouTube
<iframe src="http://www.youtube.com/embed/wvgs2R4Raio" frameborder="0" width="420" height="315"></iframe>
=====(文字おこし、続き)
※「小出裕章が「40年で廃炉方針」を批判 「老朽化なんてこととは全く関係なく、事故は起きる」1/9(1)」からの続き水野「はあ…。それからもう1つ伺いたいんですが」
小出「はい」
水野「あの……これは福島第一原発の事故の2週間あとの段階で、」
小出「はい」
水野「え…政府が想定してた最悪のシナリオ、というものが今になって明らかになってきました」
小出「はい」
水野「で、これはですね。4号機の使用済み核燃料のプール、の中にある燃料が融けるということを想定、したんだそうです」
小出「はい」
水野「で、最悪の場合どういうことが起こるかといいますと…。え……。まあ、住民で希望する人たちがいたら移転を認めるべきだという地域は、どこまでかというのが、半径250キロの外側まで、発生する可能性があるというんですね」
小出「はい」
水野「で、250キロというとどこかというと…え……横浜、あたりになります」
小出「はい」
水野「つまり、東京も含めて首都圏の、多くの地域から、ま、避難が必要…であると、いう事態を政府が想定していたと。」
小出「はい」
水野「いう話が出て、来ました」
小出「はい」
水野「で、え……わたくし思い出したんですが、小出先生は確か、4号機というのは、あの…未だ色々心配なことがあるんだよとおっしゃった、時があったかと思うんですね」
小出「そうです」
水野「4号機のプールというのは今、どういう状況なんですか」
小出「え…使用済みの燃料プールというのは、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器という容器のさらに外側にある、のですね」
水野「はい」
小出「え…つまり放射能を閉じ込めるという防壁に関していえば何も無いという場所に使用済燃料プールがある」
平野「うん」
水野「はい」
小出「のです。そしてそのプールの中に、4号機の場合には、え…原子炉の中に通常入っている燃料の、え、2倍あるいは3倍分ぐらいの使用済みの燃料はたまっている…」
水野「はー…はい」
小出「のです」
水野「2倍、3倍たまっている、はい」
小出「はい。そして、4号機というあの建物はですね、水素爆発でやはり吹き飛んでいるのですけれども。」
水野「はい」
小出「4号機の場合の水素爆発は、非常に変わった形で起きていまして…」
水野「おん」
小出「え……1号機も3号機もオペレーションフロアーと私が、私たちが呼ぶ、最上階の部分で爆発が起きて」
水野「ええ」
小出「はい。いわゆるまあ体育館のようなどん長の部分が吹き飛んでいる、のですが」
水野「はい」
平野「ふむ」
小出「4号機だけはそうではないのです。そのどん長の部分も吹き飛んでいるし、さらにその下の、1階、さらにまたもっと下のもう1階分ぐらいのところの建屋が爆発で吹き飛んでいる、のです。実はだからそこに使用済燃料プールが埋めこまれている場所というところが、すでに爆発で破壊されてしまっているわけで。え……いつ、使用済燃料プールが崩壊してしまうかがわからないという、そういう状態が3月15日でしたでしょうか」
水野「ええ」
小出「4号機の爆発以降ずうっと続いている、のです」
水野「え、今も続いてるってことですね」
小出「続いているのです」
水野「その、プールが崩壊の危機にさらされている状況は今も続いているんですね」
小出「はい。ただし、東京電力ももちろんそのことの重大性に気がついていまして」
水野「ええ」
小出「えー4号機の使用済燃料プールをとにかく崩壊から守ろうとして、え…耐震補強工事というのをやったのです」
平野「うん」
水野「はい」
小出「はい。え……でも、え……余りにもひどい、ようするに作業環境で、工事を行ってきている、わけだし、それしかできないわけで。ゆっくりゆっくりその、きちっとした工事をするというようなことが、実際上はできないような現場なんですね」
水野「ええ」
小出「そこででも東京電力は苦闘しながらやったとは言っているわけですけれども、これからまだまだ余震も来るでしょうし。次に大きな余震が来たときに4号機の使用済み燃料プールが、本当に壊れないんだろうかということが私は不安なの、です」
平野「ふむ」
水野「はい……」
小出「もし壊れてしまえば、その、政府が3月15日のころに、予想したように、250キロというようなところも、膨大な汚染を受けるようなことになると思います」
水野「はあ…そういう不安な状況が今も続いていると、認識しなきゃいけないんですね」
小出「そうなのです」
水野「はい……ありがとうございました」
小出「はい」
平野「どうもありがとうございました」
小出「ありがとうございました」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」