野田首相が「収束」を宣言した福島第一原発の様子が、次第に明らかになってきた。先ほど東京電力が「2号機の水位が60センチ」と発表したが、それを伝えるNHKのニュースは、さして緊迫感を込めて報道をしていない。だが、この報道姿勢を鵜呑みにするのは危ない。
先日、岩上安身氏(フリー・ジャーナリスト)が福島第一原発を視察したレポートが地方局TV番組で放送された。それによると、福島原発で最も危険なのは4号機だそうで、現在、何の外壁、保護幕もないまま、燃料棒が大気中に露出した状態。これに絶えず放水することで、かろうじで現状が保たれているという。もし、4号機が次の大地震・津浪で倒壊したら「燃料棒は2800度の高熱で燃焼し、広島型原爆4千発分の放射性物質を放出する」という。そうなったら「福島原発から250km圏は避難対象地域となる」そうだ。
2号機は3mほど水位があると言われてきたが、実は60cmだった。2号機は「水素爆発」したと言われるが、実際には原子炉ごと爆発したに等しい。当初政府は「メルトダウン」という言葉を決して使わなかったが、「メルトダウン」どころか「メルトスルー」まで起きていたのだ。
「福島原発2号機の水位はわずか60cm!」という情報をどう考えるべきか。現状では、メルトダウンした核燃料は放水によって冷却されているのだから、このままの状態が続けば、何とかなるのかも知れない。しかしながら、次の大地震・津波が来襲したとき、2号機も4号機も耐えられるのだろうかという不安は拭えない。それに加えて本日、自民党の佐藤参院議員(自衛隊OB)が予算委員会質疑で福島原発のテロ対策について質問。佐藤議員によれば、もしテロリストが福島原発内に潜入して、放水のホースを破壊しようとすれば簡単にできると発言。その防衛策を質問したが、田中直紀はまるで呆け老人のような答弁に終始した。
福島原発の現状はなかなか報道されない。「パニックをおこさない」という名目で依然として情報操作がおこなわれていることは間違いない。原発を批判してきた広瀬隆氏(評論家)のいうとおり、「東電はある日、もうこれで手段はなくなりました。皆さん、ご自分ですぐに逃げてくださいと言う」可能性があるのだ。決してマスメディアと東電を信用してはならないということか。
250km圏が退避となれば、首都圏は消滅し、日本は壊滅する。
格納容器内、水位60センチ=2号機、内視鏡で確認―福島第1
時事通信 3月26日(月)19時10分配信
東電によると、格納容器側面にある配管開口部から内視鏡を挿入。カメラと温度計が付いたケーブルを格納容器底部に向けて垂らしていったところ、開口部から約7メートル下、格納容器底部から高さ60センチで水面を確認した。水温は48.5~50度で、水は透明だったが、何かの堆積物が巻き上げられていた。