一昨日、東日本大震災追悼式が行われた。その際、台湾代表が献花する機会が設けられていなかったことが、昨日、世耕議員(自民党)の国会質問によって明らかにされた。野田首相は「本当に申し訳ない。行き届いていなかったことを深く反省したい」と陳謝したそうだが、200億円を超える義捐金を送ってくれた台湾(中華民国)に対して、あまりに非礼ではないか。これは言うまでもなく、中国の目を気にしてのことだ。「中国はひとつ」であるから、台湾政府代表には故意に献花させなかったのである。
民主党政権は、共産党一党独裁の中国が「ひとつの中国」の代表とする政権であるという虚構に呪縛されて、台湾がまぎれもない民主主義国家であり、日本にとって無二の友邦であるという事実を直視することさえできない。
こんな愚かな政権の下でも、日台交流は脈々と続いている。日台交流協会台北事務所(=台北・日本大使館)は、台湾の日本支援に感謝して、11日、台湾主要4紙に「謝謝台湾」の広告を掲載し、各TV局でも「感謝CM」を流しているという。日台関係を熟知した外務省官僚が関わらなければ、なしえない事業だ。
官僚叩きを続け、スタンドプレーばかりの民主党政権のもとで、きちんと日台交流の実務を続けている外務官僚を高く評価する。政治家が愚かでも、優秀な官僚がいるうちは、まだ日本は大丈夫か!?
交流協会が制作した「多謝 台湾」ビデオ
<台湾>「謝謝」CMで被災地支援に感謝…交流協会
台湾への感謝を伝えるCM画像(交流協会台北事務所提供) |
【台北・大谷麻由美】日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所は東日本大震災から1年となる11日を皮切りに、被災者に厚い支援を提供してくれた台湾の人々への感謝を伝える一連の「謝謝台湾」活動を実施している。台北市内で12日に開いた「追悼・復興レセプション」には馬英九総統も出席し、被災者にエールを送り、被災地の中で唯一残されていた福島県への渡航禁止の解除を発表した。
台北事務所は11日、主要4紙1面に「謝謝台湾」の広告を掲載した。また、CMを独自製作し、その中で、震災当日に生まれた乳児とその両親、漁師や木工職人といった被災者が、復興状況と「台湾ありがとう」を伝えている。
CMはテレビ、繁華街の屋外モニター、ネットで放送し始めた。台湾人からは「我々の善意がちゃんと届いた」と喜びの声が上がっている。反響は大きく、無料でのCM放送の申し出も寄せられているという。
追悼式で台湾代表が献花できず…首相、深く反省
自民党の世耕弘成氏への答弁。台湾からの震災義援金は官民合わせて約200億円と世界トップクラスだった。
世耕氏は追悼式で、天皇、皇后両陛下がご退席になる際、場内が着席していたとして、「どこの国でも全員起立するものだ」と批判。藤村官房長官は「(議事進行は)事務方で詰めてきたものを直前に聞いた。おわびするしかない」と謝った。
(2012年3月13日07時36分 読売新聞)