十亀有子デビュー40周年記念コンサート「笛吹きYUKO & 木管6重奏」を聴く。十亀有子女史は、東京フィルハーモニー交響楽団フルート奏者。会場の「ドルチェ」(パウエル・フルート・ジャパン)は、100席ほどのサロン的スペースで、間近に生演奏を楽しめる。
プログラムは、ショッカーという作曲家・フルート演奏者の作品を4曲も演奏するなど、「十亀さんらしい意欲的な採りあげ」になった。そのショッカーによる「エアヘッズ」は、夫君の十亀正司(クラリネット)との二重奏。ミヨーは、予想通りのような曲想の曲、ポピュラーなモンティの「チャルダーシュ」では、思いがけないハプニングもあって、一同がどよめいたりした。アンコールは、東フィルの同僚が十亀女史のためにアレンジしたという、ガーシュウィン「サマータイム」。木管六重奏の中に十亀のフルートが浮き上がるような音像の編曲。
曲間のトークもまた絶品。この人の豊かでおおらかな人柄を感じさせるお話だった。
真夏の土曜日、一服の清涼剤だった。次は、涼やかな季節にも聴いてみたい。