都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
昨日、桜前線も終焉を迎え、今日の寒さでお花見気分は、あっという間に通り過ぎました。
お花見気分の終わったところで「姥桜」について考えてみようと思います。
皆さんは「姥桜」についてどんなイメージを持っていますか?あまり良いイメージではないと思いますが、本当にそうなのでしょうか。
辞書によると、下記のようになっています。
姥桜(うばざくら)
1 葉が出るより先に花が開く桜の通称。寒緋桜・姥彼岸桜など。葉がないことを「歯無し」に掛けた語という。
2 女盛りを過ぎても、なお美しさや色気が残っている女性。
もう見た目から「老」という字が入っているので、年配の女性を比喩する(または本人が自嘲する)言葉っぽいですが、「本来の意味は、娘盛りを過ぎても美しい女性のことで、誉め言葉」だそうです。
かといって、年配の女性に誉め言葉のつもりで言っても大半の方は気分を害しそうなので、使わないほうが良いと思います。
「姥桜の狂い咲き」という言葉があります。
「姥桜」とは葉が出る前に花を咲かせる桜の通称であることは前記にありますが、元々は「葉がない」=「歯がない」=「姥(老女)」という駄洒落から名づけられました。
ストレートに「桜の老木」を指して使われることもあります。
「狂い咲き」とは季節外れに花が咲くこと。春に咲く筈の桜が秋に咲く、などに使われます。
年老いた桜が季節外れの花を咲かせるように、「老女が年に似合わぬ色気を出す」または「老女が年甲斐もなく恋愛に身を焦がす」といった意味で使われます。
また比喩的に、「とっくに老衰したと思われた人間が、最後の力を振り絞って大活躍する」ことを指す場合もあります。
姥・老女からの連想で「お歯黒」についても触れておきましょう。
「お歯黒」は明治初期まで長い歴史を経て続いていた女性の習慣であった。文字通り、歯を黒く染める風習である。別名「鉄漿 ( かね ) 」「かね」「はぐろめ」「歯黒」「涅歯(でっし、ねっし)」とも呼ばれ化粧品の一種で、時代の風俗によって歯を黒く染める鉄の溶液や、またそれを使用して歯を染めること、あるいは、染めた歯を示すようである。
お歯黒の起こりは日本古来からあったという説(日本古来説)、南方民族が持って来たという説(南方由来説)、およびインドから大陸、朝鮮を経て日本に伝わったという説(大陸渡来説)がある。この三つの説はいずれも定説がないのが現状であるが、たとえ外国から伝来した風習であるとしてもこれを消化、吸収し、さらに日本特有の文化に練り上げ千年以上の永きにわたり日本婦人の虫歯の予防に役立っていたことは驚嘆に値する。
歯黒も歯の健康にとってはどうやらたいへん良かったようです。まず、お歯黒をつける前に歯の汚れ、つまり歯垢をとらなければなりません。そのため、自然にムシ歯の予防効果がありました。
お歯黒をつけることにはいろいろな意義があったが、江戸時代においては既婚婦人のしるしで、まずは白い歯を染めて、「二夫にまみえず」との誓いの意味あいがあった。黒は何にも染まらない色ということで夫に対する「貞節」の証だったのです。
歯は白い方が美しいというのは現代の考え方。奈良時代(弥生時代とも)から明治初めまで、日本では歯が黒い方が美しいという価値観があったそうです。今と美意識が違ったようですね。