絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ 鈴木俊幸著
江戸時代には絵草紙屋は子供のための読み物だった。書物と対比される草紙は一過性の慰み物の扱いだった。江戸時代の書物とは神書・仏書・儒書・医書・または歌書等古典として価値に裏づけられて、宗教上・学問上または人生において価値があると認められたもの。さらにこれからもその価値が永く普遍であると認識されているものをさしている。これに対して草紙は浮世絵・草双紙(くさぞうし)(江戸時代の小説の一ジャンル。江戸特有の挿絵入り仮名書き小説で、寛文(かんぶん)末年(17世紀後半)ごろに刊行され始めた幼童向けの絵本である赤本を初めとして、黒本、青本、黄表紙、合巻(ごうかん)という順に出版された娯楽的読み物。)芝居関係の読み物・役者絵等がこれに属し、消耗品的な慰み物であった。なかなかイメージが出ないが今でもわずかに残る駄菓子屋の店頭の風景で食品の代わりに種々の読み物が店頭にあったと思われる。
原胤昭の須田町の店は団団珍聞も販売していたようで絵草紙屋とも書店とも考えられる。また福神漬の証言者である鶯亭金升は貸本屋の草双紙を読み尽くし、父である長井昌言から与えられた『八犬伝』を熟読し、暗記していたという。
江戸時代には絵草紙屋は子供のための読み物だった。書物と対比される草紙は一過性の慰み物の扱いだった。江戸時代の書物とは神書・仏書・儒書・医書・または歌書等古典として価値に裏づけられて、宗教上・学問上または人生において価値があると認められたもの。さらにこれからもその価値が永く普遍であると認識されているものをさしている。これに対して草紙は浮世絵・草双紙(くさぞうし)(江戸時代の小説の一ジャンル。江戸特有の挿絵入り仮名書き小説で、寛文(かんぶん)末年(17世紀後半)ごろに刊行され始めた幼童向けの絵本である赤本を初めとして、黒本、青本、黄表紙、合巻(ごうかん)という順に出版された娯楽的読み物。)芝居関係の読み物・役者絵等がこれに属し、消耗品的な慰み物であった。なかなかイメージが出ないが今でもわずかに残る駄菓子屋の店頭の風景で食品の代わりに種々の読み物が店頭にあったと思われる。
原胤昭の須田町の店は団団珍聞も販売していたようで絵草紙屋とも書店とも考えられる。また福神漬の証言者である鶯亭金升は貸本屋の草双紙を読み尽くし、父である長井昌言から与えられた『八犬伝』を熟読し、暗記していたという。