お米に関して日本の統計の正確性があるのか

自分が築地にいた時、毎月10日までに前月の売り上げと個別の統計（金額とトン数）を提出する。これは東京都全体の集計なので、一社でも遅れると全体の集計が遅れる。時に気にしたのは年度末の集計で4月の10日は緊張していた。この売り上げの集計額が東京都の市場の使用料に関係するので、これをごまかすことは脱税となるので注意していた。京橋税務署は移転前の10数年前には5年に一度調査があって、大方交際費の解釈違いで終わる。何せ利益が少ししか出ない中央卸売市場制度であるので、ある時の税務調査官との会話で自分たちの納税は脱税・節税する必要は無いと伝えたら驚いていた。その理由は些細な脱税で市場から退出すると日本全国の指標が消えることになる。さらに中央卸売市場の制度で国と東京都の目に見えない恩恵があって、外部の人のいう利権というものがある。築地市場は日本一地価の高い銀座から近所なのに激安で敷地を借りている。従って都内なのに相続税の問題が生じない。多くの同業者が相続税の発生時に営業継続ができなくなっていった。もう都内では生鮮食料を扱うには無理がある。品川食肉市場・JR品川駅から歩いて3分、淀橋市場はJR大久保駅から数分。後の卸売市場は物流センタ－となる。大田市場が線路の脇にあるのでいずれJRの駅が出来る気がする。
　通常は大型トラックで夜間待機していると、都内では騒音問題が生じる。さらにゴミ問題も量が多いため別扱いとなる。築地の移転時に気がついたのだが東京都の粗大ごみという制度がなくて、毎回ゴミを管理している組合に書類を出していた。従ってロッカ－・机等の購入は古い物を引き取りことが条件だった。また電力と電話は東京都の管理で電気料の支払いが東京都から個別に請求が来る。冷蔵庫の200ボルトの電力を確保するため、自販機の会社とタイアップし、従業員の厚生のため、自販機設置を認められ、そこで電力を確保し、余分な電力でセリ場にパソコンとプリンタ－を入れた。豊洲ではもうこのような裏技で電気を確保したという昔話もだれも信じられないだろう。また携帯電話でも午前8時前後から9時にかけて築地市場内が繋がりにくい。ましなのはドコモでソフトバンクの携帯は切れやすかった。ある時ソフトバンクの営業と雑談したら、広い場内にアンテナがソフトバンクが少ないという。輻輳する携帯の原因は一人が数台の携帯を持っていることから起きていた。広場で大声で大田市場・得意先・自社の在庫を調べつつ会話していた。符丁はこの時使われる。
　統計で東京都の数字を管理しいる職員から問い合わせを45年間で電話で1回貰ったことがある。それは梅干しと梅漬の数字が全国の統計と違っているという。精査すると原因が解った。梅干しは梅を漬けて干したもので、梅漬けは干さない梅漬けで関西ではドブ漬けともいう。この基礎数字にスモモの漬物があった。縁日のスモモの甘酢漬で自分の感覚で干していないので梅漬けのコ－ド分類としていた。これは高価な漬物で普段の梅漬けの統計ではほとんど出ないが祭り時にはよく出る。
　スモモは植物の分類では記憶ではウメ、アンズ、スモモ、モモ、アーモンド、オウトウは、園芸的には核果類と呼ばれる果物である。 核果類は、バラ科サクラ属(世界共通で生物の分類に使われている「学名」ではPrunus属)に属する果物の種類
　東京都の職員の会話から統計調査のやる気が見えたので、事情を聴くと不要な分類で統計上数字が出てこないものが多々あるという。その事情を聴いて、特に添加物の規制値に影響があるのでよく注意したほうが良いと答えた。統計の継続性の問題もあって、東京都だけの判断は出来ないと伝えた。後で電話が来て、忠告が役に立ったようだった。もう十数年前の話となる。統計は地味な仕事でもある。
　外国との漬物輸出の経験があって、食品表示で日本の番号（例えば赤色ｘｘ号）と国によって違うのがある。この知識は専門業者しかわからない。統計に出て来る数字の定義と個々の日本人が感じる内容と合致するのは稀と思っている。
　今コメの生産量の問題で統計が大幅に合っていない。この誤差は検証する価値があると思っている。文春辺りがやってみると面白い。どうも農水系の統計調査は経験が長すぎて、惰性で来ている気がする。仕事としては面白くないが日本の現状を知るには時代にあった定義から行かないと中国並みの統計誤差となる。