お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

お手頃サイズのヤッコエイ

2023年07月14日 | 定置網
 今日は定置網漁でヤッコエイが入網。手の平に乗るくらいの標本にはお手頃サイズである。魚ボラの標本用に確保する。ヤッコエイは昨年の4月に確保し(ブログ2022 4.26)丁度鹿児島に行く予定日だったので序にその日のうちに大学に持ち込んでいる。今日は仕事が早く終わり家に帰るとカミさんの用事で鹿児島に行く事になる。だが、今回はカミさんの用事の都合で大学に寄る時間があるかわからない状況。持って行っても大学に寄る時間がなかった場合そのまま持ち帰ることになりかねない。今はもう夏で暑いので車の中に長時間置くのは良くないので今回持ち込むことは諦め、取り敢えず冷凍はせず冷蔵庫で冷蔵保存する。
ヤッコエイ




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小さなカイユウセンニンフグ幼魚

2023年07月08日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で選別作業をしていると、小さなサバフグ属のフグを発見。今の時期は今回の個体と同じサイズのシロサバフグやクロサバフグの幼魚が獲れるのだが、この個体は背面に模様があり、ひと目でシロサバフグなどではないことがわかる。更に親魚と全く同じ模様で直ぐにカイユウセンニンフグの幼魚である事がわかる。カイユウセンニンフグはうちの定置網では珍しい魚ではないが、これだけ小さなサイズは初めてである。魚ボラの標本用に確保する。今後、このサイズのカイユウセンニンフグが増えて来るのだろうか。
カイユウセンニンフグ幼魚



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コバンヒメジ

2023年06月30日 | 定置網
 今日の定置網漁ではマルソウダが大漁。そんな中、ピンク色に目立つ大きなヒメジの仲間を発見。コバンヒメジである。コバンヒメジは定置網やここの市場では珍しいのだが、夜間採集や素潜り採集では幼魚をよく見る。特に昨年は幼魚が非常に多かったイメージでヒメジ科の中では一番よく見たのではないだろうか。だが、今回のサイズはというと見る事がほぼなく、成長するとどこへ行ってしまうのだろうかと思う程である。今まで市場で撮った写真を見てもほんの数個体だけである。今回は水揚げ作業が忙しく標本用に確保することが出来なかった。次はいつ出会うことが出来るだろうか。
コバンヒメジ



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驚きのブダイ幼魚雄個体・・・と思ったら

2023年06月28日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で選別作業をしているとブダイの幼魚を2個体発見。ブダイは雌雄で体色が違い、この2個体は体色から雌雄のようである。ブダイの雄の幼魚を見るのは初めてである。今回獲れた個体と同じサイズのブダイ幼魚を素潜り採集時によく見るのだが、全てが雌であり雄個体は見た事がない。ブダイは生まれた時は全て雌であり、成長と共に雄に転換する雌性先熟型の性転換をする。今回の個体はまだ小さい幼魚であるが雄の体色をしていて驚く。珍しいので魚ボラの標本用に確保する。だが自分の知識が信用出来ず、家に帰ってから調べてみる。すると、中には生まれた時から雄という一次雄と呼ばれる個体もいるみたいである。今までたまたま雄の幼魚を見た事がないだけだったみたいである。これから素潜り採集時には注意しながらブダイ幼魚を観察してみようと思う次第である。
ブダイ幼魚 雄個体

ブダイ幼魚 雌個体

ブダイ幼魚 雌雄
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惚れ惚れするヨコシマサワラ

2023年06月27日 | 定置網
 今日の定置網漁で網を起こしていくと大きな魚が目に付く。その泳ぎから久し振りにウシサワラではないかと思う。更に作業が進んで行き、魚の体側が見えるとヨコシマサワラであり驚く。ヨコシマサワラは普通のサワラが獲れる時期にたまに混ざるだけで、ここでは少し珍しい。いつもはサワラと同じくらいのサイズで体側の模様だけが違うといった感じであるが、今回の個体はサワラよりも見間違えたウシサワラによく似た体型である。この日一緒にカマスサワラも獲れたのだが、カマスサワラの方が痩せて見えるくらいの惚れ惚れとする体型である。当然高値が付き、とても標本用には確保出来ない個体であるので写真にだけ収める。
ヨコシマサワラ



カマスサワラ


左:カマスサワラ   右:ヨコシマサワラ
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今年もヤシャカマス

2023年06月07日 | 定置網
 今日の定置網漁でヤシャカマスが入網。今年初である。ヤシャカマスは3年前に日本初記録種として記載されたカマスの仲間であり、昨年魚ボラの標本用に初確保した(ブログ2022 7.9)。 昨年は当たり年だったのかその後も水揚げがあり、日を追うごとにサイズも大きくなり最終的に10キロ近くにまでなった。その為、サイズアップしていったおかげで標本として確保し辛くなり、確保出来たのはまだ1個体のみである。今回の個体は3キロと標本用には小さくてお手頃サイズである。サイズが大きくなればそれだけ金額もアップしてしまう。小さく安いうちに魚ボラの標本用を確保しようと考える。更に今日は魚ボラの日であり、昨日のキビレキントキを大学へ持って行こうと考えていたので丁度都合が良い。ところが今年初物という事で一度セリに掛けないと値段を付けられないとの事である。今回は確保するのは見送り次回なるべく成長する前にもう一度網に入ってもらいたい。でも、本当は近年見なくなってしまったオニカマスのこのサイズの標本の方が欲しいところである。
ヤシャカマス 今年初入網



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やっぱり狂暴 イタチザメ

2023年05月12日 | 定置網
 今日は定置網漁でイタチザメが入網。今回もあまり暴れることなく船のデッキ上に揚げることが出来た。イタチザメは年に1・2個体しか入らないサメの仲間であるが、この個体で3ヶ月連続での入網となっており、先々月もブログで紹介(ブログ2022 3.14)したばかりである。イタチザメはどちらかというと南方系で、最近はこの周辺の海も南方化して来ている所があり、今後イタチザメが増えて行くのだろうか。この個体を取り上げた時に腹部が凄く膨らんでおり、お腹の中に子が入っているのではと思っていた。漁獲物の積み込み作業が終わり確かめようとイタチザメの元へ行く。まだ生きているので危ないが腹部を押して子が出て来ないか確かめる。すると腹鰭の脇にクラスパーを発見。腹部が大きいので雌個体と思い込んでいたが雄個体であるではないか。雄となれば腹部に何が入っているかが気になる。だが、そのまま腹部は開かずに水揚げとなる。今日の仕事が終わり、イタチザメの事を市場の方に聞くと、入札後腹部を開いたら鳥が6羽も出て来たそうである。鳥の種まではわからなかったが、恐らく定置網の中の魚をいつもダイブして狙っているカツオドリかカモメであろう。動きはいつもゆったりした感じにしか見えなかったイタチザメであるが、やはり狂暴なサメの仲間である事を改めて認識した次第である。
イタチザメ

網の中からナイフで切り刻んだような跡のあるマルソウダが出て来た。
恐らくこれもこのイタチザメの仕業ではないだろうか。






腹部が大きく膨らんでいる
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銀化個体? 悩ましいオオウナギ

2023年04月10日 | 定置網
 今日は定置網漁で珍しく大きなオオウナギが入網。もう20年以上前に一度だけうちの定置網で獲れた事がある。更に小さなオオウナギをお隣の定置網で見つけ魚ボラの標本用に確保(ブログ2008 4.1)している。前回うちの定置網で獲れたオオウナギは後に九州大学のウナギの研究者が漁協に訪れた時に産卵の為に海に下った銀化した個体であると教えてもらう。普段は川に生息するオオウナギやニホンウナギなどは成熟すると産卵の為、海に下り何も食べずに産卵場までの長い旅に出る。海での長旅に備え、眼が大きくなったり胸鰭が黒く長くなったり、更に何も食べないので口まで小さくなり銀化変態する。今回の個体も海に下ったので銀化しているのだろうと思うが、前回の個体の写真と比べると口は大きいままの感じで眼や胸鰭の変化などもよくわからない。更に悩ましい事に数日前に大雨が降り近くの川は増水し、その増水によって海まで流された恐れもある。となると結局は銀化しているかどうかの判断は不明となる。雨さえなければと思うが雨が降らなかったらこの個体に出会う事が無かったのかもしれない。
*後日、ウナギ目の研究者の方から銀化個体であると教えて頂きました。ありがとうございます。
オオウナギ



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カガミダイ幼魚再び

2023年04月04日 | 定置網
 昨日、お隣の定置網の方からカガミダイ幼魚の標本を頂きましたが、今朝はうちの定置網でも水面に浮いている所を発見。直ぐにタモ網で掬い、取り敢えず生かして港まで持ち帰る。更に水揚げ作業中、雑魚を選別しているとその中からもう1個体発見。カガミダイの幼魚が1日で2個体も獲れたのは初である。うち1個体は生きているので、また昨年の様に(ブログ2022 5.3)来月のイベントで生きた状態で展示しようかと考えるが、今回は昨年の個体よりもサイズが小さく、更にまだ1ヵ月もあり船の中で生かしておくのは難しそう。という事で勿体ない気もするが2個体共魚ボラの標本用に確保する。来月のイベント前に何か子供達が喜びそうな面白い魚が獲れる事を祈る思いである。
カガミダイ幼魚



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今年もカガミダイ幼魚

2023年04月03日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げしていると、お隣のいつも標本を提供してくれる方が来て魚を渡される。見るとカガミダイの幼魚である。カガミダイは深海魚であり定置網では獲れない魚なのだが、幼魚なら稀に入ることがあり今までに水族館に搬出したこともある。昨年もうちの定置網に入り生きた状態で確保し(ブログ2022 4.29)、地元のイベントで披露している(ブログ2022 5.3)。このカガミダイの幼魚を見て昨年を思い出す。今年も昨年同様にイベントがあるのでお客さんに喜んでもらえる何か面白い魚を今月中に探さなければならないと思う次第である。この個体は魚ボラの標本用に確保する。
カガミダイ幼魚


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2年越しに完成 タカノハダイの成長過程

2023年03月29日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げしていると、お隣の定置網の方が小さな魚を持って来てくれる。見るとタカノハダイの稚魚である。タカノハダイの稚魚には7本程の斜めの横帯がある。その横帯がまだ背面のみで腹部まで伸びていない個体であり探していた標本である。一昨年、タカノハダイの稚魚だと思っていた個体がミギマキであることを指摘され(ブログ2021 3.6)、今まで撮り溜めた写真を見直すと別のタカノハダイの稚魚と思っていた写真がユウダチタカノハの稚魚であることがわかる。その結果、タカノハダイの横帯がまだ伸びていない稚魚の標本写真を持っていない事が判明。判明した時は既に標本を確保するには時期的に過ぎてしまい、翌年その個体を確保しようと考え、取り敢えずユウダチタカノハとミギマキの2種の写真が揃ったので成長過程がわかる画像を作りアップした。ユウダチタカノハ(ブログ2021 4.8)、ミギマキ(ブログ2021 4.8)。だが、昨年はその個体が見つからず、今年も既にタカノハダイの稚魚が入網するも既に横帯は腹部まで伸びた個体ばかりであり、諦めかけていた。そのような状況の中、救世主の様に標本を確保して頂き、本当に有難い。これで成長過程の画像が出来ると期待しながら撮影へ。すると鰭を立てようとするがよく見えない。サイズ的にそこまで小さい訳でもないのに綺麗に展鰭出来ず、改めて歳をとったことを実感。下手に鰭を立てるよりも弄らない方が良さそうなのでそのままの状態で撮影する事に。更に腹部が少し膨らんでいたので触ると穴が開き傷付いてしまう。これでこの個体を使うのを止めようと考えるも、この個体を使うのを諦めると次回はまた来年以降になりそうなのでこの個体を使う事にする。撮影後、今までの写真を並べ完成。これでタカノハダイ科3種全ての成長過程の画像を作ることが出来た。だが、完成形ではなく、今後、綺麗な個体が見つかれば入れ替えようと思う。
タカノハダイ稚魚


タカノハダイの成長過程



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見つけた事に驚き ミジンベニハゼ

2023年03月23日 | 定置網
 今日はもう1種。水揚げしているとお隣の定置網の方が珍しい魚が獲れたと持って来てくれる。見るとミジンベニハゼである。ミジンベニハゼが混獲で定置網に入るとは珍しい。うちの定置網でもミジンベニハゼは今までに何度も確保している(ブログ2008 11.5)が、全てが網替え時に網に付着したフジツボなどに隠れていた個体が網と一緒に船の上に揚がっていただけである。今回頂いた個体はどのような経緯で網に入ったのかが気になる。それよりもこの指先にちょこんと乗る程の小さな魚を沢山の雑魚の中から見つけた事に驚く。体色が黄色くて目立つので目についたのかな。
ミジンベニハゼ
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懐かしいトゲカナガシラ

2023年03月23日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で選別作業をしていると久し振りにトゲカナガシラを発見。トゲカナガシラは私がこの仕事を始めた30年程前は毎日定置網に普通に入っており、多い時はトロ箱1つ位はあった。高級魚ホウボウの仲間であるのだがサイズが小さく、鮮魚として水揚げは出来ない。その当時の雑魚として定番であったが頭部が大きく硬い為、養殖魚の餌用の雑魚の中にも入れてはいけなく、選別して取り除いていた。だが、毎日普通に獲れていたトゲカナガシラであるがいつの間にか急激に数が減り、ここ近年では稀な魚となってしまっている。同じホウボウ科のホウボウは数が減って来ている感じはしないのだが、カナガシラ属の他種は更に見なくなってしまっている。急激に減った原因もわからず更に何時頃から減ってしまったのかもよく覚えていない。水揚げ出来ない魚なので記録も残っておらず、気付かれずに姿を消してしまうという事は恐ろしい事である。
トゲカナガシラ


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シマハナビラウオの成長過程

2023年03月15日 | 定置網
 最近は定置網内にクラゲ類やクシクラゲ類が多く見られ、そのような時期になって来た感じである。クラゲに着いて泳ぐエボシダイ科魚類などは特にこの時期に採集する事が多い。そう思っていると今日の定置網でシマハナビラウオが入網。定置網では久し振りである。シマハナビラウオは珍しい魚であるが、以前は毎年定置網でクラゲ類と共に網に入っていたので魚ボラの標本用にも確保してきた。だが、最近は姿を見せず、一昨年の夜間採集で久し振りに採集している(ブログ2021 12.18)。その時の個体が今まで出会ったシマハナビラウオの中で最小の個体であった。今回の個体ももちろん魚ボラの標本用に確保する。一昨年の夜間採集で得られた個体が最小だったので、今まで撮り溜めた写真で成長過程がわかる画像を作ってみた。だが、シマハナビラウオはこの後生息域を表層から深海へと移す為、定置網ではその後の個体を入手出来ないので、深海生活になるまでの成長過程である。ちなみにこの画像は体長が30㎜~120㎜である。
シマハナビラウオ


シマハナビラウオの成長過程
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久し振りのイタチザメ

2023年03月14日 | 定置網
 今日は定置網漁で久し振りにイタチザメが入網。標本用にはちょっと大きな感じであり、あっさりと確保するのを諦め、鉤竿で引っ掛けデッキ上に揚げる。意外と暴れないのでそのまま放置し作業に戻る。市場に帰港後本船のクレーンを使って揚げたものの頑張れば大学へは持ち込めそうなサイズである。一応薩摩半島沿岸の魚類図鑑刊行前に標本用には確保しており(ブログ2018 12.10)(ブログ2018 12.12)、図鑑での標本写真の掲載は間に合っている。だが、前回ホホジロザメを確保し持ち込んでいるので(ブログ2022 12.12)、それに比べればインパクトに欠け標本用に確保しようとする意欲も欠け、普通に水揚げする。でも、今後ホホジロザメよりもインパクトのある標本用に確保しようと思えるサメに出会えるのだろうか。
イタチザメ



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