お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

スーパーの鮮魚コーナーでかぼちゃ カボチャフサカサゴ

2010年12月18日 | 日記


 今日は仕事が終わってから家族でスーパーに買物に行く。前にも書いたがスーパーへ行くと必ず最初に鮮魚コーナーに行く。ここはうちでは一番利用するスーパーだが、鹿児島でチェーン展開する大型スーパーであまり面白い魚は並ばない。今日も今獲れている魚の値段を見る為覗きに行く。すると丸のまま売られている鮮魚の一番片隅に、オレンジ色のカサゴの仲間が1尾並んでいる。体側に皮弁がたくさんあり、フサカサゴ科のようだが種が分からない。普通のフサカサゴかなと思うが背鰭を開くと黒斑が確認できない。以前にお店で見つけたカサゴの仲間があとで「新種かも」という事があった(ブログ 2007 4.16)。魚ボラのM先生は今、出張中であるが運良く国内である。先生に写メを送る。すると先生の奥さんからメールが来る。先生は携帯を持って行っていない模様で写真を今すぐ見てもらえない様子。また、この魚はカサゴの仲間なのでかなり値段が高い。という事で確保を諦める。買物を終え、家に向かう途中でまた先生の奥さんからメールが来る。先生と連絡が取れたようで魚の種名もわかった。なんとカボチャフサカサゴとの事。カボチャフサカサゴは昨年鹿児島で採集された個体を日本初記録として報告し、M先生が和名提唱した魚である。確保するように言われ、急いでスーパーに引き返す。再び鮮魚コーナーへ行くと魚は既に無い。だが丸のままの魚が全て無い。店員さんに聞くとパック詰めの魚のみ残して全て仕舞ったようである。事情を話すと裏から出して来てくれて何とか購入できる。パック詰め用に切り身にされなくてギリギリセーフであった。この魚について店員さんに詳しく聞くと鹿児島中央市場から来たとしかわからない。だが魚の鮮度が非常に良いので県内産である事は間違いないようである。この魚を受け取るとずっしりと重く、やはり普通のカサゴ類とはちょっと違う。先生から夜に電話が来て、カボチャフサカサゴについて聞くと、鹿大には現在標本が3個体所蔵されていて、この個体は4個体目となるようだ。体側の小黒点が顔まであればカボチャ、顔に無ければフサカサゴだそうだ。背鰭の黒斑の有無は雌雄で違うそうで、もし今回雄個体で黒斑があればフサカサゴと勘違いして確保を諦めていたと思うので雌個体でラッキーであった。写真を撮り、標本用にタグを付ける。
コメント
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