お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

まさかの津波警報発令

2022年01月15日 | 採集
 今日は土曜日恒例の夜間採集へと港へ行く。干潮時で干上がった港内に降り、歩いて散策。全くの無風状態で波も無く、海の中もよく見える。だが、散策しても何も見つからないのでまた小さな岩が散在する場所へ行き、ハタ科幼魚を求め石の裏を探す。すると魚ではないがタカラガイがいたので写真を撮ろうと携帯電話をポケットから出す。するとその画面には大きく津波警報発令の文字。深夜の港なので周りに人はいないが携帯をマナーモードにしていたので気付かなかった。今日の昼過ぎにトンガで海底火山の大規模噴火があり、その後、日本への津波の心配はないと報道されていた。また大規模噴火があり、今度は津波が来るのかと思い、一応急いで岸壁へ上がる。携帯では画面が小さく情報がよくわからない。更に津波警報が出れば警察や消防が港に巡回に来る恐れもあり、不審者扱いされるのも御免である。直ぐに帰りたいところではあるが、今日は干潮時で風が無く夜間採集には好条件なので安全なスロープの場所だけサッと見に行く。するとスロープ上に大きなネズミフグの死体が横たわっている。体型や棘が崩れることなく綺麗に白骨化している。時間がないので写真にだけ収める。匂いがしなければ持ち帰り、じっくりと観察したい位である。急いで海中もサッと見て帰路に就く。家に帰りテレビで津波の詳細を確認すると、新たな噴火ではなく昼間の噴火によるもので、今になって警報が出たみたいである。更に警報が出ていたのは奄美の方で県本土は警報ではなく注意報で、しかも太平洋側だけでこちらの東シナ海側には発令されていないではないか。何も収穫が無かったがその後は奄美が気になりテレビに釘付けとなる。



白骨化したネズミフグの死体


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タツウミヘビ属

2022年01月15日 | 市場
今日は市場での水揚げ作業も終わり市場内を散策。すると潮が速く潮待ちしていたお隣の定置網が操業を終え戻って来る。覗きに行くといつも標本用に魚を確保して来て下さる方が何か見つけたらしい。カゴの中に入っているという事で見に行くと見覚えのあるウミヘビ科の魚である。歯が非常に鋭く一見ウツボの仲間かと思わせるが小さな胸鰭があり、更に頭部の大きさの割に眼は非常に小さいのだが口は大きく裂けとても不気味でインパクトのある顔付のウミヘビ科の魚である。昔はうちの定置網にもよく入網しており、不気味さから見つけては直ぐに鉤で引っ掛け海に捨てていた。魚ボラが始まった当初も普通に獲れており、標本用に確保するとムラサキウミヘビと同定された。歯が鋭く長物だったので標本用に確保するのも登録作業をするのも当時では大変だった為、1個体でもあればいいかと思い、その後は確保していなかった。ところがそれからこのウミヘビ科の魚は急激に減ってしまい、滅多に見る事が出来なくなってしまったのである。更に最近鹿大所蔵標本のデータベースを見るとムラサキウミヘビの登録は無く、昔確保した個体はタツウミヘビ属の1種と再同定されていた。と言う事は魚種を突き止めるには標本も数が必要である。現在の魚ボラの学生達の技術であれば標本登録も心配ないので、このウミヘビ科の魚を探していたところであった。この個体は体がかなり傷んでおり、赤くなってしまっている。だが、今では滅多に見つからないので魚ボラの標本用に確保する。タツウミヘビ属は現在はムラサキウミヘビも含まれ国内では4種である。体に斑紋がなく頭部の形状からタツウミヘビかムラサキウミヘビとなる。頭長に対して全長が長い感じに見えるのでムラサキウミヘビのように思うが、昔から変わらずあとは魚ボラ任せとする。
*後日、魚ボラでムラサキウミヘビと同定されました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする