これまで定置網や市場に揚がっていたマルヒラアジは頭部背縁が直線的な個体ばかりであった。それが4年前にいつもとは違うマルヒラアジを見つけ、頭部背縁が眼の前で凹み、体型が丸みを帯び、臀鰭に小白点がある事から、まだ見たことのないタイワンヨロイアジだろうと思い確保した(ブログ2017 7.28)。だが、大学に持ち込むとマルヒラアジと同定される。その後はポツポツとたまに市場に揚がるものの非常に個体数は少ない状況であった。それが昨年の11月頃から獲れ出したマルヒラアジは頭部背縁が凹む個体ばかりであり、今まで普通に見て来た頭部背縁が直線的な個体が見られない状況となっている。そして更に年が明けると揚がる量も増し、例年とは違う状況となっている。そして、先日やっと頭部背縁が直線的な個体も現れ、両個体が一緒に市場に揚がる。市場職員からもこれは魚種が違うのではと聞かれ、いつも見ている人が見ればその違いは一目瞭然と言える。どちらもマルヒラアジと言う事は性的二型があるのだろうか。となれば今までは雌雄のどちらかだけが獲れていたのだろうか。とにかく今年のマルヒラアジの出現は例年とは違い、今後どのように推移して行くかも気になる。今回は標本用に確保出来なかったが、今度はこの両個体を一緒に確保し、色々と調べてみようと思う。
マルヒラアジ(写真上:今季出現している個体 写真下:例年出現していた今までの個体)
頭部背縁が眼の前で凹む
頭部背縁が直線的
両個体が混ざって市場に揚がる