昨日から定置網船はドック中な為、今日は出漁していない。仕事も午後からで本船の塗装をして船を降ろす予定な為、朝は家でゆっくりしていた。するとお隣の定置網の方から電話があり、今朝の定置網漁でオキヒイラギの中にひと際大きな個体を見つけ確保しているとの事。先日、その方にホソウケグチヒイラギやコバンヒイラギを頂いたばかり(ブログ2022 11.19)であり、それとは別種らしい。急いで港へと向かう。向かう途中、最近見なくなったネッタイヒイラギだろうか、それともこちらでは珍しい普通のヒイラギだろうか、それともシマヒイラギやセイタカヒイラギだろうかと色々と考えながら走る。港に着き、確保してもらった個体を受け取る。すると想像していた種を見事に裏切り、イトヒキヒイラギであった。イトヒキヒイラギは今までに定置網や市場などで見た事が無く、初のご対面である。遠慮なく魚ボラの標本用に頂き初確保となる。一旦家に帰り急いで調べると、ネット検索では意外と情報が少なく珍しそう。更に調べると6年前の論文ではあるが、魚ボラの元学生が鹿児島県内の標本に基づくヒイラギ科魚類相を報告しており、それを見ると国内では沖縄と宮古島での記録があり、鹿児島県内では種子島で得られた個体が県初記録となっている。その後見つかっていなければ県本土初記録となる。更にお隣の宮崎でも確認されていなければ九州本土初記録の可能性もある。急いで大学へ持ち込み綺麗な標本写真を撮ってもらいたいのだが、これから仕事である。その為本船のドックを終え、船を降ろしてから大学へ走ろうと考えていた。ところが本船の塗装は早めに終わったものの、ここのドック場は潮が満ちていないと船を降ろすことが出来ない。潮が満ちて来て本船を降ろし終えると辺りはもう暗くなる。急いで帰るが今から大学へ走ると帰りがかなり遅くなる。明日の仕事がハードな為、今から大学へ走るのは諦め、明日大学へ持ち込むことにする。
イトヒキヒイラギ