お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

メダイ幼魚

2009年05月12日 | 定置網

今日は定置網で選別作業中にメダイの幼魚を見つける。メダイの幼魚は流れ藻につくので、毎年流れ藻が流れてくる時期に獲れる。ところが昨年は1個体も定置網で獲れなかった。流れ藻につくモジャコ(ブリ幼魚)・イシガキダイの幼魚やハナオコゼなどは獲れたのだがこのメダイ・メバル類の幼魚は獲れなかった。メダイの成魚は定置網では漁獲されないが鹿児島では重要魚種である。種子島のメダイ漁をする漁師さんの話を聞くと、やはり昨年はメダイの漁獲量が極端に少なかったそうだ。この流れ藻につく幼魚の量で今年の漁獲量が決まるかもしれない。種子島の漁師さんの為にもたくさんの幼魚に育ってもらいたい。だが、メダイの幼魚は同じ流れ藻につくモジャコ(ブリ幼魚)をよく食べる。その食欲は凄まじく、モジャコ漁で捕られたモジャコの中にメダイの幼魚が混ざっているとモジャコを全て食べ尽くしてしまう事があるほど。メダイは重要であるが我々定置網漁業者としては獲れないメダイよりもブリ(モジャコ)の方が重要である。だが、さらに最近は各地で磯焼けが問題となり、藻場が減っている。当然それに比例して流れ藻も減っている。流れ藻が減ってしまえばそこに隠れるモジャコ・メダイ両方とも減ってしまうのではないだろうか。
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