まずは東日本大震災に被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げます。また、犠牲となられた多くの方々へ慎んでお悔やみ申し上げます。同じ漁業者として漁船や市場が被災された映像はとても衝撃的で言葉になりません。一日も早い復興を願っています。
さて、先月はブログの配信を始めて以来、初めて無投稿となってしまいました。最後の投稿時にお伝えしましたが、我が定置網はダメージを負ってしまいましたが、網を入れ替え漁を始めたのですが、震災時に津波ではなかったですが、速い潮流が起きて替えの網まで破断し、漁をする網を全て失ってしまい、先月はまともに漁ができませんでした。でも東北の被害に比べれば大したことありません。倉庫から古い網を引っ張り出し、改良して再び漁を再開できるようになりました。そして、今日漁を終え、市場に水揚げに行くと秤の下に見覚えのある魚が置いてあった。漁協の職員に聞くと何だかわからない魚だったので私のために取って置いてくれていたとの事。 ネズミギスである。ネズミギスは定置網でも獲れたことが無く、市場でも見たことのない魚である。だが、変わった魚なので各地で獲れるとネットに載ることがあり、自分もこの魚のことを知っていた。もちろん頂き、魚ボラの標本用に確保する。持ち帰り、写真を撮ろうと展鰭すると胸鰭・腹鰭の上にさらに鰭のようなものがある。それも固定しようとするが、し難い。何だろうかと調べると皮弁のようである。皮弁はそのままで撮影し、タグを付け、標本登録する。ネズミギスは1科1属1種の魚であり、ネズミギス目にはさらにサバヒー科のやはり1科1属1種のサバヒーがいる。このネズミギスとサバヒーに何の共通点があるのだろうか?と調べてみるとサバヒーにも胸鰭・臀鰭の上に皮弁があるみたいである。サバヒーは何度も見たことがあるが、気付かなかった。撮った写真を見ると体が曲がっている。やはり、このような体形の魚の撮影は難しい。
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