串カツ子の旅日記

美しい国、日本。まだまだ見たい所がいっぱい。
温泉、宿屋、食べ物、紅葉、桜、街並み・・・興味の対象は尽きません。

台温泉 中嶋旅館

2022年05月13日 | 宿-東北

素晴らしい意匠が詰まった宿 台温泉 中嶋旅館。

泊まったのは2007年。

その時点でアップしてたのですが、写真が小さくて。

この素晴らしい造作は、もっと大きい写真で見なくては・・・。

と、15年前の写真を取り出して、再びアップします。

もっときれいに写真を撮っておけば良かった。

素晴らしいものを造ろうと当時の宿主の心意気。

それに応えた職人技に目をみはる想いです。

今、こんな贅沢な造りは金銭的にも、技術的にも無理かもしれないと思います。

木造4階建て。

 

玄関です。

階段を上がった所左手がフロントだったかな?

左手に下駄箱・・・だったと思います。

まるで食器が収まっているような・・・。

2階、3階、そして泊まった部屋は4階ですが、エレベーターはありません。

今なら4階まで階段で上り下り出来ない。

 

 

 

 

こちらは、同じ4階にある千鳥の間の入り口。

各部屋の入り口には、1軒の家のような感覚を味わえるよう小さな屋根が付いている。

  
これは、古い宿ならよくみかけるのだが、中嶋旅館で驚いたのは、その屋根や小屋組を支える組み物の本格的な事。

お寺や神社でよく見られる組み物です。

 

戸はすりガラスで、戸の上部と足元は、通風のためかガラスではなく、彫り物が施されている。

これは、どの部屋の戸も共通だった。

 

翁の間の入り口。

火事、怖いですねぇ。

 

4階に部屋は3室あるようだが、この当時(2007年)翁の間だけ使われていた。

泊まった部屋は、中嶋旅館の中では最高ランクのの間

最高といっても@15,900(当時の料金)なのだから、安いでしょ。

8畳の主室+4.5畳の化粧の間+4畳ほどの広縁+2疊ほどの洗面所。

8疊間と広縁を隔てるのは、あの有名な柳の下にカエルの障子。

床の間付け書院の素晴らしい彫り物の下地はガラスで、これが両側に開く。

 

開いた先に見えるのは洗面所と左は冷蔵庫。

洗面所はあるのだが、部屋にトイレは付いていない。

洗面所の窓も優しい木の格子窓。

4.5疊間にも床の間が設けられ、床かまちの下、踏み込み板にも豪華な彫り物が施されている。

 

 

 

床の間の狆(ちん)くぐり。

 

 広縁の二方は窓で、ここから温泉街が望めるが、あまり眺めは良くない。

 

 

高い天井はちょっと変わった格天井で、外に面した小壁部分には明り取りの窓、8畳間に面した方は欄間と、贅沢な造りだ。

 

         こちらは3階にある宝来の間の入り口。



デザイン的には、この戸が一番気に入った。

足元の青海波、ガラス部分の円といい、素晴らしい文様です。

以下、見せていただいた宝来の間。

 

 

 


何より驚いたのは、この広縁上部の小壁。

へたな説明は要らないですが・・・。

          壁はしっくい・・・?

写真では薄い茶色に見えるが実物は、しっくいの白です。

          仲居さんは木製だと言われたが、真ん中に走るヒビを見ていると、しっくい壁だと私は思った。

          黒く漆が塗られた長押とそれを支えるヒジ木。
     
          鮮やかなデザインに思わず息をのむ。

          う~んとうなるしかない私。

    何ヶ月も職人さんを泊めて作らせたものだという。

         館内、階段や廊下などは質実簡素な造りに思ったが、一歩、部屋の中に入ると素晴らしい空間が待っていた。

なんという豪華なインテリアなんだろう。

今ではこれだけの内装を出来るだろうか?

お金と手間をかけて作られた日本建築の見事な造作。

この目で見て、触れて・・・そして、ためいき。

この記事についてブログを書く
« 観水庭 こぜにや | トップ | こぜにやの部屋 »

宿-東北」カテゴリの最新記事