100周年記念大会の「ジロ・デ・イタリア」のファイナル21ステージが、ローマのど真ん中を舞台にしてタイムトラアル レース(TT)で行われ最後まで興奮のレースだった。
スペイン広場やバチカン宮殿、サンピエトロ広場などを周回してコロッセウム競技場がゴールの観光コースである。
TTレースは、僅か14.4kmの短いコースであったが、石畳や急カーブが続く 難コースで、おまけに天候が晴れから雨に、そして晴れたかと思えばまた雨にと時間差でスタートするTTレースには、本当に酷なレース条件であった。
最終日まで総合優勝の行方が判らないという逆転の可能性も秘めた僅差20秒のTTバトルには、テレビに釘付けであった。
特に、雨の中ではスリップしての落車がいつあっても不思議ではない。
21ステージでは、メンショフとデイルーカの一騎打ちの総合優勝の行方だけだった。
ところが、事もあろうかゴールまで後1kmというところでメンショフが転倒落車したのだ。
バイクは滑って遠く前へ、メンショフが駆け寄っていくシーンは、歴史に残るシーンだとか・・・・
解説の今中氏もビックリして「いや~こちらの心臓がとまりそうだ・・」と絶叫していた。
ゴールでは、逆にメンションが差を開いてのマリアローザを獲得していたが、ゴール後の興奮を抑えきれずに歓びを爆発していたシーンも忘れられないものだった。
我がTREKのランスくんにも期待していたが、しっかりとまとめて、総合12位で纏めていた。
鎖骨骨折の後のジロ初登場であったが、この結果では1ヵ月後のツール・ド・フランスへの期待が膨らんできた。
3週間にわたる長いレースは終わったが、この約1ヶ月の寝不足からようやく解放されそうだ。
毎日、ライブ放送を楽しんできたが、実況の白戸氏や解説の今中氏、栗村氏の明快な解説と、
元ライダーならではの詳しいメカニックやテクニックの説明には、何度も頷いて知識を得られ大拍手を送りたい。
また、もうひとつの楽しみは、イタリア全土を巡るレースのため、フィレンツエ、アマルフィ海岸、ヴィスヴィオ火山などの美しい風景を空撮などでたっぷりと見れたことである。
サイクリングファンとしては、堪らない一ヶ月であった。
7月には、グランツール最大の「ツー・ド・フランス」が待っている。