芸術の秋を迎えて各美術館や画廊では、素晴らしい絵画や彫刻などの展示会が開催されているが、今週から國立新美術館で始まった第56回一陽展へ出かけてきた。
毎年、友人からお誘いがあって観ているが、今年も友人が公募に応じて昨年に続いて入選したと聞き、早速観に行った。
前回美術館を訪れた時は、オルセー美術展で長い行列が出来ていたが、この日は静かな美術館でした。一陽展の会場は、1、2Fの展示室に分かれて絵画・版画・彫刻と約500点が展示されており、いつものことながらギャラリーでの我々の展示会と比べて圧倒されるものがある。
一陽会との縁も友人の紹介で、我がふるさと福井の会員の方が多くおられて、毎年、公募に入選されている方々が福井から上京されるので、福井の話題など交流しており、今年も10名近い方と再会を果たした。
さすがに伝統ある一陽展で、抽象画に具象画など大作ばかりで、その構図や筆のタッチなどその価値は、我々町のスケッチ愛好者には、全く判らないものばかり。
絵の前に立ち、近づいたり離れたりしながら、その表現力に感心しているが、その描くモチーフが何なのかと、タイトルから推察してみたが、その意味するところは奥深く難しい。
丁度、審査員の方が入選作について、講評されているパーテイーがあり、その後ろについて講評を聞いてみると、それなりに納得できる話が多く、メリハリのつけ方や構図の工夫、着彩のあり方等、何点か付いて回ったが、アートの奥深さを改めて感じていた。
友人の作品に辿りつき制作過程の苦労話を聞いて見ると、モチーフの選択から始まり、制作には何度も福井へ往復して仕上げて3ヶ月近い苦労の期間があったそうだ。
彫刻作品も何故か牛をモチーフにしたものが多かったようであるが、今年は牛の話題が多かったせいだろうか?
また、大きな展示会には所謂「抽象画」が多く見られるが、何を描こうとしているのか作者の意図を聞かないと仲々理解するのは難しく、具体的な形がないのでやはり感覚で観るしかないのだろうか?
約2時間ほど、1F、2Fを行ったり来たりしながら回廊して歩いたが、最後は駆け足のように見て周り疲労を感じて会場を後にした。
帰路には、横浜そごうで開催されている、昨年フランスへのスケッチ旅に同行した画仲間の個展に立ち寄って、慣れ親しむ油彩風景画を鑑賞したが、この日の為に取り組んだという素晴らしい作品に触れてアーテイステイックな秋の一日を楽しんだ。