ブログ雑記

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アイヒマン調書を読む

2017-09-16 14:57:39 | Weblog
この本はホロコーストで何百万ものユダヤ人を最終処分場アウシュヴィッツへ送り込んだ責任者のアイヒマン中佐の裁判調書だった。敗戦後地下に潜って南米で家族も呼び寄せて暮らしていたがイスラエルの飽くなき追跡を逃れることは出来なかった。ニュールンベルグ裁判の資料をもとに自身の家族が殺された警察官の尋問の記録だ。アイヒマンはヒットラーやヒムラーなど上司の命令を受けてユダヤ人を列車で目的地へ輸送する任務を忠実に実行したばかりで、目的地で何が起こっても担当外の事で責任はないと主張していた。独裁国家の戦時体制の中で一中佐が命令された任務を放棄したり拒否すれば軍法会議にかけられて有罪になる事は確実であったからユダヤ人の列車輸送に携わった事でホロコーストを可能にした人物と断定された。善悪は別にして確かにアイヒマンほど有能な軍人がいなかったならあれほど沢山のユダヤ人が殺される事はなかったに違いない。本当に怖ろしいことだ。高校時代にホロコーストの本を読み記録映画も観た。凄い量の靴やメガネが鉄条網の檻の中に山と積まれた写真が電灯を消すと目の前に現れて中々眠れなかった。どうしても人間が人間を、其れも何百万もの人を殺すなんて理解できない。殺された人々の無念を思うと身が震える。今もテロが世界中で続いている。ああ一体世界はどうなるのだろうか?