ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

自動車学校のころのことを思い出した

2021-02-18 22:35:43 | 生き方
家に帰るとき、また雪が降っていた。
早く帰りたいな。
だって、時間はもう午後7時半を過ぎているじゃないか。
超勤の手当がつくわけでもないのに、納得のいく仕事がしたいから、勤務時間を3時間近くも過ぎて、ようやく今日の仕事を終えた気分になっていたのだった。

車を走らせていたら、やけに慎重な車が…。
近づいてみると、その車は、「急ブレーキに注意」「仮免許」と書いてあった。
そう、自動車学校の車だったのだ。

こんな遅い時間に、まだ教習のさなかなのか…、ご苦労様です。
…と、乗っている車の教官と教習生の2人のことを思った。


そういえば…と、自分が自動車学校の教習生だったころのことを思い出した。
20歳を過ぎた夏休み、自動車学校に行って免許を取ろうとしていたのだった。
しかし、私は、飲み込みが悪いのと要領が悪いのとで、悪戦苦闘していた。
なにしろ、4時間のはずの第1段階・第2段階が、いずれも、8時間・9時間もかかっていたのだった。

当初、私は、私の担当教官となった年輩のSさんをうらんでいた。
ちゃんと教えてくれないのに、「何やってるんですか。」「こういうときは、ブレーキを踏むのが当然でしょ。」などと責められることが多かったのだ。
だが、ちゃんと教えてもらった気がしない私には、「?」が多く、反発したい気分が大きかったのであった。
しかし、さすがに倍の時間をかけてもいっこうに上達しないわが運転技術に、危機感を抱いた。
これでは、何万円かけてもなかなか免許を取るところまでいかないぞ。

そこで、私は、初めて教官との人間関係の改善を図ったのであった。
具体的には、
教官が、私の運転を見て何か気難しい顔をしたときには、言いたそうなことを想像して口にしてみることだった。
「……の時には、~するのでしたよね。」
「この場合、~した方がよいのでしょうか。」
そして、聞いた後は必ず、「ありがとうございました」という言葉を声を出して言った。

こういうことを繰り返していった結果、自分の運転技術は向上し、教官との関係もよいものになっていった。
そのうち、
「教官の仕事をするのも、教習生との関係を築くのが大変なのじゃないですか?」
なんてことを、私が聞いたりするようにもなった。
「そうなんですよ、50foxさん(私のこと)。あなたみたいな人ばかりだといいのだけれど、うまくいかないのは教官のお前のせいだなんていう人もいるんですよね。私は、早くうまくなってほしくて厳しく言うのですけどねえ…。」
そういうふうに答える教官の顔を見て、私は、自分にも落ち度はあったのだなあという思いを新たにしたのだった。
運転技術のほかに、人間関係の築き方を教えてもらったような自動車学校であった。
…そんなことを思い出していた。

今夜は、私の目の前で、もたもた走り、青信号なのに歩行者用の信号が点滅して赤になるからと、早すぎる停車を決め込んだ自動車学校の車。
すぐ後ろを走っていた私は、速く帰りたい気持ちはあるものの、苦笑しながら、「教官も教習生も、がんばれヨ」と思っていたのであった。
コメント
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