ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

足の痛みに負けずに走り続けた~燕さくらマラソン出場記・その2~

2021-04-19 20:35:50 | RUN
この時点では、幸い雨は、そんなに強くない。
川沿いの道の風も、そこまで強いと感じるほどではない。
5kmまでの2kmは、5分14秒/kmと、少し落ち着いた。
折り返しを過ぎたランナーたちが、すばらしいスピードで行き交っていった。
しばらくすると、同じレースに参加している息子も、いい感じで走ってきた。
私に分かるようにと、手をたたきながら走ってきて、「がんばろう」の意味を込めて、互いに片腕をあげて通り過ぎた。

5kmで初めての給水地点、給水のテーブルの上には、紙コップにふたをしたものが並べられた。
ランナーが飲むときには、ふたを外して飲む。
紙コップもがっちりしたもので、想像していたものよりもかたくしっかりしていた。
これも、感染症対策の一つと感心した。
置いてあったのは、スポーツドリンクと水しかなかったが、これも仕方ないだろう。


折り返し点を写真に撮ろうとスマホを取り出したとき、ポケットから塩分ミネラル飴を1個落としてしまった。
ああ、もったいない。
そう思いながら折り返し点を回り、今来た道を戻りはじめたとき、落とした飴が目に入った。
ランナーに邪魔にならないようにしながら、飴をしっかり拾っていった私だった。

さっそくその飴をなめながら、5km走って久々の走りだけどいい感じだな、と思っていた。
それが急に、懸念していた右足アキレス腱付近に鈍い痛みを感じ始めた。
その痛みが少しずつ大きくなってきた。
まだ残り16kmもあるのに、ちょっときつすぎる。
この痛みは自分で何とかするしか仕方がない。
まずは、我慢するしかない。
そして、足首への負担が大きくならないように、ストライドを狭めて走るようにした。
そのせいで、少しだけ痛みは改善され、なんとか走り続けられるようになった。

近郷の大会でいつも会っていたSIさんがこちらに走ってくるのが見えて、声をかけた。
気付かないのでもう一度「Iさん!」と呼ぶと、振り向いて手を振ってくれた。
彼とは、前回最後のレースとなった去年の村上市元旦マラソン以来の出会いだ。
いつもハーフマラソンのレースでは、私の前を行っていた彼だったが、今日は遅い。
やはりこのCOVID-19 感染症禍で、彼の走りにも影響が出ているのだろうか?

痛みのせいで6km地点では5分22秒/kmに少し落ちたが、幅を狭くしてピッチ数を増やすように走りを工夫してから、いくらか改善することができた。
⑦5分14秒/km ⑧5分17秒/km ⑨5分13秒/km ⑩5分19秒/km

川沿いの道を戻るときには、川の向こうに国上山と弥彦山が雲に包まれて見えた。
高くない山ではあるが、2つとも何回か登った山。
向こうからがんばって走っている自分を励ましてくれているような気がして、なんだかうれしかった。

再び堰の橋を渡り、10kmの給水地点を過ぎると、まもなくスタート地点になる。
やっとこれでまだ半分くらいか。
11kmでは、5分27秒/kmにペースは落ちていた。
足の痛みがこれ以上ひどくならず、最後までもってくれるといいな。
そう思いながら走っていると、スタート地点周辺の数百メートルの間、道端には菜の花が満開で咲いていたのだった。


雨の中、その明るい輝きは、疲れてきた私の心に、ぱあっと文字通り花が咲いたようなきらめきをもたらしてくれた。
すごく元気になれたのだ。
足の痛みがもつかどうか、じゃなくて、あと10kmがんばって走り抜こう!
という前向きな気持ちになれた。
そして、大会関係者やボランティアの方々と思われる人たちが、マスク姿で拍手したり「がんばって」と言ったりしてくれた。
「ありがとうございます!」と小さく口にし、走り過ぎた。

その先1km余りは、上の写真の通り、土手上ではなく少し下の側道を走る。
そこを下って行くと、普通の道路を一部走る。
沿道から応援の拍手を送ってくれる市民の方が何人かいた。
これまたありがたいものだなあ、としみじみ思った。

まもなくまた道は土手上に上がっていく。
国上山と弥彦山が前よりうんと近くなって見えた。

40年近く前、毎日通勤して見ていた山々だ。
あの頃、まさか40年もたってから近くをこうして走るとは思ってもいなかったよ。

練習不足はあるが、とりあえず16km付近の折り返しまでは、このペースを維持していこう。
そう思って進み、黄色いアシックスTシャツの白髪男性を抜いて行った。
⑫5分21秒/km ⑬5分13秒/km

やがて、2つ目の折り返しをして走ってきたランナーたちと2度目のすれ違いをする。
1位はすごい速さだ。
先ほどのすれ違いと違って、ランナー間の距離が空いていた。
そして、何人ものランナーが過ぎていき、まだかまだかと思って前方を見て走っていると、ようやくアルビレックス新潟レプユニの息子がこちらに向かって走ってくるのが見えた。
また拍手をしながら近寄ってきた息子と、互いの健闘を祈りつつ通り過ぎた。
その後なかなか折り返し点に近付かないと感じたということは、息子との距離が開いたということか、と納得しながら前方を目指した。

ようやく2つ目の折り返し点に近付いた。

この先の三差路を左折していくと、かつての通勤ルートとなるはず。
これまた懐かしいが、残念ながら折り返しだ。
あと残り5km。
ここから先の距離は、一昨年の7月に走って以来2年近く走っていない距離。
練習不足の体だし、足の痛みもあるが、今までの大会でハーフマラソンを何度も走ってきたのだから、大丈夫、と自分を励ました。
⑭5分24秒/km ⑮5分18秒/km ⑯5分22秒/km
まだ、なんとかペースは維持できていた。

(つづく)
コメント
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