サッカーJ2リーグ第5節アルビレックス新潟対ヴァンフォーレ甲府。
細かい雨はずっと降っていたが、スタジアムの外では、マンサクが満開だった。
春一番にまず咲くから、マンサクと言われているとのこと。
ならば、春を告げる花だから、今日の試合で勝利することによってアルビにも春が来るといいなあと思った。
スタジアム内に流れた試合前の映像は、谷口選手からの決意メッセージだった。
なんとそのメッセージの大部分は、谷口選手の歌であった。
それも、「アイシテルニイガタ」。
新潟のサポーターには、最も愛されている歌だ。
本来なら、サポーターたちは、大きな声を出してこの歌を選手たちに聴かせたいのである。
しかし、この感染症禍、去年も今年もこの歌を選手たちにじかに聴かせる機会は、まだない。
谷口選手が移籍加入したのは、去年からだった。
そう考えると、彼がスタジアム内でこの歌を聴いたことはなかったはずだ。
それなのに、アカペラでこの歌を歌い通してくれた。
そして、「今日は勝ちましょう」というようなことを言った。
思わず、ジーンとした。
知らなくて当然なサポーターソングを知っているだけでなく、一人で歌いあげるなんて…。
谷口~ぃ。
なんていいやつなんだ、おまえは!
いいやつのついでに、今日こそゴールを決めて、本当にいいやつになってくれ!!
そう期待した。
試合が始まると、局面局面で新潟の選手の方が甲府を上回った。
だから、ボール支配率はほとんど同じでも、チャンスの数は新潟の方が多かった。
そのチャンスを先制ゴールに結びつけたのは、アイシテルニイガタを歌った谷口だった。
26分、高い位置でボールをカットした伊藤のパスを受けた、ペナルティエリアの右から進入した松田が、マイナス方向へ折り返すと、谷口がねらいすましたように、ボールに合わせ、ゴールネットを揺らした。
谷口、えらい!
有言実行!!
そして、31分には、左の堀米からの浮き球パスを、伊藤がボレーシュート。
これが見事にゴールに吸い込まれた。
前半のうちに、2-0とリード。
後半は攻め込まれる場面もあったが、新潟は、選手を交代させながら、甲府を零封し2-0で勝利した。
「マンオブザマグロ」(マグロのようにピッチをよく動き回った選手)は、堀米。
MVPは、攻撃の中核を担って自らも得点を挙げた伊藤。
雨の中7,983人の入場者がいたが、震えながら応援した甲斐があった。
秋田戦のような田んぼピッチでなければ、雨でもいいサッカーはできる。
要所で、新潟の選手たちのスピード・スキルが目立った。
やっぱり、本来できる選手たちなのだ。
高木やイッペイシノズカらの負傷欠場をものともしない快勝だった。
とにもかくにも、勝利に勝る良薬なし。
次節もホーム戦、群馬戦だ。
ここから巻き返していこう。
楽しみだ。
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