新潟日報の週1回のコラムに「『生きづらさ』を生きる」という連載がある。
作家の雨宮処凛氏が書いている。
そこに、月乃光司さんという方がほっとするようなイラストを書いているのを、知っている人も多いだろう。
月乃さん自身も、若いときにはアルコール依存症になり、引きこもりだったりもした。
生きづらい過去を持っている。
この2人によるコラムは、毎回必ず読んでいる。
さて、雨宮処凛氏は、中学時代にいじめを受け、毎日自殺を考えていたという。
高校でも不登校、家出、リストカットを繰り返していた。
高校卒業後に受験にも失敗し、フリーターとなったこともある。
彼女の公式サイトに、略歴はこう書いてある。
1975年、北海道生まれ。
作家・活動家。
愛国パンクバンドボーカルなどを経て、2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。
以来、いじめやリストカットなど自身も経験した「生きづらさ」についての著作を発表する一方、イラクや北朝鮮への渡航を重ねる。
06年からは格差・貧困問題に取り組み、取材、執筆、運動中。メディアなどでも積極的に発言。3・11以降は脱原発運動にも取り組む。
07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)はJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。
「反貧困ネットワーク」世話人、「週刊金曜日」編集委員、フリーター全般労働組合組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長、「公正な税制を求める市民連絡会」共同代表。
…すごいじゃん。なかなかの生き方をしているんだなあ、と思うよ。
その彼女は、たくさんの書籍を出版しているが、私は、冒頭に書いた新潟日報紙のコラムでしか彼女の書いたものを読んだことがない。
図書館でたまたま見かけたのが、この「仔猫の肉球」というエッセイ集。
表紙の写真の猫が可愛らしかった。
そこにつられて、借りてみることにした。
「まえがき」を見たら、その生きづらさを抱えながら生きてきた彼女が、30歳手前で一匹の猫を拾ったことで人生が変わった、と書いていた。
2004年夏、一匹の仔猫を拾ったことで、私の人生は大きく変わった。
何の役にも立たないのにおそろしく堂々と生きている猫の姿から、「生きる」ことに対するハードルが極限まで引き下げられ、同時に自分への期待値も限界まで引き下げられた。
思えば、それまでずっと生きづらさをこじらせるばかりの人生だった。
…と始まっていて、猫の自由さか…と興味を引いた。
本書の章立ては、
01 猫が教えてくれること
02 自分と仲良くする方法
03 生きづらさを生きるコツ
04 3・11に思う
05 生きづらい社会で考える
となっていて、実は、猫について書いてあるページは意外と少ない。
でも、読んでいて、難しくなくて、なんだかとても救われる気がする。
前書きの後半に、本書は、新潟日報の「『生きづらさ』を生きる」に連載したものを編集、構成し直したものだと書いてあった。
なあんだ、そうだったのか。
そう思いつつも、見開き2ページで1まとまりの文章は読みやすい。
そのうえ、まとめて読み進んで行くと、ずいぶん気持ちが楽になっていくから、不思議なものだ。
きっと、68歳に近くなった今なお自分が抱えている「生きづらさ」が、雨宮氏の文章に共感しているからなのだろうな。
仔猫の肉球みたいな。あたたかくて、柔らかくて、ふっと心がほぐれる感じ。
…に本書がなれたらうれしいというようなことも、著者は書いていた。
私には、十分そう感じる本だった。
今はネットでだいたいのことは分かりますし、電子書籍もありますけど、会話しているとやっぱり本読んで、それなり知識がある方は会話に広がりがあるような気がしますね〜。「あっ、そうかも。そう言うのもあるかも知れませんね」って感じで。本を読むから偉いなんて全く思っていませんけど…。
最近びっくりしたのは新潟市の古町にある書店の閉店時間が午後6時になったことでした。まぁ、来ている方高齢者ばっかりでしたけど、勤めている方、古町では本も買えないんだな〜って流石に呆れました。
いつも雑文スイマセン。これからもよろしくお願いします。
まとまったものを読むなら、やはり印刷されたものが落ち着いて読めますね。だから、本の方がやはり好きですね。
以前は、本屋を回って立ち読みすrのが好きだった私ですが、本屋が次々と閉店してしまいました。蔦屋書店なども少々遠くて足が遠のきました。でも、図書館に行くようになったら、いろいろな本が並べてあって、手に取ってみたくなります。やっぱり本は、いいなと思うこの頃です。
雑文なんてとんでもない。ありがとうございました。