婚約内定して
『語らいを重ねゆきつつ気がつきぬ
われのこころに開きたる窓』 明仁皇太子
今から半世紀以上前に今上天皇がまだ皇太子のころ、はじめて民間人のお妃、正田美智子さまを得られた喜びのお歌であります。超保守的な皇室、華族その頑迷な周囲には平民の家庭の血が一族に入ることに堅い抵抗があったのです。
今では考えられませんが。美智子さまのご両親をはじめ、ご本人の不安はいかばかりであったかと想像します。あの若々しく気高い美智子さまを、よく皇太子さまが説得されたものと大いに感心しています。
「われのこころに開きたる窓」がノーブルで素敵ですね。生まれた時から皇太子という身分にがっちりコンクリートされていたお心に、匂い立つ美智子さまが明かり窓の様に入り込まれたのですね。「気がつきぬ」も清潔で初々しく感動させられます。
『たまきはるいのちの旅に吾を待たす
君にまみえむ明日の喜び』 美智子妃
まさしくご結婚は「いのちの旅」、昭和34年4月10日ご成婚されました。爾来日本人の夫婦の理想として、また日本国の象徴としての激務をこなされつつ54年の旅路を今日も重ねておられます。天皇皇后両陛下は日本の誇りであります。