鎌倉時代は天皇や貴族の為の仏教から、幅広く庶民にみ教えを説く高僧が続出しました。うち続く戦乱、疫病、飢饉に天災の庶民にはひどい時代でしたからでしょうか、新仏教の道元、日蓮、親鸞、叡尊、忍性、一遍など高徳のお坊さんが輩出されました。
法華宗の開祖・日蓮聖人は千葉県安房のお生まれで、比叡山で学ばれ妙法蓮華経の教えを旧仏教が権力と結びついて独占する時代に、31歳で果敢なる伝道を開始されました。
鎌倉幕府の威嚇と流罪処分、旧仏教派の焼き討ちに耐えて法華題目を唱え日蓮宗を建てらた偉人です。鎌倉の小町大路にあるご説法跡に腰を落とされ休息された岩が残されています。
法敵の鎌倉幕府の館近くでの辻説法ですから聖人の命がけの覚悟と豪胆振りが偲ばれます。そこで合掌するたびに、精進せずなにをしておるのかぁと樫の棒で叩かれそうです。
寒さの厳しい身延山から常陸で療養される途中、61歳で池上に入寂されました。ご命日は13日、御会式(おえしき)、御命講と申します。池上本門寺の御会式は勇壮なお祭りです。
『御命講(おめいこ)や油のやうな酒五升』 芭蕉
横浜常照寺での御会式では琵琶の音色が奉納されました。日蓮聖人とすてきなひと時を過ごしました。