四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

芭蕉翁の愛弟子・向井去来

2006-11-10 18:30:57 | 歌の花束
  つくしよりかへりけるに ひみといふ山にて卯七に別れて

『君が手もまじるなるべし花芒(はなすすき)』 向井去来

ふるさとの長崎の幼なじみであろう親友卯七が別れを惜しんで峠まで来た。手を振る親友の姿が風にゆれるすすきにフェードアウト。当時の旅は再会がむずかしいから、みずさかずきの別れになる。友への情がこもる句で感動します。
 「西の去来、東の其角」と称される芭蕉翁の愛弟子で、嵯峨野・落柿舎の主です。芭蕉の最後もみとりました。師弟の深い結びつきが薫ります。
『応々といへどたゝくや雪のかど』 去来
『つかみあふ子供のたけや麦ばたけ』 去来
彼の墓に詣でた高浜虚子の句「凡そ天下に去来程の小さき墓に参りけり」 虚子
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自転車派へ

2006-11-09 22:17:44 | 生かされて今日
 テクテク歩き派から自転車入門へ。街歩きをすると季節の花々、歴史の碑、庚申塔や神社仏閣、建設現場などに寄り道をして新発見するのがたのしい。なるべく車を捨ててテクテクそぞろ歩き派を謳歌していました。
今度は「自転車のある暮らし」にしてみました。クロスバイクと云うらしい変速機つきの車種です。自転車にかくも多くの種類があるとは、又とんでもない高値のブランドもあるとは驚きました。安物の自転車ですが思ったより優秀ですよ。
ライドあんどウオークで開放感と行動範囲が広がり刺激的です。横浜から鎌倉へ初の遠乗りをしました。坂は車体が軽いので右一本でひいて登ります。息が切れるのが血圧に良さそうです。
 冬さくらが満開。句にするのは難しい淋しげな満開でした。
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絵筆塚

2006-11-08 20:29:33 | 生かされて今日
 初めての長距離サイクリングで鎌倉の荏柄(えがら)天神さんを覗きました。確か鶴岡八幡宮よりも古いやしろのはずです。道真公をまつるので受験生祈願のメッカです。張り紙に曰く、「試験当日早朝祈祷受付」。お母さんがひとりお祈りしていました。
 絵筆塚は漫画家の横山隆一や小島功などの努力で、平成元年に出来ました。ドラえもんや鉄腕アトム、園山俊二も刻まれていますよ。
 鎌倉はもみじ狩や修学旅行の一団を見かけました。横浜国大付属小裏では遺跡の発掘もしていました。
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プロの写真家

2006-11-08 07:21:57 | 生かされて今日
 下岡蓮杖は下田の生まれで江戸で浮世絵を描いていましたが、新しい技術の写真に魅入られて初めての写真館を横浜に創りました。関内の馬車道に記念碑があります。
地蔵坂の蓮光寺には妻の美津さんのお墓がありました。キリシタンの石墓です。裏には賛美歌らしい文字が刻まれています。当時の最先端を生きた女性が眠ります。
東の下岡蓮杖、西の上野彦馬(長崎)と称されるそうです。
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道元禅師の鎌倉

2006-11-07 07:47:18 | 生かされて今日
 軍事防衛ラインの鎌倉七口のひとつ、巨福呂坂(こぶくろざか)にある道元禅師の鎌倉下向記念碑です。新しい石碑です。禅師は晩年、北条時頼の招きで実朝供養のために半年滞在されたそうです。
 私は以前、中国の天台山参拝の途中、禅師が悟りを得られた天童寺に参りました。師が五体投地されて上られた長い参道や石組みの回廊、先生の如浄禅師像などに感動しました。『正法眼蔵随聞記』にある道元禅師の愛語にはまさに回天の力がみなぎります。気弱になる時にひもとけば元気が頂けます。
 巨福呂坂にはつわの花がゆれて、七五三の姿や散策の人波が行く秋を楽しんでいました。
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建長寺の虫干し

2006-11-06 07:43:26 | 生かされて今日
 JR北鎌倉から歩いて鎌倉五山筆頭の建長寺の風入れ(かざいれ)に行きました。虫干しです。北条時頼が開基。大鐘は国宝なんですね。息子の北条時宗が造った円覚寺の洪鐘も国宝だ。
お釈迦さまの苦行像(模刻)は印度からの贈り物だと思います。
 寺宝の中では牧渓がえがいた猿の墨絵や僧千人もいた当時の地図が興味をひきました。
禅僧手ずからの抹茶のサービスはよかった。若い僧も多くいて活気が感じられます。 さざんかやつわの花、つばきの花や薄もみじがいろどりを添えていました。
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横浜の文学散歩

2006-11-04 04:35:01 | 生かされて今日
 もみじ散る根岸森林公園にかつての文学少女達が集まり、JR石川町までの文学散歩です。さわやかな秋日和、横浜文芸懇話会の手づくりの解説を聞きつつ吉川英治や大野林火、ブラウンなど先人の跡をたどりました。
初めて中国人墓地、地蔵王廟に参りました。地蔵坂の蓮光寺に最初のプロカメラマン、下岡蓮杖夫人のキリシタン墓が興味をそそりました。
一緒した句友は実家が近くご両親や思い出の道、海水浴した海などを話して嬉しそうでした。句会のマドンナによき文化の日でした。
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白川 静先生逝く

2006-11-02 08:37:10 | 生かされて今日
 漢字の泰斗、文化勲章受賞の白川 静さんが十月三十日、96歳のご生涯を閉じられました。お目にかかったこともなく詳しく存じ上げていない者ですが、まさに大いなる学者、人格のかおる仰ぎ見る先生と尊敬しておりました。
「学問は借り物では出来ません。どなたでも独学になるはずです」。
要領のよい周りに流される生き方、個性の薄い人生、固有の視点がない俳句なんかダメだぞと樫の棒で痛撃される感じです。新たな道を拓く苦痛は、人間に生まれ得たこそ出来るのだと。
私も微力ながら求道心をかきたてて、個性を全開する理想へ出発するぼくとつな行き方を選びたい。道元禅師いわく「人身得ること難し」と。
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