田中一村が通っていた紬工場のある、名瀬市大熊(だいくま)です。
当時、もう一棟、紬工場が建っていたはずですが、この工場でも
きょうもおばさんたちが機(のの)を織っていました。
大熊町は現在、都市計画が進められ、当時とは、だいぶ変わりました。
工場から、すこし行った角に、一村が、よく訪ねたという
魚屋さんがありました。冷蔵庫から出した魚を売り物にならなくなる
ほど、丹念にスケッチしていった、というエピソードのある魚屋さんです。
このエピソードは、奄美パークの田中一村記念美術館の出入り口近くの、
一村の生涯を紹介するビデオで見た人もいるかもしれません。
そのビデオでエピソードを語るご主人も、他界され、もう会う事は
できなくなりました。
右上の写真は、夕方工場の仕事を終えた一村が、ステテコ姿で
散策していた裏山へ上る小道です。当時の面影が残っていました。
そこに咲いていたゆりのような花。もしかしてめずらしいのかも、と
思って撮りました。
4枚目は、小道を登った丘から。「金鉱丸」と「宝勢丸」というカツオ
漁船が停泊する大熊漁港の向こうに見える「山羊島」は、建物に
かくれてしまいました。
この丘で子供の頃、夏休みの宿題の絵を描いていたら、ステテコ
をはいたオジサンに絵をほめられた、という話は何人かの人に
話しましたが、信じてもらえたのでしょうか。(笑)
去年、美術館で、一村がこの丘から撮ったに「違いない」写真を
見ました。前景にはソテツがありました。構図は宿題の絵とソックリ
だったのですが。(笑)いまだに証拠がありません。
田中一村記念美術館はここにあります。奄美空港から車で5分。
空港から名瀬市内行きのバスもここを経由します。
http://www.dhc-adan.com/
主演の男優さんは先日、奄美パークでトークショーを
していたみたいです。
「架空の走る少女アダン」には驚きました。
一村はまた草葉の陰で苦笑しているのでしょうか。
遺族が中止を求めているそうですが、どうなるのでしょうか
http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20040529-00000035-nks-ent