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『「新しさ」の日本思想史』 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書) 新書 – 2022/2/9

2023年09月27日 | 本と雑誌

「新しさ」の日本思想史 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書) 新書 – 2022/2/9

「新しさ」という割と日常的な概念だけでこれほどの内容が語れるのか、と驚く。
日本思想史の本なので学術的で難解なところは、ところどころ飛ばしつつ読み進めてみたが、
最後までけっこう読み応えあり。日本語のスキルブラシュアップも兼ねた日本史のおさらいにもなった。

たとえば、海保青陵(wiki 人生の過半を遊歴に費やし、各地で『論語』などの中国古典や漢文作成の文法を教えながら、一方で経済上の様々な相談や指導を行って家計や経営の立て直しに手腕を振い、現在の経営コンサルタントの先駆けとも評される人物である)
についての項が興味を引いた。

いかなる人間関係も基本的にはウリカイ(売り買い)阿蘭陀ハ国王ガガ商ヒヲスル、「物ヲ売リテ物ヲ買ウハ、世界ノ理」
君臣関係もまた 「ウリカイ」 である。

そういわれてみれば「官尊民卑」のイメージが強い薩摩藩は、藩自体が奄美の砂糖などを「ウリカイ」するなどして破綻寸前の財政を立て直すなど、さまざまな貿易にものりだしている。
このことも地政学的に思想史の文脈で語ることも可能だろう。


登録情報
出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2022/2/9)
発売日 ‏ : ‎ 2022/2/9
言語 ‏ : ‎ 日本語
新書 ‏ : ‎ 288ページ


秋名アラセツ ショチョガマ 重要無形民俗文化財 奄美 ヒラセマンカイ

2023年09月26日 | 歴史 民俗

↑ 今日の17時過ぎ撮影。

120922 秋名アラセツ ショチョガマ

今日の17時過ぎ撮影 平瀬まんかいは終わっていました。


まんが日本史 エピソード28~30

2023年09月25日 | 映画

シーズン1エピソード28 - ゆれる室町幕府-正長の土一揆-

土一揆は農民だけでなく、馬借((ばしゃく)馬で荷物を運ぶ業者)や、武家や公家の被官人なども参加した。


シーズン1エピソード29 - 応仁の乱-内乱と下剋上-

八代将軍・足利義政の時代。
社会不安は更に増すが、義政は贅沢な暮らしを続け、幕府の財政は苦しい。
義政の正妻の日野富子は第一子を出産後すぐになくし、6年後に男子を産む。
しかしそのとき、義政はすでに異母弟である足利義視を世継ぎと決めていた。
富子は「わが子に世継ぎにしたい」
これが複雑でわかりにくい応仁の乱(4家のお家騒動)のきっかけ。
そして富子悪女説(ほかに北条政子や淀殿)の理由の一つ。
だが、戦火で資料はほとんど焼けた。
富子は顔も性格も悪女には描かれていない。

 

シーズン1エピソード30 - 立ち上がる民衆-東山文化の輝き-

応仁の乱の後、人々の暮らしは一層苦しくなる状況下で、庶民の怒りはつのり政治意識も高まっていく。


まんが日本史 エピソード25  南朝と北朝の対立-足利尊氏幕府を開く-~エピソード27 - 室町幕府の繁栄-足利義満と北山文化-

2023年09月21日 | 映画

まんが日本史を X(旧twitter)で検索してみてもなかなか好評だ。
二度めは、小間切れ時間に飛ばし見。シーズン1は最終回がエピソード52なので

シーズン1エピソード25 - 南朝と北朝の対立-足利尊氏幕府を開く-から、そろそろ後半。盲点も多く、それだけに面白くもある。
24から27がおもしろい。

その前に
エピソード23 - 鎌倉幕府の崩壊-御家人の不満と広がる内乱-
エピソード24 - 建武の新政-後醍醐天皇の理想-
を押さえておきたい。

後醍醐天皇は幕府を倒そうととして2度失敗。隠岐島に流される。エピソード23
エピソード24 - 建武の新政-後醍醐天皇の理想-

幕府崩壊後、後醍醐天皇は京都に戻り、建武の新政。
しかし公家中心の政治は武士たちに嫌われ、足利尊氏が鎌倉で挙兵。

エピソード25  南朝と北朝の対立-足利尊氏幕府を開く-
京都を追われた後醍醐天皇は吉野に逃れる。
京都では足利尊氏の後押しで豊仁親王が即位し光明天皇となる。

南北朝時代の始まり。イメージをつかみにくい時代の流れを手際よくまとめている。

1336年後醍醐天皇が吉野に移ってから、後亀山天皇が京都にもどり南北朝が合体するまで57年間
吉野の南朝(大覚寺統)と、足利氏の擁立する京都の北朝(持明院統)の系統図をわかりやすく説明。

エピソード26 - 南北朝の統一-室町幕府の基礎固まる-

三代将軍になった義満は京都の室町に幕府を移して政治を行うことに。
幼い義満に爺と呼ばれ、補佐役の細川 頼之の、観応の擾乱(南朝方との戦い)などが描かれる。

エピソード27 - 室町幕府の繁栄-足利義満と北山文化-

室町幕府の基礎を固めた義満が禅宗を保護し、五山文学など、室町文化の特色が描かれる。
金銭の流通なども。


『ChatGPTの全貌』 何がすごくて、何が危険なのか? (光文社新書 1267) 新書 – 2023/8/18

2023年09月20日 | 本と雑誌

ChatGPTの全貌 何がすごくて、何が危険なのか? (光文社新書 1267) 新書 – 2023/8/18
オタクを自認する著者の視点はユニークで、視野も広く文の語り口もソフトでノリもいいし、わかりやすい
(専門的なことも言っているのだが)、経歴もちょっと変わっている。
こういう本を書くには最適任ではないだろうか、と読み始めてすぐに思った。

P200 エリートの幻想(小見出し) 「人間にとって自分で考えること、自分で決めることが重要で、価値があり、みんながそれを望んでいる・・・」は恵まれたエリートの幻想である。は今の社会をよく観察している。


名瀬の書店で買ったGPTの本


まんが日本史 シーズン1エピソード17 - 栄える平氏-後白河法皇と平清盛-

2023年09月19日 | 映画

俊寛の墓.jpg
Wikipedia 俊寛より 俊寛の墓(喜界島)鹿児島県


1983年7月24日放送 シーズン1エピソード17 - 栄える平氏-後白河法皇と平清盛-

の13分20秒くらいから有名な(内実は複雑)鹿ヶ谷事件(読み)ししがたにじけんが始まる。もちろんアニメでは極簡単に描かれる。

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鹿ヶ谷事件」の意味・わかりやすい解説
鹿ヶ谷事件
ししがたにじけん

1177年(治承1)5月、後白河院(ごしらかわいん)の近臣藤原成親(なりちか)・成経(なりつね)父子、藤原師光(もろみつ)(西光(さいこう))、法勝寺執行(ほっしょうじしぎょう)の俊寛(しゅんかん)、摂津(せっつ)源氏多田行綱(ゆきつな)らが、俊寛の京都・東山鹿ヶ谷山荘において平氏追討の謀議をした事件(wikipediaでは「静賢法印(信西の子)の山荘で謀議が行われた、とある)

法皇の隣に、イメージとは違って強欲で悪賢そうな顔の俊寛がいて法皇に酒を注ぐ。他に二人いて楽しそうな酒席。

絶頂期の平氏を倒そうという密談、謀議の席なのに、みな大声で酒をのみながら笑顔ではなしている。

場所は、「俊寛の別荘」。どこかで聞いたことがある倒れた徳利の首を盃で打ち割る場面へと続く。

徳利は瓶子(へいし)と言われていた。瓶子(へいし、へいじ)とは、壷の一種で、口縁部が細く窄まる比較的小型の器形のものをいい、主に酒器として用いられた。

首尾よく徳利(瓶子)の首が取れて一同高笑い。謀議参席者4人のうち三人に対する処分はナレーションだけで字幕はない。

「俊寛はきかいがしまにながされました」

ま、それだけなのだが。このあとアニメでは最終回近く幕末の西郷隆盛のところで、もう一度奄美大島のナレーションがある。

wikipedia鬼界ヶ島(きかいがしま)とは、平安時代末期の1177年(治承元年)の鹿ケ谷の陰謀により、俊寛、平康頼、藤原成経が流罪にされた島。「鬼界島」は南の遠国の島を指す一般名詞でもあり[1]、古代以降、日本の南端と西端の地として長い間認識されていた。広義には南島諸島の総称として用いられ、鎌倉時代以後は十二島として薩摩国河辺郡に属した。wikipedia

 

僧 俊寛の流刑地についてwikipedia

俊寛が流された鬼界ヶ島の場所については、鹿児島県鹿児島郡三島村の硫黄島、大島郡喜界町の喜界島など諸説ありはっきりしていない。なお、硫黄島にはかつて俊寛旧邸宅跡の碑が残されており、喜界島には俊寛の墓と銅像が、長崎県長崎市の伊王島にも墓がある。ひそかに島を脱出したという説も多く、阿久根市や出水市、佐賀県佐賀市などにも俊寛に関する言い伝えが残っている。

 


『日本とユダヤの古代史&世界史』 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 - 単行本 – 2023/6/9

2023年09月18日 | 本と雑誌

日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 - 単行本 – 2023/6/9


amazon 登録情報
出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9)
発売日 ‏ : ‎ 2023/6/9
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 304ページ

本書も名瀬の書店のいつも行く棚の裏側で見つけた。
いかにもトンデモ本のような装丁だったのだが、それと割り切ってもペラペラめくると面白そうだ。
対談本なので読みやすい。カラー写真、イラストなども豊富。

いきなり千葉県芝山古墳群(殿塚・姫塚)出土埴輪(しばやまこふんぐん(とのづか・ひめづか)しゅつどはにわ)の人物埴輪群の写真。それが本書ではユダヤ人とされる。

渡来人の秦氏もユダヤ人とされる。

島津氏の出自は秦氏の後裔とされる惟宗氏であるという話は歴史の本で、何度か読んだ記憶があるので、興味を引かれた。

まあ、NHKBSダークサイドミステリー”神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論
初回放送日: 2023年7月13日”が再放送されたら、観てみたい。本書の主張を肯定的にとらえる内容とは思えないのですが。しかし不思議なことはあるものである。

NHKBSダークサイドミステリー”神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論

”日本人の祖先はユダヤ人と共通?日本各地の神社にユダヤの痕跡?「かごめかごめ」はヘブライ語の暗号?ネット等で話題の古代ロマン・日ユ同祖論を専門家とともに検証する。”


まんが日本史 エピソード44 

2023年09月12日 | 映画


綱吉の時代は
シーズン1エピソード44 - 士農工商-身分制度の確立と元禄文化-
に描かれている。

大阪を中心に町人や商人たちの中から井原西鶴の小説や俳句の松尾芭蕉、浄瑠璃の近松門左衛門、浮世絵の菱川師宣などによって元禄文化が生まれる。

wikipedia綱吉の治世下は、近松門左衛門、井原西鶴、松尾芭蕉といった文化人を生んだ元禄期であり、好景気の時代だったことから優れた経済政策を執っていたという評価もある。また、治世の前期と後期の評価を分けて考えるべきだという説もあるwikipedia

犬公方の異名をもつ綱吉は、暗愚、バカ殿のイメージが強いのだが今では教科書でも名君のイメージもある。
少し驚いたことに、40年も前のこのアニメにも、綱吉は戦国の野蛮な風習を一掃しようと、湯島聖堂(幕府直轄の学問所)を建て武士たちに儒教を学ばせようとした知識人でもあったとナレーションが入っている。
しかもそれまでの将軍の武ばった、いかめしい顔立ちから、ふっくらした知的な顔立(しかし独裁的)ちになっている。
もちろん生類憐みの令が庶民を苦しめた事実も描かれている。

関ケ原から80年。
弟の家綱が無くなると綱吉が第5代将軍となるのはこの回(44)9分50秒ごろから。

ここから一気にシーズン1エピソード52 - 明治維新-新政府の出発-【最終話】まで観了。


「古事記ワールド案内図」池澤夏樹著 発売日 ‏ : ‎ 2023/5/24

2023年09月11日 | 本と雑誌

「古事記ワールド案内図」池澤夏樹著

登録情報
出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2023/5/24)
発売日 ‏ : ‎ 2023/5/24
言語 ‏ : ‎ 日本語
新書 ‏ : ‎ 256ページ

読了から時間が経ってしまった。
読書中はアマゾンのカスタマーレビューはまだなかったのだが、現在ついている
2~3のレビューはいづれも批判的だ。文学ガイド的なので、記紀についてのそれなりの基礎知識は要求される。おもしろく読める人とそうでない人に大きく分かれるのだろう。
また同じ人でも読むときの気分で、評価が分かれそうな。
おもしろく読んだ、と思ったのだったが、今振り返ると具体的に何が面白かったのか思い出せない。あまり角度をつけずに、断定を控えつつの語りが、そうさせたのかも知れない。歌の引用も多かった。

ワカタケル 単行本 – 2020/9/1
池澤 夏樹 (著)
を先に読んでおけばよかったかも知れない。21代雄略天皇にまつわる小説です。


『禁断の中国史』 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/30

2023年09月10日 | 本と雑誌

『禁断の中国史』 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/30
百田尚樹 (著)
4.4 5つ星のうち4.4    2,385個の評価


登録情報
出版社 ‏ : ‎ 飛鳥新社 (2022/6/30)
発売日 ‏ : ‎ 2022/6/30
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 228ページ

よく行く書店の棚の裏側で思いがけなく見つけた。
内容はヘイト的だが、割と知られたエピソードが意外と多い。ドラマなどでよく見るシーンも。
関西弁のセリフを交えた語り口は巧みで独創的。ある意味とても効果的でもある。
纏足と、2万人収容の貢院(こういん)と呼ばれる科挙の試験場全景、試験部屋の写真などは初めて見たので印象的だった。


ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著) ムック – 2015/5/25

2023年09月08日 | 本と雑誌

ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著) ムック – 2015/5/25


登録情報
出版社 ‏ : ‎ NHK出版 (2015/5/25)
発売日 ‏ : ‎ 2015/5/25
言語 ‏ : ‎ 日本語
ムック ‏ : ‎ 112ページ

「オイディプス王」の話はもうお知っている、ソポクレスの名はそれほど聞き馴染んではいない、ということで8年間の積読で、ページが黄ばんでいる。

表紙の「物語の原型はこれだ!」にひかれ読み始めた。暇にまかせて連続2度も読んだ。

「オイディプス王」はソポクレス60歳(70歳?)くらいの作品。その続編の「コロノスのオイディプス」を執筆したのが90歳ごろというから驚きだ。歳をとると「コロノスのオイディプス」のほうに魅かれる。P76 ディオゲネスとオイディプスの話がおもしろい。


100分 de 名著 司馬遼太郎『覇王の家』 2023年 8月

2023年09月07日 | 本と雑誌

NHK 100分 de 名著 司馬遼太郎『覇王の家』 2023年 8月 [雑誌] (NHKテキスト)

小説として描かれた、司馬遼太郎の「家康論」

下巻の中心を占める小牧・長久手の戦い。関ケ原も大坂の陣も端折られている。司馬作品としては、知名度、人気は高いといえない。

放送は最終回だけ、それも途中からしか見ることができなかった。

第二回 家康の正室の築山殿についての記述と 三回「三河かたぎ」の功罪、それに最後の著者の持論、今の日本を再生のための持論、農本主義・」地方分権に戻すべき、田園都市構想、コンパクトシティ、などが印象深かった。


大浜 名瀬港

2023年09月06日 | ツイートまとめ

 

 

 


スサノヲの正体 (新潮新書) 新書 – 2023/7/18 関 裕二 (著)

2023年09月02日 | 本と雑誌

スサノヲの正体 (新潮新書) 新書 – 2023/7/18
関 裕二 (著)
3.8 5つ星のうち3.8    19個の評価

総論的部分は面白いのだけど、各論になると一度読んだだけでは理解しにくい感が増える。

p24 七世紀後半に伊勢神宮が今の形に整えられてからあと明治維新にいたるまで、持統天皇を除き、歴代天皇はひとりも伊勢を参拝されていないP24

これほど長い間歴代天皇が伊勢を避けてきた理由。興味ぶかいが、それだけに一度読んだだけでは理解は困難だ。P32 スサノヲは弥生的ではなく、もっと古い縄文的な神P32 スサノヲはアマテラスより何倍も面白そうだ。アマテラスはユダヤ人だったという本も名瀬の書店で見つけた。

いままでの、邪馬台国の場所はどこだ、の古代史ロマンっていったい何だったのか。

アマテラス=善 スサノオ=悪

スサノヲの正体がわかれば、ヤマト建国と古代史の多くの謎が解ける。やはり相当読み込まないと・・・。