奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

現代語訳 『論語と算盤 (ちくま新書) 』 – 2010/2/8 / NHK 100分 de 名著 渋沢栄一『論語と算盤』 2021年4月

2021年04月28日 | 本と雑誌

現代語訳 『論語と算盤』 (ちくま新書)  – 2010/2/8
渋沢 栄一  (著), 守屋 淳  (翻訳)

5つ星のうち4.3    1,075個の評価


amazon内容(「BOOK」データベースより)
日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、約四百七十社もの会社設立を成功させた彼の言葉は、指針の失われた現代にこそ響く。経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。


NHK 100分 de 名著 渋沢栄一『論語と算盤』 2021年4月 (NHK100分de名著) (日本語) ムック – 2021/3/25
守屋 淳  (著)
5つ星のうち4.2    25個の評価

------

今週のNHK大河「青天を衝け」第11話「横濱焼き討ち計画」視聴率は、14・1% 
前週第10回の13.9%(同)から0.2ポイントアップした。4月25日放送

 

ーーー


名瀬の書店にあった、何冊かの渋沢本のうちの2冊

これだけの功績を残した渋沢栄一の知名度が、あまり高くないのに
今更ながら驚かされる。

倒幕・維新に尽力した明治維新の三傑
西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允の3人は、「英雄顔」。

しかし、写真で見る渋沢の顔は、いわば庶民的な顔である。
(百姓といっても、渋沢家は、藍玉を生産販売するかなりの豪農で、
栄一には学問もあって幼いころから文武両道で育ち、家業の手伝いもしている、
というところが、ドラマの面白さにつながっている)

論語と算盤、いわば両極端のものを融和、調和させる渋沢の考えは、
現在でも、幅広く応用できそうだ。たとえば、コロナ禍での、経済か人命か。
保守と革新のポジショントークとか、あげればきりがない。

渋沢の説明は、専門の研究者が目をむいてあきれるような大胆な読み替えに思えることもある。(本人がそういっている)孔子やアリストテレスだって絶対ではない。

この本の面白さは、そこにある。

あまり考えが純粋すぎると、2者の融和や調和は、難しい。

ここから脱線するが、
あるていど、「てゲてゲ」でないとできないこともある。
(でげは鹿児島や奄美などの方言で、大概や、ちょうど良い加減など)

、この本には西郷隆盛の話も登場する。


p129 二宮尊徳と西郷隆盛

明治4年のある日の夕方、当時栄一が住んでいた神田猿楽町の家へ、
明治政府最高位の参議西郷隆盛が突然訪ねてきた。

二宮尊徳が旧相馬藩に導入し遺し、相馬藩繁栄の基盤になった「興国安民法」だけは、財政改革をおこなうに当たっても廃止してくれるな、と西郷は相馬藩に頼まれたらしい。

大久保や大隈、井上らはあの通りの性格だから、到底聞き入れてくれるとは思えない。相馬藩の頼みをことわれない西郷は、困って渋沢によろしく取り計らってくれるように頼みに来たというわけだった。

渋沢は西郷に「あなたは、二宮尊徳先生の「興国安民法」をご存じか?」と、
西郷は、「いや、まったく知らない」と。

渋沢はくわしく説明して、大いに納得した西郷に、一藩の「興国安民法」ではなく、一国の「興国安民法」をどうするか考えないのは本末転倒だと、熱心に述べた。

渋沢は、維新の豪傑のなかで、知らないことは知らないと素直にいって、まったく飾り気のない西郷を心から尊敬する。

明治六年政変(1873年)まであと2年ほどの話。

次の項は「自分を磨くのは、理屈ではない」とつづくのだが、

六年政変の顛末を知る渋沢にしてみたら、頭の切れる大久保を念頭に置いて、この項を述べているのかな、と思える。大久保外遊。

渋沢と西郷は、真逆の面もあるが、似たところもあって、
生い立ちや思想、エピソードなど、比べてみると
面白そうだ・・・。脱線がすぎる。


さて、渋沢 P238 私生活と晩年

渋沢はこの時代の通例で、お妾さんを数多く持ち、その子は30人以上。
「婦人関係以外は、一生を顧みて俯仰天地に恥じない」と晩年の栄一は語っている。(満91歳没)

『英雄色を好む』 というが、「庶民的な」顔立ちの偉人・渋沢栄一もその例にもれない。というところも面白いところだがドラマはそこをどう描くのだろうか。

今週のドラマ、高崎城を乗っ取って武器を奪い、横浜外国人居留地を焼き討ちするという計画もそうだが、「論語」イメージとはかけ離れた?行動とともに、渋沢の意外な一面をみた。気がするが、本書を読むと、意外と意外ではない。


映画 『めし』林芙美子原作 成瀬巳喜男監督 原節子と上原謙主演

2021年04月24日 | 映画

1951年、林芙美子原作、原節子と上原謙主演の『めし』成瀬巳喜男監督

3週くらい前の視聴だったと思う。
記録忘れ。
かつてTVで「日本映画100選でも見た。名作らしい。

今週観て、いまいちわからなかった『浮雲』は一般に成瀬の最高傑作ということで、
その4年前1951年、林芙美子原作・成瀬による
映画作品「めし」をもう一度のぞいてみたという次第。

やはり原節子は美しかった。いや映画の内容からすると美しすぎると、
原作者は当初、原の起用に反対したという。

たとえば小津安二郎の「東京物語」では原が美しすぎても、
むしろそれがいいと思うのだったが、

これ(めし)は、大阪がおもな舞台の、倦怠期の平凡な夫婦の日常の話。
しかもタイトルが「めし」ということで少しの違和感があって最後までなじめなかった。

ナレーションから全体を振り返ってみると、まあ公開された時代の最先端にをみた気がした。
原作本は読んでいないが、これはたぶん原作とは、違う味わいがするタイプの作品だと思う。

ーーーーーー

成瀬『浮雲』とよく似たタイトルの
1959年の『浮草』 大映製作
は『浮草物語』を小津安二郎監督自らがリメイクした作品。
宮川一夫撮影カラー映像。
旅回りの駒十郎一座の乗った船が港に着いたところから始まり、
激しく変わる世の中で浮き草のように、しかししたに・・・
といった展開。

小津と成瀬では、テイストが随分ちがうが、
小津は成瀬の「めし」を高く評価している。多分映像のことかな、もう一度たしかめたい。

ということで、いぜとして昔の白黒映画にひっかかっている。WW


映画『浮雲』1955年公開 成瀬巳喜男監督 原作・林芙美子

2021年04月22日 | 映画

映画『浮雲』1955年公開 成瀬巳喜男監督

原作・林芙美子、脚本・水木洋子

幸田ゆき子:高峰秀子
富岡兼吾:森雅之(大映)
おせい:岡田茉莉子

「日本映画を代表する1作として語り継がれる名作メロドラマ」
というので、お勧めをクリックしてみたのだが、え・・・・。

何週か間があいて途中続きから、1.5倍速で見たせいか、まったく良さがわかない。
公開時に私は生まれていたのだが、主役のひとり富岡兼吾が、つぎつぎ女にモテるのか
よくわからない。

だれかに「名作のただしい見方」を教えてもらえたら、よさがわかるかも知れない。

高峰秀子さんは嫌いではないのだが、ハズレがつづいている。
めげずに見続けるつもりだが。

インドシナから始まったドラマは
ラストは鹿児島の旅館(島っぽい音楽が流れていた)を経て、(当時)国境の島屋久島へと行くのだった。


『鹿児島県の歴史入門』単行本(ソフトカバー) – 2020/11/10

2021年04月21日 | 本と雑誌

鹿児島県の歴史入門 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2020/11/10
麓 純雄 (著)


amazon 内容(「BOOK」データベースより)

鹿児島に人が住み始めたのはいつ?大隅半島に大規模古墳が多いのはなぜ?隼人の反乱を抑えたのは、歌人・大伴旅人?島津氏はいつ、どこからきたの?琉球出兵の水先案内をした七島衆って?「日本警察の父」は西郷軍の敵?奄美が米軍統治されてたって知ってる?元・小学校の校長先生がやさしく手ほどき。知っておきたい鹿児島県の基礎知識。

登録情報
出版社 : 南方新社; 第1版 (2020/11/10)
発売日 : 2020/11/10

「入門」とはいっても、内容は幅広く、記述スタイルも凝縮された表現で、そう簡単には読めなかった。初耳な箇所もいくつかあって、なかなか新鮮だ。写真豊富で行間が広いこともあって親しみやすい。

 

奄美の歴史入門 単行本(ソフトカバー) – 2011/1/15
麓 純雄 (著)
5つ星のうち4.5    7個の評価

そんな中、最後に近いp197  26「鹿児島ぶり」と「薩摩見聞記」がやわらかく、面白い。ふたつとも、よそから来た人の見た、鹿児島の様子や、風土や歴史に根差す鹿児島人の特徴を長所短所両面から記述した本だが、これがまことに的を射た指摘で面白い。いろいろな本にも引用されているようだが、けっこうな幅の引用で、本文に彩を与えている感がする。

まるで、島と、島人にかんする指摘に思えてきたから不思議だ。(昔は鹿児島対してはコンプレックとうらみが先立ち、両者は対照的にとらえていたのだが、こうしてみると親近感さえわいてくるW)

ーーーーー

鹿児島風流(ぶり). かこしまふり(鹿児島ぶり)

講釈師伊東凌舎の薩摩見聞記。天保6年(1835)、国許くにもとに帰る鹿児島藩主島津斉興一行に加わって鹿児島に。全1冊

ーーーーー

「薩摩見聞記」本富安四郎

本富安四郎(1865-1912)長岡藩士本富寛居の3男。明治22年東京英語学校を卒業すると、鹿児島県の尋常小学校教員として赴任。

ネットで検索して「中見」できます


 

 


動画 花の中にハマりもがく蝶を仲間が力を合わせて救出しようとするが・・・。

2021年04月20日 | 生き物観察

210420花の中にハマりもがく蝶を仲間が力を合わせ

奄美大島瀬戸内町・由井岳園地の下駐車場のつつじの花で、もがくアゲハチョウを見つけ、車内から撮影。

仲間が数匹かわるがわる飛んできては、翅をばたつかせ、助けようとするが、なかなかうまくいかない。

車を降り、近づいてつつじの枝をゆするが、それでも抜けない。人差し指の腹でそっと持ち上げると、すっと自力で元気よく飛んで行った。仲間たちも周りを飛んでいた。


動画 ソメイヨシノ 湯湾岳公園 and 由井岳園地 大島海峡春景色2021

2021年04月20日 | 桜の観察

210420ソメイヨシノ 湯湾岳公園 and 由井岳園地

 

関連記事このブログ 瀬戸内町油井岳園地のソメイヨシノ 例年にない咲き具合 and 大島海峡春景色2018
2018年04月03日 | 桜の観察

s

 


ヒメヒオウギ(姫檜扇)アヤメ科/似たもの ヒメオオギズイセン

2021年04月17日 | 植物

ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
またはヒメヒオオギズイセンは、アヤメ科ヒオウギズイセン属

名瀬近郊の林道でもよく見かけます。

 


タブノキ 実

2021年04月15日 | 植物

wikipedia タブノキ(椨 Machilus thunbergii)とはクスノキ科タブノキ属の常緑高木である。イヌグス・タマグス・ヤマグス・ツママとも称される。単にタブとも。ワニナシ属(Persea、アボカドと同属、熱帯アメリカなどに分布)とする場合もある(学名:Persea thunbergii)。

日本では東北地方から九州・沖縄の森林に分布し、とくに海岸近くに多い。照葉樹林の代表的樹種のひとつで、各地の神社の「鎮守の森」によく大木として育っている。

関連記事このブログ

タブノキ 花ざかり
2013年02月20日 | 植物

↑ タブノキ 新芽 2/17日撮影


『薩摩という「ならず者」がいた。 誰も語らなかった明治維新秘史』 – 2020/11/28

2021年04月13日 | 本と雑誌

『薩摩という「ならず者」がいた。 誰も語らなかった明治維新秘史』  – 2020/11/28
佐藤 眞 (著)

amazon 内容(「BOOK」データベースより)
なぜ薩摩は幕末の動乱を制することができたのか?―その答えは「贋金作り」にあった!

出版社 : ケイアンドケイプレス (2020/11/28)
発売日 : 2020/11/28


本のタイトルが3行もある。
3行に加え、その下に天保通宝5枚を並べた写真

4行でこの本を語りつくしていると言ったら言い過ぎか。

いや、薩摩のみならず現在の鹿児島をも語っている。

だが、キャッチーなフレーズ、「誰も語りなかった」「維新秘史」「ならず者」はどれもよく考えると、あいまいな概念だ。

このあいまいさこそ、本書のおもしろさの源泉だとおもう。

福岡市生まれ。中学・高校は鹿児島のラ・サール学園に
長年編集者として活躍している著者ならではの
鹿児島の歴史の特殊性と、今を歯に衣着せずに語る。

テンポのよい語り口はしばしば脱線し、その幅も広くアジア史から西洋史に及ぶ。

そこで語られるうんちくが、本書の味わいを深める。歴史家でも、いわゆる作家でもない著者だからこその、歴史書ではなく歴史エッセー。

著者の中学・高校時代の鹿児島の思い出。同じ九州でも、独特な鹿児島の気風。
気風だけでなくほかにも鹿児島はいまに残る独特がいくつもある。

それはわが島にもあることに気づき考えさせされる(ないものも、ある意味真逆のものもあるが)。


薩摩、銭といえば奄美の島々からの砂糖収奪が連想されるが、
「奄美大島への恐るべき収奪」はP80~82。
琉球を通しての密貿易はP82からつづきp87 

黒糖、密貿易 贋金の比率は、読み取れなかった。

追記 表紙の写真 ネットオークションサイトで
検索すると薩摩の「天保通宝」がザクザク、例えばヤフオクでは
5~6千円台のものがならぶ。

この情報が「まえがき」冒頭で紹介されているように、本書はとても今風の作りでもある。

===========

関連記事

このブログ『明治維新のカギは奄美の砂糖にあり』 薩摩藩 隠された金脈 (アスキー新書) 新書 – 2010/3/9


思い出したのは、薩摩の倒幕資金、奄美の砂糖、贋金つくり、琉球口貿易。

このブログ 『奄美諸島の砂糖政策と倒幕資金』 [単行本(ソフトカバー)]
2013年02月27日 | 本と雑誌

このブログ『偽金づくりと明治維新』 単行本 ? 2010/3/20
2015年12月20日 | 本と雑誌

このブログ『江戸期の奄美諸島』―「琉球」から「薩摩」へ―[単行本]
2013年02月07日 | 本と雑誌

このブログ『かごしま近代化遺産 』 (南日本ブックス) 単行本 – 2007/1
2015年10月04日 | 本と雑誌

wwwwwwwwwwwwwwwww

このブログ『明治維新という名の洗脳』 150年の呪縛はどう始まったのか? 単行本2015/9/19
2016年02月10日 | 本と雑誌


今年もソメイヨシノ 咲きました。宇検村湯湾岳

2021年04月12日 | 桜の観察

ソメイヨシノは、奄美大島南部 瀬戸内町由井岳園地でも咲きます。