映画『激動の昭和史 沖縄決戦』
1971年 日本
監督 岡本喜八
脚本 新藤兼人
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amazon 概要
太平洋戦争末期の沖縄での戦いを描いている『東宝8・15シリーズ』の第5作。
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ミッドウェー海戦と共に太平洋戦争における攻守の転換点となったといわれる、
1942(昭和17)年8月以降日本軍と連合軍のガダルカナルの戦いで消耗した日本に
連合軍が、いよいよ日本本土目指して北上する、というナレーションと古い白黒の実写映像から始まる、
遠い昔に、映画館で観たような記憶がある。
各シーンは、とぎれとぎれの記憶がいくつか残っているが、
何を主張しているのか、ほとんど記憶にない。(主張はないのだが)
あとで調べた大日本帝国陸軍第32軍の
牛島中将の写真が配役の小林桂樹にそっくりなのは余談だが
牛島満中将は鹿児島市の出身で、
部下の評によると「常に悠々として迫らず、几帳面、面上微笑の絶えたことなし」といった風格を備えており、沖縄県民に安心感と軍に対する信頼感を大いに増大させている」という。
第32軍=大日本帝国陸軍の第32軍(1944年(昭和19年)3月に編成)
第二次世界大戦末期、1944年(昭和19年)3月15日に編成された第32軍は、沖縄本島に司令部を置き奄美群島から先島諸島をその守備範囲として連合国軍の上陸に備えた。司令部は首里に置かれ、首里城の地下に大規模な地下壕が掘られた。大日本帝国陸軍の第32軍(1944年(昭和19年)3月に編成)
その後、少しは沖縄戦の本などを読んだのだが、描かれている出来事は、
大概、なにかの本で読んだことがあった。
、
1.5倍早送りで見て、恐縮なのだが、
あまりに、バランスが取れすぎているな、という印象がつよい。
(いい悪いは別として)
昭和的な映像画質、音楽、ナレーションの文体、若かりしころの俳優たちのセリフの口調。
数多い凄惨な流血シーンもむしろ最近の映画より、おとなしく、残虐、悲惨なイメージは薄く
、こういってはなんだが、どこかとぼけた感じすら醸し出している。
このバランスのとりすぎににも、賛否いろいろあるはずだが、
しかし、だからと言って、どういう描き方であっても、
いろいろ文句があるのは、当然避けられないだろう。
タイトルにも昭和史とあるように昭和史の復習と思って見れば、日本人の戦争のやり方、
誰彼の責任とは別して、その下手さがげん、などをある意味よく描いているとも思う。
責任は、上に上がるうちに、次第にいつしか消えてなくなるのだが・・。
そういうことなどを、言外に描いていると見ればおもしろいかも知れない。
映画は興行的にも悪くはなかったようである。
主な配役
牛島中将:小林桂樹
八原高級参謀:仲代達矢
長参謀長:丹波哲郎
益永大尉:橋本功
散髪屋・比嘉三平:田中邦衛