『アラビアのロレンス』(Lawrence of Arabia)
1962年公開 イギリス・アメリカ合作映画。227分
デヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演。
二日に分けて、きのう見終わった。映画はバイクで始まり、バイクで終わる。
しかし、初めとラストは、時間が逆転している。しかも、と言ったほうがいいかもしれない。
オープニングのタイトルバックは動画で、大き(そうに見える)なバイクに乗ってロレンスがどこかに出かけようと、準備をしている。
このあと交通事故で死ぬことになるのだが、ロレンスが乗るとバイク意外と小さい。ロレンスの表情もこころなしか意味ありげだ。
事故は向こうから来た自転車をよけそこなったことに起因する。自転車だ。
映画はいきなり、その葬儀から始まる。
ラストシーンは、失意の?うちにアラビアを去るロレンスは車に乗っていいる。
若者のバイクに追い越されるだけのシーン。
この映画を何回か見ると、時間は逆転しているだけではなく繰り返され、循環し、輪廻転生を想起する。
ロレンスは実在した人物で風変わりな男であることは、この映画を考える上で意外に重要な要素である。
さて、
オープニングとラストの間は超絶スケールの「戦争スペクタクル」。
そのなかでロレンスがこう言うシーンがあった。
「二度と砂漠には戻らない、神に誓って」と。
パソコンでクリックすれば、瞬時にオープニングに戻り「戦争スペクタクル」が見られるのだが。
始まる前にロレンスは死んでしまうのであった。
これには意味があるのだろうか。そもそもこの問いは考えるにあたいするのだろうか。
不朽の名作、20世紀映画の金字塔、などと言われると考えたくなってしまう。ロレンスは映画の中でもそして現在でも毀誉褒貶にさらされている。
ほかにも人生哲学的なセリフや、暗喩、比喩的な表現もいろいろあって楽しめるのだが、
しかし、その前に、時代背景などある程度Wikipediaで調べて見なければならない。
一、二度見ただけではわからない。二、三度見てもおそらくそうかも知れない。中東、アラブの歴史、映画公開当時の国際関係など。
「アラビアのロレンス」は実在のイギリス陸軍将校のトマス・エドワード・ロレンスが率いた、オスマン帝国からのアラブ独立闘争(アラブ反乱)を描いた歴史映画であり、戦争映画である。
1916年10月、イギリス陸軍エジプト基地勤務の地図作成課少尉のロレンスは、風変わりな男として知られていた。アラビア語やアラブ文化に詳しいことから、オスマン帝国からの独立闘争を指揮するマッカのシャリーフであるスンナ派のハーシム家のファイサルと会見してイギリスへの協力を取り付ける工作任務を受けることになる。wiki
これほどのスケールが他にあるのだろうかと思えるほど大きい、雄大なシーンの連続で、勇壮な音楽も楽しめる。
劇場でみたい、よく分からないけど、面白そう、そんな映画だった。
本もあります。
「アラビアのロレンス」 (岩波新書 赤版 73) 新書 – 1940/9/1
中野 好夫 (著)
1962年製作/227分/イギリス
原題:Lawrence of Arabia
配給:コロムビア