奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

動画 桜ni メジロ 2021 大晦日

2021年12月31日 | 桜の観察

211231 桜ni メジロ 2021


『雨月物語』1953年(昭和28年)公開 監督:溝口健二

2021年12月30日 | 映画

wiki『雨月物語』(うげつものがたり)は、1953年(昭和28年)3月26日公開の日本映画である。大映製作・配給。監督は溝口健二、主演は森雅之、京マチ子。モノクロ、スタンダード、96分。

上田秋成の読本『雨月物語』の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編に、モーパッサンの『勲章』を加えて、川口松太郎と依田義賢が脚色した。戦乱と欲望に翻弄される人々を、幽玄な映像美の中に描いている。海外でも映画史上の最高傑作のひとつとして高く評価されており、第13回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。

『雨月物語』(Ugetsu)/1953/予告編

カメラは宮川一夫。これも”幽玄な映像美”がふんだんにあった。
水辺のシーンがよく似合う。霧、枯れ木の幹や細かな枝、河原のススキ、漕ぎ出す小舟。

時代は室町時代の終わり頃か。すでに戦国の世のようす。
貧農の源十郎は焼き物を作って町で売っていた。
それでも何とか食っていけそうな様子だったが、戦乱の中、賑わっているらしい町へ出て一旗あげようと
する源十郎と、侍になりたい義弟の藤兵衛の話。妻子を残し二人はともに村を出た。(妻はこのままつつましく暮らしたい)
果たして結果は、おそらく想像どおり。


藤兵衛の妻「いくら言ってもあんたはバカだから、自分で不幸せな目に合わなきゃ気がつかなかったんだよ」過去形だから映画後半だ。

藤兵衛「いくさがが俺たちの望みを歪めてしまったんだ」
藤兵衛はまだ自分のせいにはしていない。

しょげる夫に対し妻「あたしの苦労を無駄にしちゃいやだよ しっかり元気を出しておくれよね」
「うん」と無言でうなづく藤兵衛。苦労したのは妻のほうだ。
このころの映画の女性は、けっして亭主への愚痴や世の中にたいする不満は口にしない。

一方の兄源十郎は?
ネタばれそうなので書かない。
涙があった。

昔話の教訓めいたところもあるが、話は単純で、それだけに無限の解釈の幅がある。

たとえば藤兵衛の「いくさがが俺たちの望みを歪めてしまったんだ」の”いくさ”にしても
金、出世欲、女の色気、(世間、あらゆる欲望、競争)など。

京マチ子の妖艶さと田中絹代の現実的で地味なあたたかさ。
その対比だけで男の愚かしさを表してあまりある。
おろかしいとだけ、せめてはいけないのだろうが。

帰ってきた源十郎が妻を呼びながら、家のなかを一まわりする長回しのシーンは
:22:35秒ぐらいから。

余談だが
古い映画を連続して見ていると、同じセットや小物の使いまわしに気づくようになった。

 

監督 溝口健二
脚本 川口松太郎
依田義賢
原作 上田秋成
製作 永田雅一
出演者 京マチ子
森雅之
水戸光子
田中絹代
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
製作会社 大映京都撮影所
配給  大映
公開  1953年3月26日

上映時間 96分


211228nazeport クインコーラルプラス 荷役作業済み次第鹿児島向け出港の図

2021年12月28日 | 船 

211228nazeport

 


『父ありき』1942年(昭和17年)公開 小津安二郎監督 笠智衆 佐野周二

2021年12月28日 | 映画

wiki『父ありき』(ちちありき)は、1942年(昭和17年)公開の小津安二郎監督の日本映画。
父親と息子という親子関係を深くそして繊細に描いた作品。1937年小津の出征前に脱稿した脚本を改作したもので、戦時色濃厚な時期の映画だけに戦後になって多くの箇所がカットされた
妻に先立たれ、男手一つで息子を育ててきた金沢の教師・堀川は、修学旅行の事故の責任をとり辞表を出す。

若い時には何がいいのかわからない映画のひとつではなかろうか。
おだやかな言葉で子を教えさとす父(笠 智衆)、そんな父に反抗せず父の教えをよく聞く子(佐野 周二)待てよ、と考えてみれば、これは軍隊に必ずしも向かない育て方、育ちではなかろうか。

笠 智衆(りゅう ちしゅう、1904年(明治37年)5月13日 - 1993年 
佐野 周二(さの しゅうじ、1912年11月21日 - 1978年12月21日)

二人は8歳ほどの歳の差。制作時笠 智衆は38位、すごい演技だ。

父ありき
There Was a Father
監督 小津安二郎
脚本 池田忠雄
柳井隆雄
小津安二郎
製作 磯野利七郎
出演者 笠智衆
佐野周二
音楽 彩木暁一
撮影 厚田雄治
編集 浜村義康
配給 映画配給社
公開  1942年4月1日
上映時間 94分


動画de早咲き桜の観察 龍郷町秋名  龍郷町長雲峠  奄美市名瀬本茶(ほんちゃ)峠

2021年12月27日 | 桜の観察

↑ 奄美市名瀬本茶(ほんちゃ)峠 この一本だけ盛大な咲きぶり。

↑↓ 龍郷町長雲(ながくも)峠

きょう昼過ぎ、名瀬港付近では気温13度ほどでしたが、峠近くでは11度まで下がりました。車外気温

気象庁 12/27 20:00

最低気温
名瀬10.2℃
(06:39)

笠利9.6℃
(02:29)

古仁屋9.7℃
(06:31)

喜界島10.9℃
(05:03)

 


『長屋紳士録』1947年5月公開 小津安二郎監督 飯田蝶子 青木放屁 笠智衆

2021年12月27日 | 映画

wiki『長屋紳士録』(ながやしんしろく)は、1947年5月20日に公開された小津安二郎監督の映画作品。

 

小津安二郎が池田忠雄とともに書いた脚本を監督し映画化。小津にとっては戦後第一作となる作品。劇中で披露される笠智衆の「のぞきからくりの口上」は見どころ。


戦争の前線で過酷な経験をしたといわれる小津の復員から一年の休養を得たあとの戦後第一作。その後『風の中の牝雞』1948年製作の一つ前の作品で戦争に関する作品から家族の日常を描く作風に変わっていったと言われている。このブログ『風の中の牝雞』

この映画も戦争そのものを描いてはいないが、一夜にして変わってしまった世間の風潮、価値観に疑問を呈する風がうかがわれる。上野の西郷さんの銅像前にたむろする戦争孤児たちの姿も描かれている。

恋愛話など一切なく、拾われてきた幸平(青木放屁)が、「実は・・・」という期待とともに
わくわくして見てしまう。子供のころのテレビドラマに対する期待感を思い出し、たのしくみることができた。東京下町の人付き合い。交わす会話の小気味いいテンポ。見どころと言われる劇中の笠智衆の「のぞきからくりの口上」は25分25頃から27分17秒まで。
笠智衆の演技の幅広さにおどろいた。動画で検索すると出てきます。
いつの夜も人情紙風船などと言われるが、これは東京下町を舞台にした人情劇。

 

監督 小津安二郎
脚本 池田忠雄 小津安二郎
製作 久保光三
出演者 飯田蝶子
青木放屁
河村黎吉
吉川満子
音楽 斎藤一郎
撮影 厚田雄春
編集 杉原よ志
配給 松竹
公開  1947年5月20日
上映時間  72分


『風の中の牝雞』1948年 小津安二郎監督 田中絹代 佐野周二

2021年12月26日 | 映画

wiki『風の中の牝雞』(かぜのなかのめんどり)は、小津安二郎監督による1948年製作の日本映画。製作は松竹大船撮影所。
太平洋戦争後の東京を舞台に、夫(佐野周二)の復員を待つ妻(田中絹代)が生活に困窮し、子どもが病気をしたことで金のために一度だけ売春をしたことから、戻ってきた夫のみならず妻自身も苦しむという物語である。

小津監督の「長屋紳士録」に次ぐ戦後2作目。その後の”家族”をあつかった小津作品のイメージからすれば本作は異色作。公開当時から興行的にも芳しくなく内容的にも失敗作と言われる。しかし、そういわれると、非常に貴重でしかもおもしろい作品に思えるから不思議だ。
 
この映画には、像の檻のような円形の建造物と、そのそばの母と子が暮らすアパートの二階に上る内階段が何度も出てくる。
階段を写すカメラは一階にあっていつも定位置で、二階を見上げている。柱に、はたきと箒がかけてあって、いろいろな登場人物が上っていっては、ふくらはぎが消えていくのだった。

その階段で1:14:44秒(残りあと8:26)で衝撃的なことが起こります。
妻の一度の不貞?(ただの不貞ではない)がいまだに許せない夫は、「お願い今日は出ていかないで」とすがる妻を階段下へ突き落としてしまいます。
妻は後頭部から真っ逆さまに転落していきます。スタントマンでなければ危険なほどの迫力です。驚きました。
転落から少しというか大分時間がたって夫は心配になって駆け下りますが、うずくまって苦しい息をする妻に向かって立ったままで見降ろし「時子、大丈夫か、・・おい」というだけで駆け寄ることも抱えあげることもせず、すぐに二階に戻ってしまいます。
非情です。これにも驚きましたが、これは夫の(小津監督自身の)戦争体験と関係があると思えば、重要なシーンだと思えます。

壁につかまりながら妻は自力で上りだします。この時、階段横の箒とはたきは定位置です。画面の両端が少し黒ずんで、痛々しい足どりの妻の姿が印象的です。映像と音声のノイズとともにかすかに重苦しい静かな音楽も聞こえています。その間が・・・。

それでも2階にいる夫に妻は、あなたにこんな思いまでさせてしまって、私が悪いのです、私はどんなことでもがまんします、存分にあなたの好きなようにして下さい、と痛い足で正座して謝ります。どこまでもけなげですが、どこかきっぱりとした強い意思の感じられる口調です。「あなたは泣いちゃいや、あなたが泣いちゃいやです」と訴えます。何も言えない夫が情けなくも見えてしまうのですが夫も苦しんでいるのです。やはり背後にリアルな「戦争」あるようにみえますが・・・。このあとも夫婦の会話は続きます。
(ところでタイトル『風の中の牝雞』はどういう意味でしょうか。調べてもよくわかりません)

夫の佐野周二がその後の映画の印象とは一味違い、今風の風貌で生き生きした表情をしています。
前かけをみだした田中絹代も前半の地味な母親とは別人のような。熱演です。

=======このような事例は現実に多々あったと想像できますが判例もあるようです。
以下は野暮ですが、
民法(裁判上の離婚)
第770条

第一項 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

第二項 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。


wiki 不貞行為(ふていこうい)とは、配偶者としての貞操義務違反行為(自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)を意味する、民法第770条に離婚事由として規定されている法律用語である。

民法(協議上の離婚)
第763条
夫婦は、その協議で、離婚をすることができる

風の中の牝雞
A Hen in the Wind
監督 小津安二郎
脚本 斎藤良輔
小津安二郎
製作 久保光三

出演者 田中絹代
佐野周二
村田知英子
笠智衆
坂本武 ほか

音楽 伊藤宣二
撮影 厚田雄春
編集 浜村義康
配給 松竹
公開  1948年9月17日
上映時間 83分

配役
佐野周二:雨宮修一
田中絹代:時子
村田知英子:井田秋子
笠智衆:佐竹和一郎
坂本武:酒井彦三


映画『お茶漬の味』1952年 小津安二郎監督 

2021年12月26日 | 映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
お茶漬の味

『麦秋』に続いて小津安二郎と野田高梧が共同で脚本を執筆し映画化した作品。地方出身の素朴な夫と夫にうんざりする上流階級出身の妻、二人のすれ違いと和解が描かれる。

田舎育ちの夫と東京の上流階級出身の夫。
価値観の違いによる軋轢、すれ違い。
生まれや育ち、見合い、恋愛、価値観の違いを乗り越え、"お茶漬の味”こそ夫婦味だ、と教訓話的に見てしまうと味も素っ気もなくなってしまう。
正直その先にあるこの映画の良さにはまだ気づいていない。
鶏飯の味のようなものがあるのかもしれない。

それら、互いの性格や価値観の違いは取るに足らないものだよ、と言っているのだろうか。

関連記事このブログ

映画『秋刀魚の味」』 監督: 小津安二郎
2011年10月26日 | 映画

『お茶漬けの味』

監督 小津安二郎
脚本 野田高梧 小津安二郎
製作 山本武

出演者 佐分利信
木暮実千代
鶴田浩二
淡島千景
津島恵子
音楽 斎藤一郎
撮影 厚田雄春
製作会社 松竹大船撮影所
配給 松竹
公開 1952年10月1日
上映時間 115分

配給収入 1億992万円

 

 


『愛妻物語』1951年 監督:新藤兼人 乙羽信子  宇野重吉

2021年12月25日 | 映画

wikipedia『愛妻物語』(あいさいものがたり)は、1951年(昭和26年)9月7日公開の日本映画である。大映製作・配給。監督は新藤兼人。モノクロ、スタンダード、97分。

新藤兼人の監督デビュー作で、自らの下積み時代を描いた自伝的作品である。大河内傳次郎がカメオ出演している。

石川孝子:乙羽信子が若くて美しい。いままでの印象と違い山の手風の美人で、新藤兼人監督の奥さんでもあったということで監督の自伝であるとともに乙羽信子自伝でもあるのかと。昭和の巨匠たちの作品と違って新しい時代を感じる。

”愛妻物語”を検索すると”喜劇愛妻物語”2020年公開 監督・脚本は足立紳。自身の自伝的小説)が多数ヒットする。予告編を見てみたが関連はなさそうだ)

関連記事 このブログ
映画 『裸の島 』 新藤兼人 (監督) 1960年
2011年06月07日 | 映画

ーーー

スタッフ
監督・脚本:新藤兼人(近代映画協会)
撮影:竹村康和
録音:中村敏夫
美術:水谷浩
音楽:木下忠司
照明:岡本健一
編集:西田重雄
特殊撮影:松村禎一
助監督:天野信
撮影助手:田中省三
美術助手:内藤照
照明助手:辻井義男
キャスト
石川孝子:乙羽信子
沼崎敬太:宇野重吉(民芸)
大河内傳次郎(賛助出演)
所長:菅井一郎(第一協団)
坂口監督:滝沢修(民芸)
石川浩造:香川良介
石川弓江:英百合子
増田:清水将夫(民芸)
安さん:殿山泰司(近代映画協会)
製作部長:原聖四郎
内儀さん:大美輝子
玉置一恵
羽田修
旗孝思
玉村俊太郎
小林叶江
三星富美子


映画『遊さま』1951年 溝口健二監督 原作:谷崎潤一郎

2021年12月25日 | 映画

wikipedia 遊さま(おゆうさま)は、1951年に公開された日本映画。配給は大映。95分、モノクロ。
原作は1932年の谷崎潤一郎の小説『芦刈』


見合い相手のがが付き添いの姉の陰になる出だしのカメラワークで話題。男(堀雄二)は見合いの当日、見合い相手の妹(乙羽信子)ではなく、付き添いの姉(田中絹代)に一目ぼれしてしまう。溝口健二と谷崎潤一郎は最強のコンビ、設定もいいと気合を入れてみたが、成り行きも谷崎潤一郎らしさが感じられなかった。やはり文章のほうが味わい深いのか。

私も、お遊さま:”田中絹代”には気づいたが妹のお静:”乙羽信子”には気づかずじまい。

ただ乙羽信子の美人度は、もう次世代をかんじさせます。三人の三角関係が、もはや理解しにくいというレビューが多い。

 


『ある男』 単行本 – 2018/9/28

2021年12月23日 | 本と雑誌

『ある男』 単行本 – 2018/9/28
平野 啓一郎  (著)
5つ星のうち4.2    548個の評価

wikipedoa
『ある男』は、平野啓一郎による日本の長編小説。『文學界』2018年6月号に掲載されたのち、2018年9月30日に刊行された。第70回読売文学賞受賞。
映画は2022年に公開予定。監督は石川慶、主演は妻夫木聡。

【映画『ある男』公開決定!】原作者・平野啓一郎のコメントムービー
2,363 回視聴2021/08/31 https://youtu.be/ZAy01dydzJQ

本屋大賞ノミネート作品と知り手にとって見た。
一ページを読んだだけで面白そうだった。

しかし小間切れ時間を使って読んだので、サスペンスや、ミステリーの面白そうな部分はそぎ落とされた感じ。
登場人物はそれほど多くはないが、戸籍交換の話がストーリを複雑にしていて、集中できなかった。ある程度一気読みしたほうがよかった。
面白いといっても深淵な哲学的テーマが潜んでいそうで一度読んだだけではあれですが。
人間(自分)とは何か、過去とは何か、自由意志はあるのか?などそうした部分が金鉱脈のようにところどころちりばめられて行間や章間からもにじみ出ている感じ。

戸籍交換の話は、よくあるドラマなどのテーマ、
記憶喪失や、赤ちゃん取り違えや、氏と育ち(遺伝か環境か)、
、はたまた変身願望、それに認知症(人格崩壊)などにも通じる話ではなかろうか。
あと自分を卒業するという意味で出家とかも。もっと飛躍すると輪廻転生とか。などなど、その他の終わりなき論争にも。

堂々巡りの思考のすえ、それやはり”本当の自分とは?”に行きつきそうだったが、
一度読んでみただけではやはりあれだった。

他人と戸籍交換までして過去を清算して、よしんば幸せを手に入れ残りの人生を全うし得たとしても
果たしてそうまでしなくてもよかったのではないか?

うまく言えないのだが、それも簡単に言えば自分や他人に対するレッテルの張替えではないのか?昨今の安易なレッテル張りの風潮、ひいてはポジショントークなどの横行への違和感にも通じそうであった。

 

いちど読んだだけであれですが、
著者のとなえる「分人主義=人間を『個人』という『分けられない』一つの単位としてではなく複数の人格-『分人』-の集合体と捉える考え方」を知った上でもう一度読むと面白みもぐっと増しそうだ。

平野 啓一郎 自由のこれから (ベスト新書)

↑ まだ目次だ読了ですが、この本にも「分人主義」とりあげられていそう。

ーーー関連記事このブログ

映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(2020年3月20日公開)108分
2021年11月08日 | 映画

ーーー

NHK 100分 de 名著 三島由紀夫『金閣寺』 2021年5月 (NHK100分de名著) ムック – 2021/4/23
2021年06月07日 | 本と雑誌


映画『祇園囃子』1953年 溝口健二監督

2021年12月23日 | 映画

wiki 『祇園囃子』(ぎおんばやし)は、1953年に公開された溝口健二監督の日本映画作品。川口松太郎の小説が原作である


祇園とは、囃子とは、祇園囃子とは、舞妓とは、検索すると知らないことが多すぎて驚いた。

若尾文子:栄子(舞妓・美代栄)
木暮実千代:美代春(芸妓)
浪花千栄子:お君(お茶屋の女将)

妹、姉、お母さんと呼び合う(血縁はない)👆この3人の演技がそれぞれの持ち味で光っている。
若い(舞妓・美代栄)は劇中、基本的人権、自由、憲法違反などというセリフを言う。
”私がアプレゲールなら、お姉さんはアバンゲールやわ”ともういう。
アプレゲール(仏: après-guerre )とは「戦後派」を意味し、アバンゲールavant-guerreは 「戦前」の意) 

三人はそれぞれ戦後、戦中、戦前の価値観で生きていると言ってもよいのだろう。

そのぶつかり合いと折り合いが映画の見どころの一つであろう。姉はお母さんに妹は姉に諭され、わきまえていくのだった。

溝口監督映像の幽玄美は風景だけではなかった。室内での人物の所作、配置などでもふんだんに感じられる。
配役もはまっていて、ストリーの社会性も令和の現在にストレートにつながっていて展開はスマート。
黒沢や小津、成瀬作品とは一味違う新鮮さを感じる。

wiki 映画『祇園囃子』
監督 溝口健二
脚本 依田義賢
出演者 木暮実千代
若尾文子
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
配給 大映
公開    1953年8月12日
上映時間 85分


受賞
1953年 (第4回)ブルーリボン賞
助演男優賞(進藤英太郎)
助演女優賞(浪花千栄子)
1953年 (第27回)キネマ旬報ベストテン第9位

キャスト

木暮実千代(左)と若尾文子(右)
木暮実千代:美代春(芸妓)
若尾文子:栄子(舞妓・美代栄)
進藤英太郎:沢本(栄子の父)