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娘から電話があったのは、その連休少し前の事だった。
いつもあちこち出かけているので、確認の電話であった。
「ううん、何処にも行けへんで。」
「そしたら、お母さんとこで新年会するわ。何にも用意せんで良いから、待っといてよ。」
大晦日にこちらに来てくれたので、今度はお盆かなぁと思っていたのが、思いがけなくまた賑やかな連休になることが先ず嬉しかった。
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冬型の気圧配置で、風の森峠に雪が積もらないかと、早朝に眼が覚めて外を見ると、雪雲が奥吉野の山に沿ってポコポコ連なっているが、雪は積もっていない。
あぁ良かった、これで安心してあの子達が来るのを待てる。
途中でお昼ご飯を済ませてからこちらに着いた。
早めに日帰り温泉に行ってから、すぐに皆で買い物に出かける。
「お母さんは、行かなくて良いからまかしといて」
何から何まで、皆買い物をしてきて、夕食はおもたせの新年会。
美味しく楽しい新年会のおよばれの中で、幸せを実感する。
ありがたい限りであった。
後は夜遅くまで麻雀で遊ぶのを見ながら、私も仲間に入れてもらったが、皆にはかなわない。
自分の手を揃えるのに精一杯で、人の捨てるのを見るゆとりもない。
「おばあちゃんは今、準備運動中やなぁ」とか「いや、リハビリ中や」などからかわれながらも、久しぶりの麻雀も楽しい、いい新年会をしてもらった。
翌日はちゃんと、お墓参りをして、お正月花を、月命日のお参りの花に取り替えて義父母や、夫に皆で挨拶を済ませた。
きっと亡き人たちも一緒に「良かったね」と言ってくれているように思う。
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