中将姫伝説の寺として、曼荼羅の糸をこの寺の井戸で蓮を荒い五色に染めた、ということから、石光寺を「染寺」ともいう。
その染寺の石標のあるのが南門である。
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そんな菰囲いを石光寺の一部の中に捉えてみた。
そんな私にかなり高齢の女性から、声がかかった。
「雪の日にここに来たのですよ。それは、それは、牡丹が可憐でしたよ。」
「今日は、ここに来る野道でフキノトウを撮ってきましてね。」
春を待ちながら、大和の自然を楽しんでいるその人を見習いたいと思うと共に、雪の綿帽子を被った菰の中に咲く寒牡丹を、まぶたに描いていた。