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チャイムを押して玄関の開くのを待った。
引き戸が開くとすぐ目の飛び込んできたのは、立派な5月人形の武者飾りだった。玄関のフロアーを半分占めるような壇飾りである。
最近このような立派な武者飾りを見ることは殆どなかった。
「立派やなぁ。すごいなぁ。」
挨拶もそっちのけで先ず人形を話題にした。
長男の方のお孫さんが生まれたとき、お嫁さんの実家から初節句のお祝いに贈ってもらったそうである。
その後、転勤で東京のマンション住まいとなったので、飾るとなると一部屋を占めてしまうので、結局、東京から生家に引き取って、端午の節句近くになるとこのように飾って、写メールで送っているという、じいちゃん、ばあちゃんである。
お嫁さんも、お嫁さんの実家のご両親も、このように大切に端午の節句に、お祭りして貰う心配りがどんな嬉しいことだろう。
一番嬉しいのは、健やかに成長して10歳になったお孫さんだろう。
さて、テッセンであるが、裏庭で今を盛りに綺麗に咲いていた。
お嫁に行った娘さんのうちのベランダで、花の時期が過ぎて、枯れかけていたのを、花好きのお母さんが、家に持って帰って世話をしていると、こんなに花を沢山つけたとのことだった。
この日、友人の家を訪ねて、家族愛と、命の繋がりの貴重なものを、カメラと、心に貰って帰った。