それだけで終わって、雷も夕立もなかった。
一昨日の雷は物凄かった。
地響きを立てて暴れまわるような雷が長く続いた。
日没ごろになってやっと雷が遠のき小雨になった。
西の空が真っ赤に染まっていたが、太陽はすでに西の山に落ちていた。
< 蝶と夕焼け雲> | |||||||||
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ひらひらと蝶が飛んできた。
あの叩きつけるような雨の時にどこにいたのだろう。
今は、羽を休める場所を探しているようだ。
蝶の休憩を邪魔しないようにそっと裏の野道へ出た。
西に沈んだ太陽であるが、高い位置にある雲は残照に染められて、西以外の空に赤く染まって浮かんでいる。
先ほどの雨の時異常に黒かった空だけに、この薄いピンクの雲が、地上に優しいメッセージを送ってくれているようだ。