< ラッピング列車 万葉の四季> | |||||||||||
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列車の到着まで20分ほどあったので、車を置いて待合室に入っていった。
そこから一番線を見ると、ラッピング列車が停車しているのが目に入った。
昨年お披露目の日に見た「旅万葉」のとまた違っている。
駅の人に言って中に入れてもらった。
傍に行って見ると、「万葉の四季」をデザインした列車で、四季の移ろいをを電車の長さを生かして春→夏→秋→冬と表現している。
季節の花と、季節の万葉歌が描いてある。
春 梅 「春されば まづ咲く宿の梅の花 独り見つつや 春日暮さむ」 山上憶良
春になったら先ず咲く我が家の梅の花を、どうして独り見て過ごすことなどできましょうか。さあ、一緒に見ましょう。
夏 百合 「春過ぎて夏来たるらし白栲の衣乾したり天の香具山」 持統天皇
春も おわり夏がやって来たらしい。真っ白な衣が干されている、あの天の香具山に
秋 もみじ 「秋山の黄葉を茂み迷いぬる 妹を求めむ山道知らずも」 柿本人麻呂
秋の山の黄葉があまりに茂っているので、迷い入ってしまわれた恋しい妻を探し求めるに、山道がわからない。(亡くなった妻を思って詠った)
冬 雪 「降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに」 穂積皇子
降る雪よ、そんなに多く降らないでくれ、吉隠の猪養の岡に眠っているあの人が凍えるほど寒いだろうから(亡くなった恋人を思って詠った)
私が見たのは、これで2種類目だがまだほかに「万葉ラッピング列車」のデザインがあるようだ。
詳しくはこちらへ。いずれにしても、これらのラッピング列車は公募による作品を、何らかの観点で決定し採用されたものであることを知った。
作品に取り組んだ人たちは、古代をイメージし、万葉歌の雰囲気を電車という動体に描くためのいろんな努力をしているものなのだろう。