カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

宮本光夫さんの「遍路歩記」展を観て

2010年09月16日 | ★ 日々の呟き


9月13日から22日まで、朝日新聞大阪本社1階の、アサコムホールで、開催されている遍路歩記展に行ってきた。


画像は帰りに頂いてきたパンフレットをスキャンした。


この遍路歩記展の開催の記事が、冬青(そよご)風で紹介された時、卓上カレンダーに開催日を線で記入した。
行事予定の入っていない日を選べるようにしていたのだ。

ブログでは何度か書いているが、私の四国遍路は、お寺さんのマイクロバスによる、点から点への八十八所と二十の番外のお寺へのお参りだった。
夫がまだ元気だった頃、退職したら四国参りをしようと、二人のお遍路を将来に描いていて果たすことなく旅立ってしまった夫の願いを、託してのお遍路だった。

点から点へのお参りではあったが、その間得ることのできた同行の人たちの、優しい思いやりや、先達さんの心遣いは深く心に残っている。

それだからこそ点と点を結ぶ線の上での、修行の歩きの中で描かれた、「遍路歩記展」を是非観たかった。


< へんろ展>
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会場では遍路道の順路案内に沿って、写真とそこに添えられた日記を、なにひとつ見逃すまいと丹念にゆっくり読み進めた。
四国の海や山の自然の美しい画像、厳しい山道、暗いトンネル、人里のほっとする風景、激しく降る雪の道。
発心の道場から涅槃の道場までの、足と目で捉えられた画像を貫いている、作者・宮本さんの「なぜ ここに この写真が・・・」を解き明かす感動的な温かさと優しさ、四国の人のお接待の心が、画像に添えられた文から読み取るたび、幾度となく素直になっていく自分を発見し、感動の涙が頬を伝う。

「四国で迷子になろう。」の写真に書かれた宮本さんの言葉。
四国八十八所遍路道を歩く。ただひたすら歩くだけで信じられないことが、不思議なことが起きる。願い事が叶うとか、病気が治る、そんなんじゃない。歩くことで沸き起こる物語に、自分が映るのです。



ほとんど午前中の時間を、心温まる時空に自分を置いて過ごした会場から出ると、やっと秋らしくなった大阪の空が、とてつもなく大きな感動と繋がっているような気がした。



コメント (17)
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