唐招提寺夜の開門までの間、時間があったので、近くを散策した。
お寺の瓦土塀は私の好きな風景でこのような塀に沿って歩くと、心は現在を離れていくような気がする。
この塀の向こうに、故森本長老のお墓があるとのことで、行ってみたがどこかで間違えたらしく辿り着けなかった。
通りすがりの民家の庭から、はみ出すように秋の草花が乱れ咲く秋の装いが趣深い。
畦刈りを済ませてすっきりした野道から、若草山の緑の三段が右前方によく見える。
「歴史の道」「垂仁天皇陵 唐招提寺」などの標識がある。
垂仁天皇の御陵
手入れの行き届いた松並木が御陵へと続く。
水濠に囲まれた墳丘が美しい前方後円墳。
垂仁天皇は、十一代の天皇で、十代天皇は山辺の道に、大きな御陵のある 崇神天皇である。
御陵のお濠では、鵜が何匹か泳いでいたが、飛び上がると古墳の木の枝の端に留まっている。
カラスかと思ったが、カラスは水の中を泳がないので、勝手に鵜だと判断した。
この日橿原で寄り道をして、遅い昼食をしたが、レストランから出たら、駐車場に水溜りができていた。
食事中には気がつかなかったが、通り雨のようだった。
とにかく満月がかくれてしまいませんようにと、ずっと空模様が気にかかっていたので、この垂仁天皇稜でも、青空が少しずつ広がってきたのが嬉しかった。
雲3段から太陽の光が下に漏れ、天子の梯子を作り出したので、夜のお月見のできることを確信しながら、唐招提寺へ戻った。