暑い夏こそ頑張るように咲いて見える百日紅の大木を、見ることのできる石光寺へ 朝のうちに行ってきました。
近くではこの町の山手の大沢寺の百日紅は古木で見事なのですが、そこへ行くまでの道路が、私の下手な運転で大丈夫なのか、少し心配でしたので、行き慣れた石光寺まで行くことに決めました。私の場合距離の長短よりも、道幅優先にしています。
60歳代の時は全くそのようなことは考えなかったのですが、年齢を重ねるということは憶病になってくるものです。
「散れば咲き
散れば咲きして 百日紅」
加賀千代女
「炎天の
地上花あり 百日紅」
高浜虚子
青空に百日紅の赤い花がよく似合います。家を出るときはもっと愛空が広い面積を占めていたのですが、山の方から雲が流れてきているようです。
午後から夕立があるかもしれません。夕立はいいのですが、雷が鳴るかもしれないのでまっぴらごめんです。
山門の上の方に伸びた枝の花が、夏のお参りの人を優しく迎えてくれます。百日紅の赤い色は、優しさだけでな苦木蔭の涼しさを提供してくれてほっとしますし、この花も夏特有の花の持つ活力を見る人に与えてくれます。
百日紅の木の陰になって、目を凝らしてよく見ないと見えにくいのですが、境内からせり出した太い幹が詠の上で三つまたに分かれて、まるで何本もの百日紅の木があるように大きく伸びています。境内の中に入ると一本の木だったように思います(多分)
石光寺の山門を出ますと生駒山がなだらかな稜線を見せています。遮る高い建物の無い里の風景です。
柔らかそうな稲穂がそろそろ顔を出しています。田植えがついこの間済んだと思っていたらもう稲穂が出るまでに育っているのです。
その稲田の上を風が吹くとそれに靡いて風の足跡がさっと動きます。長閑な当麻の里染井の真夏の朝の風が百日紅の木の枝を少し揺すっていきます。
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