夏の初めごろ、今年はもう朝顔の種まきはしないのかと、思っていた。
近くの家の朝顔が咲き始めた頃、気まぐれか、計画的か、ともかくいくつも並んだプランタに、せっせと種まきをしていた。
膝を悪くしてからは、花の手入れには一切手を出さないと決めていたので、黙って見守っているだけだった。
ことさら暑かったこの夏だけど、朝夕の水遣りは毎日欠かさずにしていたので、朝顔もさぞその水が嬉しかったに違いない。
近くの家の塀にびっしりと蔓を伸ばした琉球朝顔は、今とても元気がけれど、日本朝顔は最近葉を黄色くして元気がなくなっている。
しかし
ぐっと遅蒔きだった息子の朝顔は1輪咲き始めてからは、毎朝数輪の花を咲かせている。
私の部屋の北側の窓の下に植えているのが、どんどん蔓を伸ばして軒下まで届いている。
北側だから大体昼過ぎでもまだ花は萎まないで「朝・昼顔」だと言わんばかりに窓の外の風に吹かれている。
私の朝の楽しみは、起きてすぐに北側の窓を開けて、外の空気を部屋に取り込む時、
この朝顔たちに「おはよう」の挨拶をすることだ。花を見ていると、
その元気さが伝わってきて、「さぁ・今日も元気に過ごさなきゃ!」と思う。
ここから下の画像は、部屋の中からの朝顔で、朝1番に窓を開けると、網戸を通してこんな風に朝顔の後ろ姿と接することになる。
網戸越しに、今朝はどんな色の花が咲いているかしらと、眺めるのも楽しい。
元気なのは花ばかりでなく、葉もみんなシャキッとしていて威勢が良い。
上の方の葉が黄色味を帯びてくると、そろそろ花の時期は終わりだと思うのだが、今のところ元気だ。
私はそんな元気をもらって1日が始まる。
昨夜、洗濯物を干していてふと気が付いたのだが、コオロギが美しい声で鳴き始めている。ほかの秋の虫が一斉に鳴く頃には、コオロギの独唱も消されてしまうのだが、今はコオロギの独り舞台のようで、どんなに暑い日が来ようとも、自然界はすでに秋の気配を届けてくれているのだ。