カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

2011 晩夏 明日香稲淵の棚田

2011年08月25日 | ☆ ふるさと・大和

シオカラトンボがゆっくりと羽根を休めている。
近づいても、慌てて飛び立とうともしない。

最近私の家の近くでは、シオカラトンボをほとんど見なくなった。
上野運動公園へ行くと、オハグロトンボが飛んでいるが、このトンボも、家の近くでは見ない。



案山子ロードの道端の稲は、シャキット葉を伸ばし元気に育っている。
稲の種類が晩生なのか、どの田圃にもまだ花穂は見られない。





ジャンボ案山子を見た後、緩やかな坂を登って、「朝風」広場まで行ってみた。
この辺りの斜面には、彼岸花の咲く頃になると、赤い花に混じって、白やクリーム色の彼岸花の見られる場所であって、この広場で休憩したり、お弁当を広げたりして賑わうのだが、今は晩夏の風が通り過ぎるばかりである。






「朝風」広場から眺める棚田風景の一番好きな所である。
緑の濃淡の棚田だけれど、もう1ヶ月もすれば、畦を彩る彼岸花と、黄色く実った稲穂のコントラストが棚田風景を美しくする。
またその頃までに畦刈りをしてくれるので、一段1段の田が幾何学的な模様を見せる場所もある。



28日の日曜日には、案山子ロードに「絆」をテーマにした案山子が並ぶので、静かな稲淵の棚田風景は、この晩夏の画像で切となりそうである。

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花など見ながら甘南備の里

2011年08月24日 | ☆ ふるさと・大和





秋の七草の一つ葛の葉と蔓がどんどん伸びて掴まるものがなくなると、空中ブランコをしているようである。
花はまだ何処にも咲いていなかったが、山側の土手から伸びて青い空をバックにした成長振りが物凄い。
1年に長いものであると10m延びるそうで、その生命力には驚く。
根が薬として使われ、くず粉の原料であるのは、この生命力に見えるようだ。

「ま葛原 なびく秋風 吹くごとに
阿太(あた)の大野の 萩が花散る」
万葉集 作者不詳
古く古代でも葛を詠んだ万葉の歌があるが、上の詠にある、「阿太の大野」は現在の五條市の地で詠まれた歌である。





この花を見ると、なんと可哀想な名前をつけてもらったのかと哀れに思う。
つる性で、葛よりも細い植物にびっしりり蔓を巻きつけて成長する。
花が咲いて初めて、「へクソカズラ」の花であることが分かる。


すごい名前だが、枝や葉をもむと悪臭があるから 、この名前になったらしい。
別名は、馬食わず(うまくわず)」 、悪臭があるために 、 馬が食べないところから。

しかしこの花も万葉集に詠まれている、今の人は見向きもしない花であるけれど、古代には身の回りの花にも常に目を向けていたようである。


・「かはらふぢに 延(は)ひおほとれる
屎葛(くそかづら)
絶ゆることなく 宮仕へせむ」
万葉集 高宮王(たかみやのおおきみ)



     

稲淵の勧請橋に降りてくると、飛鳥川の土手から、白とピンクのムクゲの花がぱっと目に入る。
ムクゲは朝に咲いて夕方には萎んでしまう一日花であるが、蕾が多く次々に咲くので、全体的に見ると一日花と思われずっと咲き続けているような花だ。

この花は馬にも好まれたらしい。

道のべの 木槿は馬に 食はれけり」
松尾芭蕉(野ざらし紀行)

「それがしも 其(そ)の日暮らしぞ
花木槿」 小林一茶
一日花のムクゲに一茶の生き方を重ねているのが、いかにも一茶らしいと微笑ましい。
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 明日香 2011年 棚田のジャンボ案山子

2011年08月23日 | ☆ ふるさと・大和

暑さが和らぐのを待ちかねて、明日香・稲淵の棚田を訪れた。
先日今年のジンャボ案山子が棚田に立てられたことを知って以来、早く行きたいと思いながら、お盆の多忙とその前後の暑さに、炎天下を歩く勇気がなく、今日になってしまった。



今年のジャンボ案山子は「聖観音立像」である。



聖観音様には二つの意味が込められて作られている。
一つは稲渕の棚田の豊作を見守る。
もう一つは3月11日の東日本大震災で被災された方への慰霊と、一刻も早い復興への願いが込められている。
このような思いをこめて今年のジャンボ案山子は稲淵の棚田から、東日本へのメッセージを発信している。

 明日香稲渕ジャンボ案山子2011「聖観音立像」を立てる時‏ - YouTube で見ることができる。

観音様は天衣や、裳を身に纏って、いらっしゃるのも、明日香の地らしい感じがする。



棚田の中の聖観音様は、やはり蓮華座の上に立っていらっしゃる。
蓮の花は泥沼に育っても、清らかな花を咲かせる。
その清らかさの教えが、蓮華座に象徴されている。



晩夏の稲淵の棚田の稲は、まだ穂も出ていない。
これから彼岸花の咲く頃までに、順調に育っていくことだろう。
今はシンボルのジャンボ案山子の観音様だけだが、8月28日の日曜日には、案山子ロードに、コンテストの工夫を凝らした多くの案山子が並ぶ。

今年のテーマは「絆」である。
どんな「絆」が稲淵の棚田を飾るのか楽しみである。
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ほのぼのとした壁画 ライブペインティング

2011年08月22日 | ☆ ふるさと・大和

退職者の支部活動の一つに歌の会がある。
ジャンルを問わないで楽しく歌う。
大体月1回、歌いたい人が集まって2時間ばかり楽しい時間を過ごす。
一応歌詞カードや譜面は世話をしてくれる係りの人が準備してくれる。
難しいことを言うのでなくとにかく楽しく歌うこと、おしゃべりをすることが、人と接するいい機会でもある。



会場は霊安寺町にある老人憩いの家で、高齢者の福祉施設の一つで、大広間にはカラオケの設備があり、新しい歌を教えてもらった後は、自分の好きな歌をリクエストしてカラオケに、ノリノリで、歌うのが楽しい。
廊下にはこのような壁画がある。



歌の始まるまでに、この廊下を歩いていくだけで、ほのぼのとした温かく優しい雰囲気に浸ることができる。
ここまでは大壁画で、じいさんばあさん子供たち、画家の先生の合作であるのが、次の説明板にある。



音楽を聴きながら、喜々として描く人たちの様子が目に浮かんでくるし、絵画の中から聴こえてくるように思える素晴らしい壁画である。



指導者の門秀彦先生の作品に添えて下に、この町とのご縁の説明がある。



このライブペインティングに参加した人たちも楽しかっただろうし、こうした形でこの町に残してくださった作品で、老人憩いの家を利用する人の心の中にも優しさと温かさを与えてくれる事は素晴らしいことだ。
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今年も時間を編んで 80歳のどなたかへ

2011年08月21日 | ★ 日々の呟き

退公連(退職公務員連盟)の「寿マット」を一枚編むような依頼を受けていたのは、かなり前だった。
材料も預かっていたのに、家の事情が多忙だったので、ついつい先に伸ばしてきてしまった。
この町で退職した公務員の方が80歳になった敬老の日の頃に、指編みの「寿マット」を贈るのが、例年の習いになっている。
はじめは材料が潤沢だったし、編む人も若かったので年に何枚も編んでおくことができた。
10年も経つうちにいろんな事情が変わり、寿にあった材料の色合いがなかなか揃わなくなってきている。
私が持ち帰っていた色も、白の地色にピンクの文字は、はっきりしない。
縁取りの色は黒く見えるが、紫色である。

お盆が終わったら仕上げるようにしますと、返事をしてあったので、早速編み上げた。
今年八十歳になる人は10何人かと聞いていたので、そのうちの一人の方のもとに届けられる。




この機会に材料籠の底にに残っていた、さまざまな色の材料をごちゃ混ぜにしてお風呂の足拭きマットを編んだ。
ちゃんとした模様を考えたりデザインしたりするには、残り糸ばかりなので、なんと妙な作品になってしまった。
それでもしっかりした厚みがあるので、お風呂のマットには目的を果たしてくれそうである。



残り物材料のマットの後に、今朝咲いた朝顔でお口直しではなくお目直しを~~~。



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