Remembrance 2006/09/06-2020/06/08  2020/07/01-

   ある日のできごと、心の呟き、よしなしごとetc

東大寺二月堂(お松明)

2007年03月04日 | 旅(奈良)
3月4日は、奈良東大寺のお水取りを観に行った。
お松明を観るのは、息子が小さかった時以来だから、十年振りくらいだろうか。
松明を持って走る童子の姿を間近に観たかったので、今回は二月堂に上ってお松明を待つことにした。

早めに二月堂に着き、「やはり私はこの景色が好きだなぁ…」と思いながら、西の方をぼんやりと眺め、静かに生駒山に沈んでいく夕日をずっと見ていた。至福の時間だった。

時間が経つにつれて、下にはどんどん人が詰め掛けているが、二月堂の上はそれほどの人数ではない。「お水取りの松明が好きで、今年も今日が3回目(ということはほぼ毎日のペース)」という大阪の人とお喋りをしながら、時の流れるのを待った。

19時の鐘の音とともに、1本目の長い竹を担いだ童子が回廊を上がってきた。松明は勢いよく燃えている。
北西の角で松明を突き出してぐるぐる回し、火の子を下に振り撒く。
そして6mの竹を肩に担いで南に向かってだ~っと走る。南西の角で松明を突き出し、2本目の松明が北西の角に来るのを待つ。
北西の角で松明を持つ童子と合図をして、2本の松明が同時に勢いよく回され、下からは大きな歓声が聞こえる。
観光客も喜んでいるが、松明を振り回す童子も大いに楽しんでいる風に見えた。

10本の松明が上がり終えるのにそれほど時間はかからない。20分くらいですべてが終わり、二月堂には再び灯篭の明かりだけの静寂が戻ってきた。

夜8時前、大仏殿に向かって歩いて帰るとき、二月堂の方を見返ると、そこにはきれいな満月。よい夜だった。

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