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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

関東甲信・東海地方で梅雨明けいずれも平年より1日早く

2024-07-18 13:28:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20240718k0000m040047000c?fm=d梅雨明け宣言──つまり夏のはじまり。ビショビショとした氣候の次は、官も認めた殺人的炎暑のはじまり。「これまでに經験したことのない」云々を、何度も聞かされることになるであらう日々が、今日から始ま . . . 本文を読む
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時空除暑。

2024-07-17 21:16:00 | 浮世見聞記
昼過ぎに降り出した雨は夕方には止んで、再び雲が切れたを幸い、今日こそ散歩に出る。その道沿ひの藤が、二度咲きしてゐるのを見つけて、足をとめる。蒸し暑くさへなければ、時間が戻ったかと錯覺したらうか。……戻らなくてよい。それよりも、このイヤな氣候がゐなくなるやうに、時間を早めておくれ。少しだけ。 . . . 本文を読む
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盤渉を凌ぎ味はふ三つの味。

2024-07-16 21:44:00 | 浮世見聞記
昼から雨は本降りとなり、散歩に出ることも叶はず。雨とその音にはなんら風情を感じぬ我なれば、せめてあの音くらゐは消さんと、かなり久しぶりに三味線を引っ張り出して、しばし時刻(とき)を忘るる。大昔に、誰かがおのれを棚に上げて「ヘタの橫好き」などと評したままの技量(うで)なれど、今では好きでやってゐることゆゑ、誰憚ることもありゃしねェ。かつて人に頼んで手に入れた、いまは亡き人間國寶自筆の譜が、そのまま私 . . . 本文を読む
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未来疾走ノ失踪。

2024-07-15 18:14:00 | 浮世見聞記
ショッピングモール内で、’83の日産スカイラインに逢ふ。昭和に生まれ、昭和で物心ついた世代には、いとなつかしし。なにかと失速してゐるいまの浮世に、元氣に加速してゐた時代の名殘りに逢ふことで、こちらの氣持ちも原點回帰する。ただし。その加速した先にあるのが現在(いま)であることだけは、ゆめゆめ忘れるべからず。そして、昭和四十四年(1969年)に登場した、初代フェアレディZ。「歴史はここから始まった」と . . . 本文を読む
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太閤ノ地團駄……?

2024-07-14 17:18:00 | 浮世見聞記
歌舞伎座の前に立てられた、今月の芝居らしき繪看板を見て、おや、と足を停める。赤いキモノに金色の烏帽子をのせた、三番叟に扮してゐるらしい役者の手にした扇の繪柄が、引っ掛かったのである。單純に見れば、能の修羅物で敗将の靈が用ゐる「負修羅扇」の繪柄と、似てゐる。これは“波に日の入り”とか云って、赤い日輪は波に沈む夕陽を表はしたものであり、三番叟のやうな祝ひモノには似つかはしくないのではない . . . 本文を読む
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傳承幾星霜。

2024-07-13 20:50:00 | 浮世見聞記
神奈川縣の相模原市立博物館で、民俗企画展「上溝番田の神代神楽」を觀る。江戸中期に九州から相州上溝郷番田に移住した斎宮氏を祖とし、以後十七代續いて令和四年(2022年)に「後繼者不足のため」解散した神代神樂「亀山社中」が寄贈した面や衣裳、(※展示室内フラッシュ無しで撮影可、以下同)道具類が數多展示された、なかなか興味深い内容。私は . . . 本文を読む
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夏は謎なお味。

2024-07-12 18:20:00 | 浮世見聞記
夏に向けて、自販機の缶飲料は各社で“新作”が出る。今回購入してみたのが、味は謎とするFANTA“ミステリーレトロ味”。いつであったか、誰かが買って飲んでゐるのを見て、いつの味を復刻したものかと、ちょっとだけ氣になってゐたものを、今回試してみる。……たしかに、この味はミステリー。それ以上に、人工甘味料ならではのウソくさい甘味がいつまでも口に殘って、いったい何を考へてこんな“新作”をと、 . . . 本文を読む
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ありのまま蒙想大陸。

2024-07-11 19:50:00 | 浮世見聞記
新宿住友ビル内の平和祈念展示資料館の企画展「遠き大陸への想い 『満蒙印画輯』に見る風景」を觀る。日本人の満州入植(移住)を國策としてゐた戰前の日本において、現地を取材した冩真や本(文書)は貴重な情報源であり、支那の大連に拠点をおく東亜印画協會が大正十三年(1924)年八月から會員向けに發行した冩真帳「満蒙印画輯」は、支那や満州、蒙古の日常風景をありのままに冩し取ったもので、複製厳禁であったにもかか . . . 本文を読む
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神秘的大衆美術。

2024-07-10 15:22:00 | 浮世見聞記
橫濱人形の家三階の常設コーナー展示で、「山本福松と平田郷陽──生人形・見世物からの系譜」を觀る。生人形(いきにんぎゃう)とは、幕末に流行った細工見世物を起源とする、文字通り生身の人間のやうな冩實味に富んだ人形のことで、胡粉を下地に色付けされた肌(表面)の表現に特徴がある。(※二代目平田郷陽・作「泣く児」 昭和十一年 展示室内撮影可)生人形の本格的な製作者としては、幕末に大坂の難波新地で生人形の見世 . . . 本文を読む
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悠久の旅繪図。

2024-07-09 16:30:00 | 浮世見聞記
神奈川縣立金澤文庫の企画展「江戸当世図上旅行」を觀る。關所や通行手形に象徴される如く、道中(旅)について法的にやかましかった江戸時代、庶民にとって旅は“抜け参り”などの手段をとる以外には容易なことではなく、(※當企画展に限り展示物の撮影可)細やかに綴られたその記録は、それ以上に生涯數少ない經験をした記念──“思ひ出”として殘しておきたいものでもあったらう。現代は旅先でもスマホひとつで . . . 本文を読む
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【安部元首相銃撃事件から2年】事件現場で一般献花始まる「慰霊碑」がある三笠霊苑でも受付

2024-07-08 12:03:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/ytv/nation/ytv-2024070804694932?fm=dあの事件からもう二年か……、と月並みながら月日を思ふ。“宗教家二世”だらうがなんだらうが、やうするに殺人犯以外の何物でもない男については、辯護團側と検察側との主張が噛み合はないなどから、公判が来年以降にずれ込む見込み云々。「犯行 . . . 本文を読む
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3回目の当選決めた小池百合子氏徹底して消した党派色都知事選

2024-07-07 23:10:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/politics/mainichi-20240707k0000m010112000c?fm=d二十時の投票締切とほぼ同時に、現職都知事の三選目當確の第一報が放たれたのにはオドロキましたが、今回は過去最多の五十六人も出馬して、そのほとんどが駄馬だったわけですから、初めから一人勝ちのわ . . . 本文を読む
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氷涼風聞。

2024-07-07 14:04:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送の觀世流「氷室」を聴く。丹波山中に貯蔵した天然氷を京(ミカド)に献上する有様を神秘的に見せる曲趣だが、後半の詞章を聞いてゐると、要するにミカドを禮賛した曲であり、とにかく權力者に「めでたい、めでたい」とおもねてゐるやうにも感じられる──もっとも氷を届けんとしてゐる「亀山院」には、すでに權力(チカラ)は無いのだが──。 さてさて、今年の夏も昨夏と同等、もしくはそれ以上の熱さと . . . 本文を読む
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秋の夏華。

2024-07-06 20:30:00 | 浮世見聞記
散歩の休憩中に、“水分補給”してゐてふと見た植栽に、繊細な細工物のやうな花を見つけて、ムラサキシキブの花と識る。秋頃に紫色の實を魅せるこの植物、花の姿に逢ったのはこれが初めて。古への謠曲作家ならば、どんな曲を創るか。私は觀世流謠曲の「源氏供養」と、ムラサキシキブの“實”のはうから着想を得て、現代手猿樂の曲をひとつ創った。 初演したきりなので、ぜひまた舞薹にのせたい。……が、蒸し暑い今の開花時期より . . . 本文を読む
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時間の風跡。

2024-07-05 23:30:00 | 浮世見聞記
國立能樂堂で、觀世流能樂師たちによる「創作能 鳴門の第九」を觀る。第一次世界大戰によって大日本帝國の捕虜となり、德島縣鳴門市の板東俘虜収容所に収容された独國兵たちだったが、(※板東俘虜収容所全景)所長の松江豊壽(まつえ とよひさ)大佐の國際條約に則った人道的配慮により最善の収容所生活を保障されたことで、やがて藝術やスポーツの文化が花開き、地元日本人たちとの交流にもつながっていく。(※松江豊壽大佐) . . . 本文を読む
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