孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

誘拐ビジネス

2007-05-27 11:52:30 | 世相
丘から見たボコタ
丘から見たボコタ posted by (C)ゆたろう

昨夜(深夜なので正確には今朝早くですが)、なにげにTVをつけるとメグ・ライアン主演の映画をやっていたので、ラブ・コメディか何かと思い観ていました。
実際は「プルーフ・オブ・ライフ」(似たタイトルの「プルーフ・オブ・マイライフ」とは別物)という2000年作製の映画で、南米某国を舞台にした誘拐・交渉・解放を軸にしたものでした。
これが結構楽しめました。(深夜放送なのでかなり編集されているでしょうが。)

メグ・ラインの夫が武装組織に誘拐され身代金を要求される。
ラッセル・クロウ演ずる“交渉人”が仲介に立つ。
二人の間の微妙な関係をひきずりながら、交渉は難航。
うまくいきかけたがトラブル発生。
最後の手段で、実力で人質奪還を目指す。
夫が戻ったとき二人の関係は・・・。

映画はそのような流れですが、身代金や交渉にかかる費用をカバーする「誘拐保険会社」、情報機関・軍やFBI出身で犯人側との交渉にあたるプロの“交渉人”といったものの存在も始めて知りました。
映画なのでもちろんフィクションですが、それなりに南米等の誘拐ビジネスの背景を描いているのではないかと推察されます。
数ヶ月に及ぶ交渉の過程、人質が監禁される山岳地帯の雰囲気も「ふーん、こんな感じなんだね・・・」。
奪還を目指す戦闘シーンも、ランボー的な世界ではなく緊張感が感じられるもの。

海外での日本人誘拐というと、古くは20年ほど前のフィリピンでの三井物産マニラ支店長だった若王子さんの事件を思い出します。
このときは4ヶ月以上の交渉で、1000万ドル(現在レートで約12億円)が支払われたそうです。
新しいところでは今年4月パラグアイで統一教会関係の太田さんの事件がありましたが、こちらは19日という短期間で解決したそうです。
このときの身代金は1600万円。
随分低い金額で解決したみたいですが、よほど凄腕の交渉人がいたのでしょうか。
それとも「これも神の意思です。どのような結果になっても本人はこれを受け入れるでしょう。お金は1円も払う考えはありません。」といった統一教会側の強気な対応でもあったのでしょうか?

家族・関係者の立場としては「(犯人要求に対し)いくらまでなら払えます?」と訊かれると困るものがあります。
愛情をお金で表現するようにせまられること、支払う金額によって人間性が問われるような感じ・・・いっそ強奪されたほうがスッキリするような。

やはり南米は恐いね・・・。(マヤ・インカ遺跡など見てみたいけど。まあ、当分は遠くて高いので行けませんが。)
フィリピンも犯罪行為が多いイメージがあってこれまで行っていないですが、実際のところどうなのでしょうか。
もちろん貧乏人の私など誘拐しても1000万ドルも払えないのですが、犯人側はそこまで調べていないこともあるでしょうから・・・。

現在も未解決のポルトガルでの英女児マデリンちゃん誘拐事件では、ベッカムが協力を呼びかけるなどしていますが、両親のもとには推定260万ポンド(約6億2000万円)の金銭を含め、支援の手が各方面から寄せられているとか。

私が誘拐されてもそんな支援はもちろんありませんが、そんなことより「何故そんな危険なところへ行った」「自己責任だ」等々の帰国後のバッシングが恐いですね。
多分解放されても日本にはもどれないかも。

写真はコロンビアのボコタ(“フォト蔵”より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする