孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

インド  トラやヒョウより厄介な人間

2016-02-21 11:02:57 | 南アジア(インド)

【2月11日 AFP】

今、福岡空港で飛行機を待っています。
インドへ1週間ほど行ってきます。
今回の目的地は、アジャンタとエローラの石窟寺院という、ベタな観光地です。
いつものように、一人旅です。

そんな訳で、最近のインドの話題を探すと、いかにもインドらしい話題が。

****インド東部の市街地 ゾウ大暴れ 100棟超が被害****
インド東部で、市街地に迷い込んだ野生のゾウがおよそ7時間にわたって街の中で暴れ、100棟を超える建物に被害が出るなど一時、騒然となりました。

インド東部、西ベンガル州の都市シリグリで、10日朝、野生の雌のゾウ1頭が近くの森から市街地に迷い込みました。

ゾウは興奮した様子で街の中を走り回り、住宅や小屋などの建物に体当たりして壊したり、止めてあったバイクを次々と踏みつぶしたりしました。

現地からの報道によりますとけが人はいませんでしたが、100棟を超える建物に被害が出たということです。
現場では、迷い込んできたゾウを一目見ようと大勢の住民が集まって大混雑する一幕もあり、地元当局は大勢の人に取り囲まれたと感じたゾウがパニックになった可能性があると見ています。

ゾウはおよそ7時間後、麻酔銃でおとなしくなったところをクレーンを使ってトラックの荷台に乗せられ、森に帰されました。

ロイター通信は、野生動物の専門家の話としてインドでは経済成長に伴う開発で野生のゾウの生息地が失われ、ゾウが人里に迷い込みトラブルになるケースが増えていると伝えています。【1月11日 NHK】
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ゾウもいますが、ヒョウだっています。

****インド・バンガロールでまたヒョウ騒ぎ、130の学校が閉鎖****
数日前にヒョウが5人を負傷させる騒ぎがあったばかりのインド南部バンガロール(Bangalore)で11日、再びヒョウの目撃情報があり、付近の130の学校が閉鎖した。教育当局が述べた。

7日に敷地内に侵入したヒョウが捕獲された学校から6キロほど離れた地区で、女性がヒョウを目撃したとの情報があり、パニックが広がった。森林局職員によると、目撃情報があった場所の周辺を捜索したものの、ヒョウは見つからなかったという。【2月11日 AFP】
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しかし、ゾウやヒョウより厄介で怖いのは人間です。

インドは周知のようにヒンズー教徒が多数派ですが、イスラム教徒なども大勢います。
両社の対立は、インドの抱える最大の問題のひとつですが、ヒンズー至上主義とも言われるモディ首相のもとで、ヒンズー的価値観を強要するような空気が濃くなっています。

モディ首相自身がそういう言動をすることは多くはないとは思いますが、首相に政治的に近い勢力がヒンズー至上主敵言動を強めることを黙認しているとも。

****「牛肉食べた」イスラム教徒を集団殺害の容疑、15人訴追 インド*****
インドのウッタルプラデシュ州の警察は26日までに、牛肉を食べたり家内での保存が疑われたイスラム教徒の50歳男性が住民の集団暴行で殺害されたと報告した。15人が殺人罪で訴追された。

事件は今年9月、人口が6000人以上の地域で発生。イスラム教徒は2家族しかおらず、鍛冶(かじ)職人だった被害者の男性はそのうちの1世帯に属していた。

事件では被害者の自宅も襲われて略奪を受け、高齢の母親や22歳の息子も殴打されるなどした。息子は重傷で病院に運ばれたという。

被害者の自宅の冷蔵庫には牛肉があるとの情報も流れ、地元警察は科学捜査の結果を待っている。

ンドで圧倒的な多数派を占めるヒンドゥー教は牛を神聖視しており、殺害などはウッタルプラデシュ州を含む大半の地域で禁じられ、犯せば罪となる。

同国内ではここ数カ月間、少なくとも2人のイスラム教徒男性が牛肉を運んだり、牛の密輸に加わったとのうわさが流れる中で襲撃される事件が起きていた。【2015年12月26日 CNN】
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もともと、「法治」の意識があまり定着していないようにも思えます。

****群衆がアフリカ女子学生を暴行、交通事故の報復か インド****
インド南部バンガロール)の警察当局は4日、タンザニア人女子学生(21)を暴行し車に火を付けたとして、5人を逮捕した。アフリカ人運転手が起こした自動車死亡事故に怒った群衆が、たまたま現場近くを通りがかった女子学生らに報復として襲い掛かったとみられる。

警察に3日に出された被害届によると、この女子学生は先月31日夜、友人男性と車に乗っていたところを襲撃された。現場近くでは、その少し前に、スーダン人運転手の車に地元女性がひかれて死亡する事故が起きていた。

現地紙タイムズ・オブ・インディアが被害届の内容として報じたところによると、女子学生は「車に火を付けられた。群衆が私のTシャツを強く引っ張ったので、シャツは裂けて脱げてしまった。皆が殴ってくるので、私たちは命からがら逃げた」「友人と私はバスに飛び乗ったが、運転手は発車しようとせず、他の乗客によって私たちはバスの外に放り出された。私にシャツをくれた通りすがりの人も、同じように殴られていた」などと訴えている。

被害届によれば女子学生は、現場にいた警察官に助けを求め、自分はタンザニア人で交通事故とは関係ないと強調したが、警官は「どこから見てもそっくりだ」などと言って助けてくれなかったという。【2月5日 AFP】
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宗教対立と並んで、インド社会の抱える最大の問題のひとつがカースト制の問題。

なかなか外部の人間にはわかりづらい問題ですが、社会的に差別される低カーストを支援する政策が、上位カーストからすると「逆差別」と映るという、非常に微妙な問題もあるようです。

*****<インド>低カーストの優遇要求デモ暴徒化 衝突で3人死亡****
インド北部ハリヤナ州ロータクで19日、カーストの優遇措置の適用を求めるデモが暴徒化し、治安部隊と衝突した。地元民放NDTVによると、治安部隊の発砲などで少なくとも3人が死亡、多数の負傷者が出た。治安当局はロータクや周辺地域に外出禁止令を出し警戒を強めている。

地元メディアによると、デモを起こしているのは「ジャート」と呼ばれる農業者中心のカースト集団。公務員の採用や大学入試などで低カーストを優遇する制度の適用を求めている。

デモは数日前から始まり、幹線道路や鉄道の線路に座り込み交通を妨害。一部が暴徒化し、州政府の閣僚の自宅や警察車両、ショッピングモールなどに放火した。デモは周辺地域にも広がっており、軍が警戒に当たっている。ハリヤナ州は首都ニューデリーに隣接しているため、混乱が続けば首都の物流に影響する可能性もある。

カースト制度はインドの伝統的な階級制度で、出自により数千の集団に分かれる。低カースト層は差別の対象になってきたため、政府は公務員の採用などで特定のカーストを優遇しているが、上位カーストからは「逆差別だ」との批判もあり、カースト単位のデモがたびたび発生している。【2月20日 毎日】
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今、ニューデリーのホテルにいます。
上海からデリーの飛行機が4時間遅れ、深夜2時到着予定が、朝の6時に。
その関係で、ホテルでのチェックインもゴタゴタ。

まあ、なんとか部屋に入れました。とりあえずアップします。疲れた。
コメント
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